【映画】グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独
2009年のカナダの映画。2年遅れで日本で封切りです。
東京圏では、当初、銀座と渋谷のみ。しかも、銀座はレイトショーのみということで、観たいファンは四の五の言わずに足を運びなさい、といった様相です。(上演館はこれから少し増えるようです。)
そのレイトショーを観てきました。
《公式サイト↓》
http://www.uplink.co.jp/gould/
冷静に考えれば、グールドファン以外行きっこない映画ですから、しかたのないところです。
全篇、グールドのエクスタシーあふれる演奏と、関係者の証言で濃密に埋め尽くされています。ほとんど役者も使わず、余計な演出の少ないドキュメンタリー映画です。
エピソードの多くは、どこかで観たり聞いたり読んだりしたものが多く、格別目新しさはありません。
使用されているグールドの映像も、観たことがあるものが多いように感じました。
ただ、グールドの子供の頃からの友人や、かつて恋人だった女性3人、グールドに「弟になってくれ」とまで言われた、レコード製作に密に関わったミキサーなどの証言は、グールドのプライベートな面を生々しく伝え、なかなか興味深かったです。
映画後半の、グールドの葬儀の場面だけは、さすがにちょっと泣かせる演出をしてまして、ほろりとさせるものがありました。
使われた楽曲は数多くありました。
しびれるとしか言いようがない、リスト編曲のベートーヴェン田園交響曲から始まり、最後は、なぜかグールド作曲の4人の歌手によるあの風変わりなフーガでした。
よく聴き知ったもの、あまり知らないもの、といろいろながら、シアターの音響システムで聴く音はまた良いです。
いくつか目を見張るような演奏にも遭遇しましたが、それは観てのお楽しみです。
とにかく、グールドファン必見の映画であることは間違いありません。
※グールドのあの天才ぶりと、鋭い眼光、雄弁な弁舌、偏執狂とでもいうべきこだわりを見ていると、つい先日読んで知った、apple のスティーブ・ジョブズの奇才ぶりとあまりに見事にかぶるのでびっくりしました。
天才にはきっと共通する“特別の何か”があるのでしょう。
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