ネタも尽きてきたので、そろそろCDの感想を再開しようと思います。
真剣勝負になってしまうので、かなり大変なのですが・・・
ヌーブルジェのライブ盤の第2弾。
2007年11月のサントリーホールでの日本デビューリサイタルの模様を収めた貴重な録音です。
![Jean-Frederic Neubuger / Live At SUNTORY HALL #2CD# [Import] Jean-Frederic Neubuger / Live At SUNTORY HALL #2CD# [Import]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/517mp0Qt-1L._SL75_.jpg)
【1曲目@CD1】
J.S. バッハ:イギリス組曲 第2番 イ短調 BWV.807
日本デビューのお披露目はバッハでした。
インタビューによると、周りの人たちの薦めで決めたそうです。
イギリス組曲の中でもっとも有名な曲。
私がこの曲を最初に聴いたのはグールドの演奏です。
初めて聴いたにもかかわらず、いっぺんで好きになってしまいました。
いきなり5回くらい繰り返して聴いてしまった覚えがあります。
もの凄い緊迫感と運動性。
歯切れの良いリズム。
なんとバッハは面白いものだと感じ入ったものです。
グールドの素晴らしい演奏を最初に聴いてしまって、もう他のCDを聴く気が特に起こってこなくなってしまいました。
ところが、ある時、マルタ・アルゲリッチが大好きな友人から、アルゲリッチの唯一(たぶん)とも言えるバッハアルバムを借りたことから、アルゲリッチによるイギリス組曲の第2番を聴くことになりました。
びっくり仰天でした!
アルゲリッチの演奏はグールドと違ってピアニスティックで歯切れ良く情熱的。しかもグールド以上に快速のスリリングな演奏でした。
好きだったこの曲を、さらに好きになってしまいました。
前振りが長引きました。
そしてヌーブルジェの演奏です。
聴いてみてまたまたびっくり仰天!!!!
なんと、なんと、若々しく、スリリングかつモダンな演奏であることでしょう。
速いと思ったアルゲリッチのさらに上を行く速さ。(プレリュード、ブーレ、ジーグ)
もちろん、速いばかりが能ではなく、しっかりとテンポを保った様式感があり、そして時折ふとみせる嫌みのないルバート。
リズム感の心地よさ。音色の明るさ。
アルマンドとサラマンドは逆にぐっとテンポを落として、大変しっとりとした演奏。
かなりロマンティックではありますが、ルイサダがやったような様式を崩すようなことはせず、バッハであることを十分意識した上での抒情だと思います。
全体の構成として、「急-緩-急」をはっきり表現したいのだなというのがよく伝わってきます。
一言でいうと、格好良い演奏、ということでしょうか。
これはヌーブルジェの演奏全般に私が感じることです。
聴き終わって、「ウー、格好良い!」
と思わずうなってしまう。
とにかく、ヌーブルジェの演奏を聴いて、ますます、イギリス組曲の第2番のファンになってしまったことは間違いありません。
その証拠にその後、ポゴレリッチ、ブーニン、グルダなども買ってしまいました。
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