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2012年4月の1件の記事

2012年4月22日 (日)

ニコライ・ホジャイノフ コンサート@川崎市教育文化会館

ブログを読んでくださっている方に何人かお会いして、少し力が湧いたので久々に書いてみることみしました。

ミューザ川崎が地震でやられて、代替のホールでの東京交響楽団(指揮シャン・ジャン)との競演でした。リサイタルの時にも“小さい”と感じたニコライ君、オケの中を歩いてくると、いっそうか細く見えました。しかしラフマニノフ3番コンチェルトが始まると、その所作は堂々としたものです。

音楽専用ホールでないので、どのくらい音が聴こえるのか心配だったその通りの展開でした。出だしは解釈がナイーブだったこともあり、音が全く響きません。リサイタルで鳴り響いていた左低音もなかなか出てきません。ピアノはスタンウェイかと思って聴いていたら、やはりヤマハだったそうです。

リサイタルを聴かなかった人は、さぞや線が細いピアニストに感じていたことでしょうが、曲が進むにつれ、徐々にピアノがホールに馴染んできて、彼らしい美音や轟音が繰り出されてきました。

第1楽章のカデンツァが始まるころには、どうやらこれは凄いタレントらしいという雰囲気が会場内に満ちてきて、そのカデンツァでは、連なる和音を堂々と鳴らし切り、完全に聴衆の心をつかんだようでした。
単に上手いだけでなく、良いピアニストは“魅せ方”をよく知っています。

彼の弾き方は、しっとり歌わせる時はテンポを遅く、激しい部分は速く、と曲の中で頻繁にエンジンを切り替える表現です。これはラフマニノフの自作自演など聴くとまさに同じ。作曲者の意図を汲みとった熱演といえましょう。

嘆きの第2楽章はむしろしっかりした、しかしレガート十分のタッチで、切々と歌い上げ、終楽章は快速テンポ。オケが遅れそうになると、グイグイ引っ張っていく姿は、ショパンコンクールの時より随分と成長したと感じました。

テンポを上げたり落としたり、大音量をかましたかと思えば、壊れるような美弱音を儚げに奏でる。ショパンコンクールの時のもっさり感もなくなり、すばらしい推進力。コーダになってもピアノの音はオケに埋もれず、しっかりと鳴っている。

いい演奏だと終盤になるにつれ、だんだん気持ちが切なくなってきます。
もっと聴いていたい・・・

アンコールは木曜に続きフィガロ・ファンタジー。持てるテクニックをすべて披露します、ということでしょうか。

大きな才能です。
もうすでにコンサートピアニストとして十分個性を発揮してやっていけそうで、今の個性を保ったままコンクールに勝てるのかどうか、心配です。
これから2つコンクールに参加するとのことですので。

箔をつけながら、無事に大きく育ってくれることを祈りましょう。

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