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2011年12月 6日 (火)

ダヴィッド・フレイ ピアノリサイタル@さいたま芸術劇場

2011年11月26日(土)

さいたま芸術劇場の名企画、ピアノ・エトワールシリーズのVol.16は、1981年フランス生まれのピアニスト、ダヴィッド・フレイの日本初ツァーでした。

【前半】
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番 ニ長調 KV 311
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第15番 ニ長調 作品28 「田園」

【後半】
モーツァルト:幻想曲 ハ短調 KV 475
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調 作品53「ヴァルトシュタイン」

【アンコール】
シューマン:《子供の情景》より〈眠っている子供〉、〈詩人のお話〉
バッハ:《パルティータ第6番》より〈アルマンド〉
シューマン:《子供の情景》より〈見知らぬ国〉

フレイは、背もたれつきの椅子が好きのようで、最初は背もたれにもたれかかりやや後傾の姿勢で弾き始め、曲が進むにつれ、徐々に身体を起こしていきます。
演奏姿勢が少しグールドを彷彿とさせるところがあるものの、表現はまったく違います。グールドの再来というのはちょっと当たらないと思います。

グールドとの比較で言えば、グールドは古典派の曲は非常に明晰にさっぱり明るく活発に弾きますが、フレイは全く逆。暗いわけではないものの、テンポは落とし、一音一音確かめるように、内に籠もった弾き方をします。
あまり聴衆を意識しないような、作曲家と孤独に対話をしているようです。

音質は非常に繊細で美しい。

本来ギャラントなモーツアルトの311のソナタが、渋く内省的な曲として表現され、それは続くベートーヴェンの田園ソナタでも同様でした。
どちらも地味目のソナタであるのが、フレイの個性にぴったりはまっていた気がします。
変わっていましたが、とても良かったです。

後半のメジャーな曲になると、フレイもだいぶヴィルトゥオジティを意識した弾き方となり、時としてピアノが揺れるような大爆発もありました。

でも、どうも私はフレイは無理をしているような気がしてなりませんでした。
特にワルトシュタインのような華々しい曲が、果たして彼に合っているのかどうか疑問です。
ベートーヴェンだったら、きっと後期のソナタはとても上手なのではないかな、と感じたものでした。

アンコールは非常に感銘を受けました。
美しく、切なく、心にしみる。
シューマン、バッハとも、フレイの真骨頂はここにある、と得心しました。
特にバッハは、ペダルを多用し響きを重視した現代的な表現ですが、天にも昇るような心地よさでした。

またまた若くて才能のあるピアニストをひとり知ることになりました。
次もぜひ聴きたいリストに追加です。

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