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2011年9月18日 (日)

浜尾夕美 ピアノリサイタル@浜離宮朝日ホール(2)

【(1)からの続き】

後半、クララの可愛い小品をサラッと弾き終わると、大曲、シューマンのピアノ・ソナタ第3番が始まります。

1853年改訂版のスケルツォが第2楽章に入ったものを演奏されました。

実は、2番はたまにライブなどで聴くのですが、3番はあまり親しんでおりませんでした。

これまたシューマンらしい付点のリズムや、メッセージ性にあふれた下降音型がとても印象的。
シューベルトを思わせたり、スクリャービンに通じるようなモチーフもあったりして、変化に富んでいます。

この曲あたりになると、ホールの音響も最高になってきて、隙間なく音が空間を満たし全身に音楽が降りかかるようになってきます。
こういうのはいったいどういう現象なのか、一度科学的な理由を知りたいです。

さて、浜尾さんはこの曲になると、右手高音域の音色、左右で弾く中音域の音色、左手で弾く低音域の音色と、すべて異なる色で弾き分けていらっしゃるのが、さらによくわかってきました。

クララのアンダンティーノ~シューベルトを思わせる~を使った第3楽章の変奏曲は出色でした。ほのかな哀愁感を各変奏において、さまざまな色づけで演出。
終止の和音連打が、また息を飲むように極上でした。

メカニカルな要素を要求される最終楽章は、必ずしも最高速ではないけれども、音楽の流れで非常に劇的に「可能な限り速く」という効果をあげていて、かといって過熱しすぎることもなく、知情意のバランスのとれたすばらしい盛り上がりを見せて完結しました。
ブラボー!

アンコールは、おそらく予定されていたのが2曲。
クララの曲でした。
特に2曲目の変奏曲は規模が大きく、3部構成と考えてらっしゃったのだと思われます。
この2曲目になると、浜尾さんは開放感に満ちていて、表情も笑顔が多くなり、音楽は少し自由度を増して、とても楽しい音楽にしあがりました。
幸福感に満たされました。

もう終了しそうなところ、一生懸命拍手して、コールをつないだところ、最後にトロイ・メライが聴けました。
私でさえ弾けてしまう技術的には易しい曲。

でも、こういうシンプルで易しいものにこそ、ピアニストのセンスから品性から、すべて顕れてしまう、怖~い曲でもあります。

浜尾さんのトロイ・メライは泣けました。
言葉もありません。

2時間の幸福なひととき、ありがとうございました。

※来場者が少なく、お風呂場に近いホール状態でしたが、座席位置は比較的ダイレクト音がくる位置だったので、音がぼけることはありませんでした。

※浜尾さんはかつて、筑波大学付属盲学校の先生をなさっていたようで、そのせいか知りませんが、会場に、盲目のピアニストで有名な梯剛之さんをお見かけしました。

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