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2011年9月23日 (金)

レイフ・オヴェ・アンスネス ピアノ・リサイタル@東京オペラシティ コンサートホール(1)

2011年9月22日(木)

最近、ある意味 “あく” の強いピアニストを聴く事が多かったせいか、アンスネスの清涼さと、形容が変ながら“高度に普通”な感じが際立った気がしています。

【前半】
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調「ワルトシュタイン」 Op.53

ブラームス:4つのバラード Op.10

【後半】
ショパン:
バラード 第3番 変イ長調 Op.47
ワルツ 第13番 変ニ長調 Op.70-3
ワルツ 第7番 嬰ハ短調 Op.64-2
ワルツ 第11番 変ト長調 Op.70-1
ワルツ 第5番 変イ長調 Op.42
ノクターン 第17番 ロ長調 Op.62-1
バラード 第1番 ト短調 Op.23

【アンコール】
ショパン: プレリュード Op.27-17
グリーク:叙情小曲集より
          ノルウェーの農民行進曲
          春に寄す

ワルトシュタインの冒頭のピアニシモの連打。アンスネスのタッチはたいへん軽く柔らかく、流れるようです。
テンポは早めで、モダンです。
続く、分散させての動機のレガートといったら!
これだけ流動性を感じるワルトシュタインは、始めてです。
第2主題はテンポを落とさず、あくまで、流れを断ち切らない。

この曲は、ピアニスティックな表現を極めているような曲ですから、いかにピアノそのものの美しさを表出するか、という点で、アンスネスの美点がいかんなく発揮されたと思います。

第2楽章はぐっとテンポを落とし、しめやかなモノローグ。
終止の一音を空間の解き放つと、その消えゆく響きの中からロンド主題へと入る、その入り方は絶妙でした。

ロンドの冒頭、ペダルをどうするのか、踏み続けるのか、踏み換えるのか。アンスネスは微妙に踏み替え~バスの音が消えない程度の微妙さで~響きをコントロールしていました。
中間部のアルペジオの連続は、ワルトシュタインで一番大好きなところ。
ピアニシモの美音がホールに舞い上がり、絡み合う。
ほぼ理想的といえる美しさで魅了されました。

コーダになっても、一糸乱れず、フォルテの結尾も荒ぶらず、濁らず、美しい表現を貫きました。

ベートーヴェンの、力強さ、激しさはあえて捨象して、終始流麗なピアニズムを追求した演奏だったと思います。
“ステキ”という言葉が、これほど似合う演奏はないかもしれません。
ワルトシュタインは、それでも良いと感じます。
ここ数年、あまた聴いたこの曲の中で、出色だったと思います。

いきなりのブラヴォーは、あってしかるべきだったでしょう。

次はブラームスのバラード
アンスネスは、この曲でも、気品のある軽やかさをもってのぞみます。
美しい。
特に、第4曲のような優美な曲では、心地よさは抜群なものがあります。
ただ、第1曲や、第3曲、第2曲の中間部のような、曲自体が重苦しかったり、屈折していたりするものになると、アンスネスの美質が果たして曲の雰囲気に添うのかどうか。

これはたぶんに、私の先入観によるものではあるとは思います。
グールドやミケランジェリーでこの曲に親しんできてしまったものですから。

前半のドイツ音楽の後は、後半、オールショパンです。

【(2)へつづく】

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コメント

こっこさま:

こんにちは。
いきなりワルトシュタインじゃ、途中から入りようがないですね。
初めのうちは、音もホールや耳になじまないし、
何か、小品で肩慣らししてもらってた方が良い気が、最近してます。

佳夫さま:

コメントありがとうございます。
ハイレベルな演奏を、あのくらいの値段で聴けるとうれしいです。

「ブラヴォー」については、考え出したらいろいろありすぎて、簡単ではないですね。


期待通りのよいコンサートでした。アンスネスは本当に恵まれているピアニストだなあと思います。恵まれすぎて、逆にそれが物足りなく感じられてしまうくらい。
ところで「ブラヴォー」ですが、あまりに唐突で興冷めしてしまいました。せめて拍手しながら叫ぶくらいにしてほしいです。後半のショパンでも同様でした。歌舞伎じゃあるまいし、はっきり言って迷惑です。公共の場であることを認識して、やめて欲しいです。

むむむ…無念…
ワルトシュタインを聴きそびれて、ロビーで漏れ聴くとなんだかすごい演奏だということがわかって、入口で並んでいたときも、何人かのお客さんがヒソヒソとすごいねーと言っていました。
一曲目で演奏会が終わっちゃったような感じでしたね…weep

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