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2011年9月の16件の記事

2011年9月26日 (月)

【ヌーブルジェ動画】ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調

ひさびさに、“演奏する” ヌーブルジェの動画が出ました。

ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調

オケはフランスのリール国立管弦楽団。

2011年9月23日 (金)

ヌーブルジェ ソロライブの新譜発売!

今年の1月にパリで行われたリサイタルのライヴCDがミラーレMirare から発売されます。

以前、一度あいまいな情報を掲載したことがありますが、ようやく確実な情報となりました。

発売日は2011年9月27日です。

2011

曲は

リスト      : 「詩的で宗教的な調べ」から『葬送』
ヌーブルジェ  :マルドロール
バラケ     :ピアノ・ソナタ 
ドビュッシー  :「映像第2集」から『荒れた寺にかかる月』

さ、さすがヌーブルジェ。やってくれます(*_*)

amazonで試聴ができます。

http://www.amazon.co.jp/R%C3%A9cital-piano-Paris-Cit%C3%A9-musique/dp/B005N7AJC4/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1316783198&sr=8-2

レイフ・オヴェ・アンスネス ピアノ・リサイタル@東京オペラシティ コンサートホール(2)

【(1)からのつづき】

プログラム後半はオールショパン
1曲目は、バラード3番です。

テンポはやはり早めで、休符の取り方が短め。なので、思っているより、ほんの一瞬早く次の音が出るのが、つねに前へ前へという躍動感を生んでいます。
全体を支配する付点のリズム。
軽やかで、よどみがない。
そしてますますもって美しい。
特に高音域の滑らかで清々しい輝きには、うっとりせずにはおれません。

ショパンのバラードの中でも一番典雅なこの曲は、アンスネスにとてもよくお似合いだと思いました。

次にワルツが4曲。

一番気に入ったのは、第5番でした。
アンスネスの軽快さと流麗さが、とても曲想によく映えます。

逆に、ややもの足りなかったのが、名曲第7番嬰ハ短調

快速テンポで、piu mossoの部分が、さらにいきなり快速。
蔭とか、憂いとか、寂しさとか、この曲からはそういうものを引き出して欲しいのですが、アンスネスにかかると、あくまで爽快で憂いのない美しさになってしまう気がします。

最後がバラード第1番

私は3番と順序が逆が良かったです。

劇的な盛り上がりは1番の方がありますから、普通は聴衆受けを考えれば当然1番なのだとは思いますが。

アンスネスは最後まで感情の表出を抑え気味にして、知的で、上品、典雅に究極の音の美を追求します。
ですから、この曲も極上の美品に仕上がったものの、若きショパンの激情とか、鬱屈した精神とかがすっきりぬぐい去られ、健康にエクソサイズが終わって爽やかな汗を拭き取るようなフィナーレになったように思いました。

でも、これ相当に贅沢なこと言っていると自覚しています。
演奏のレベルはとても完成度が高く、安定していて、思わず“上手い!”と手を打ってしまうようなところばかりでしたので。

アンコールのショパンプレリュードはそれまでと違い、テンポを抑え、じっくりと聴かせてくれました。
自家薬籠中のグリークは、もちろん、アンスネスらしさが最も発揮されていたことでしょう。

演奏も終盤になってくると、美しい音のシャワーに、心地よさはずっと続くのですが、ふと、胸にぐさりと突き刺さったり、脳天をドカンと殴られたり、ほろりと涙が出たりする演奏が少し恋しくなっている自分がいたことは否めませんでした。

※ホールの入りは8分といったところでしたでしょうか。
アンスネスくらいになると、十分メジャーかと思っていましたが、1600席をいっぱいにするのはそう簡単ではないのですね。

レイフ・オヴェ・アンスネス ピアノ・リサイタル@東京オペラシティ コンサートホール(1)

2011年9月22日(木)

最近、ある意味 “あく” の強いピアニストを聴く事が多かったせいか、アンスネスの清涼さと、形容が変ながら“高度に普通”な感じが際立った気がしています。

【前半】
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調「ワルトシュタイン」 Op.53

ブラームス:4つのバラード Op.10

【後半】
ショパン:
バラード 第3番 変イ長調 Op.47
ワルツ 第13番 変ニ長調 Op.70-3
ワルツ 第7番 嬰ハ短調 Op.64-2
ワルツ 第11番 変ト長調 Op.70-1
ワルツ 第5番 変イ長調 Op.42
ノクターン 第17番 ロ長調 Op.62-1
バラード 第1番 ト短調 Op.23

【アンコール】
ショパン: プレリュード Op.27-17
グリーク:叙情小曲集より
          ノルウェーの農民行進曲
          春に寄す

ワルトシュタインの冒頭のピアニシモの連打。アンスネスのタッチはたいへん軽く柔らかく、流れるようです。
テンポは早めで、モダンです。
続く、分散させての動機のレガートといったら!
これだけ流動性を感じるワルトシュタインは、始めてです。
第2主題はテンポを落とさず、あくまで、流れを断ち切らない。

この曲は、ピアニスティックな表現を極めているような曲ですから、いかにピアノそのものの美しさを表出するか、という点で、アンスネスの美点がいかんなく発揮されたと思います。

第2楽章はぐっとテンポを落とし、しめやかなモノローグ。
終止の一音を空間の解き放つと、その消えゆく響きの中からロンド主題へと入る、その入り方は絶妙でした。

ロンドの冒頭、ペダルをどうするのか、踏み続けるのか、踏み換えるのか。アンスネスは微妙に踏み替え~バスの音が消えない程度の微妙さで~響きをコントロールしていました。
中間部のアルペジオの連続は、ワルトシュタインで一番大好きなところ。
ピアニシモの美音がホールに舞い上がり、絡み合う。
ほぼ理想的といえる美しさで魅了されました。

コーダになっても、一糸乱れず、フォルテの結尾も荒ぶらず、濁らず、美しい表現を貫きました。

ベートーヴェンの、力強さ、激しさはあえて捨象して、終始流麗なピアニズムを追求した演奏だったと思います。
“ステキ”という言葉が、これほど似合う演奏はないかもしれません。
ワルトシュタインは、それでも良いと感じます。
ここ数年、あまた聴いたこの曲の中で、出色だったと思います。

いきなりのブラヴォーは、あってしかるべきだったでしょう。

次はブラームスのバラード
アンスネスは、この曲でも、気品のある軽やかさをもってのぞみます。
美しい。
特に、第4曲のような優美な曲では、心地よさは抜群なものがあります。
ただ、第1曲や、第3曲、第2曲の中間部のような、曲自体が重苦しかったり、屈折していたりするものになると、アンスネスの美質が果たして曲の雰囲気に添うのかどうか。

これはたぶんに、私の先入観によるものではあるとは思います。
グールドやミケランジェリーでこの曲に親しんできてしまったものですから。

前半のドイツ音楽の後は、後半、オールショパンです。

【(2)へつづく】

レイフ・オヴェ・アンスネス ピアノ・リサイタル@東京オペラシティ コンサートホール(速報

最近聴いたなかでも最高レベルの、完成度の高い演奏でした。
それと、音の美しさが半端ではありません。
気の抜けた、きたない音など、ひとつもありませんでした。
(後半、ピアノの調律が狂ってしまったのはしかたないとして)

あくまでまっすぐで、自然で、流麗で、気になる”癖”といったものをほとんど感じることなく、安心して、聴けました。

そして、これらのことが、逆に、やや贅沢な若干の不足感として残った面が、あるやもしれません。

【以下つづく】

2011年9月22日 (木)

ヌーブルジェの2012ニューイヤーコンサート!!!~新ピアノ協奏曲レパートリー

2012年1月1日に、フランスのサル・プレイエルで、なんとヌーブルジェがコンチェルトを弾くようです。

オケはパリ管。

で、その曲ですが、

フィリップ・マヌリ:ピアノ協奏曲 第1番

またまた現代作曲家。(1952年~)

http://www.orchestredeparis.com/index.php?option=com_concert&task=fiche&ficheid=2306

もちろん、聴いたことありません(^^;)

連続発見!ヌーブルジェの新譜の演奏

見つかるときは見つかるものです。

ヌーブルジェの新譜の音源(だと思います)

ルイ・フェルディナント・ヘラルドのピアノ協奏曲(だと思います)

英訳して、なんとか読んでみたところ、ピアノとヴァイオリンだけで演奏される部分ということで、たぶん、3番のアンダンテかもしれません。

真ん中らへんのプレイボタンを押すと聴けます。

http://passee-des-arts.over-blog.com/article-herold-cote-coulisses-concertos-pour-piano-par-jean-frederic-neuburger-et-herve-niquet-84684053.html

音はまぎれもなく、ヌーブルジェ。美しい。

入手しなければ。

2011年9月21日 (水)

ヌーブルジェの音源をひさびさ発見~ただし、ステファン・ヘラー

ヌーブルジェの情報がまったく出てこないので落胆の日々を送っていましたが、今日、気を取り直して、検索をかけてみたら、みつけました。

NAXOSの音源です。

曲は、ステファン・ヘラー(1813~1888)の

『魔弾の射手』による四つの習作 Op.127から No.1とNo.3

(2010年度のライブ録音)

やはり清々しくかっこよいです、ヌーブルジェ。

http://ml.naxos.jp/album/DACOCD709

アルバムとなっているので、買えるかもしれません。

2011年9月18日 (日)

浜尾夕美 ピアノリサイタル@浜離宮朝日ホール(2)

【(1)からの続き】

後半、クララの可愛い小品をサラッと弾き終わると、大曲、シューマンのピアノ・ソナタ第3番が始まります。

1853年改訂版のスケルツォが第2楽章に入ったものを演奏されました。

実は、2番はたまにライブなどで聴くのですが、3番はあまり親しんでおりませんでした。

これまたシューマンらしい付点のリズムや、メッセージ性にあふれた下降音型がとても印象的。
シューベルトを思わせたり、スクリャービンに通じるようなモチーフもあったりして、変化に富んでいます。

この曲あたりになると、ホールの音響も最高になってきて、隙間なく音が空間を満たし全身に音楽が降りかかるようになってきます。
こういうのはいったいどういう現象なのか、一度科学的な理由を知りたいです。

さて、浜尾さんはこの曲になると、右手高音域の音色、左右で弾く中音域の音色、左手で弾く低音域の音色と、すべて異なる色で弾き分けていらっしゃるのが、さらによくわかってきました。

クララのアンダンティーノ~シューベルトを思わせる~を使った第3楽章の変奏曲は出色でした。ほのかな哀愁感を各変奏において、さまざまな色づけで演出。
終止の和音連打が、また息を飲むように極上でした。

メカニカルな要素を要求される最終楽章は、必ずしも最高速ではないけれども、音楽の流れで非常に劇的に「可能な限り速く」という効果をあげていて、かといって過熱しすぎることもなく、知情意のバランスのとれたすばらしい盛り上がりを見せて完結しました。
ブラボー!

アンコールは、おそらく予定されていたのが2曲。
クララの曲でした。
特に2曲目の変奏曲は規模が大きく、3部構成と考えてらっしゃったのだと思われます。
この2曲目になると、浜尾さんは開放感に満ちていて、表情も笑顔が多くなり、音楽は少し自由度を増して、とても楽しい音楽にしあがりました。
幸福感に満たされました。

もう終了しそうなところ、一生懸命拍手して、コールをつないだところ、最後にトロイ・メライが聴けました。
私でさえ弾けてしまう技術的には易しい曲。

でも、こういうシンプルで易しいものにこそ、ピアニストのセンスから品性から、すべて顕れてしまう、怖~い曲でもあります。

浜尾さんのトロイ・メライは泣けました。
言葉もありません。

2時間の幸福なひととき、ありがとうございました。

※来場者が少なく、お風呂場に近いホール状態でしたが、座席位置は比較的ダイレクト音がくる位置だったので、音がぼけることはありませんでした。

※浜尾さんはかつて、筑波大学付属盲学校の先生をなさっていたようで、そのせいか知りませんが、会場に、盲目のピアニストで有名な梯剛之さんをお見かけしました。

浜尾夕美 ピアノリサイタル@浜離宮朝日ホール(1)

2011年9月18日(土) 18時~

ふらっと立ち寄った自由席のコンサート。
国立音大の専任講師をしていらして、さしたるコンクールの受賞歴などもみあたらないけれど、地道に音楽活動をされているらしい浜尾さん。

たいへんな失礼を顧みず書いてしまいますと、思いの外、すばらしい感動を体験できた一夜となり、得した気分で帰路につくことができました。

【前半】
シューマン:クララ・ヴィークの主題による即興曲 作品5
ブラームス:ピアノ・ソナタ第2番 嬰ヘ短調  作品2

【後半】
クララ・シューマン:ロマンス 作品11-3
シューマン:ピアノ・ソナタ第3番 ヘ短調 作品14

【アンコール】
クララ・シューマン:4つのつかの間の小品 作品15より
                    第1集 ヘ長調
クララ・シューマン:ロマンス 変奏曲 作品3
シューマン:トロイ・メライ

『クララ・ロマンス』とうたった、リサイタル。
クララと、彼女をめぐるシューマン、ブラームスの関連する曲を集めるという趣向でした。

浜尾さんはワインレッドのドレスで登場。
背筋をスッと伸ばした、美しい演奏姿勢です。
優しいタッチでクララの主題による即興曲が始まりました。

例によって、はじめのうちは耳が慣れないので、絶好の座席位置にもかかわらず、響き感ががもう少しという気がしたのですが、演奏がすすむにつれ、徐々にホールと音と耳が一体化していきました。

初めて聴く曲でしたが、13歳のクララに返礼する曲としては、随分とまあ執拗な音楽でしょうか。これでもか、これでもかと、下行5度のド~ファ、ソ~ドが、左右に出てきます。
そこがシューマンらしいといえば、シューマンらしいところではあります。

2曲目のブラームスのソナタ第2番
前回のヌーブルジェ来日の時のプログラム曲。
とっつくにくい曲だったので、事前に楽譜まで持ち出して徹底的に準備して、ヌーブルジェの演奏を聴いたら、あまりのすばらしさに、一挙に好きになってしまった、私にとってはいわくつきの曲です。

実は、今日はこの曲がもう一度聴きたくて来たようなものだったのです。
(マイナーな曲なので、まったく生では聴けないのです(涙))

浜尾さんは、決してヌーブルジェのような切れ味をお持ちではありません。
しかし、とても丁寧で、ピアニシモも、フォルテシモも、指の先の先まで神経を行き届かせて、美しくクラシカルな音を奏でようという意識がよくわかります。

また、聴いていて、うっとりと音楽に身をゆだねさせることができる、安心感があります。
不思議なもので、どうしてもあまりうっとりできない音楽と、この日のように寄り添える音楽とがあり、その理由を一度ピアノの師匠から教えてもらったことがあります。
それは、フレージングだと。
大きな息の長いフレージング感を持っているピアニストは、聴衆に安心を与えられるのだ、と。

なるほど、浜尾さんは、小手先でこちょこちょと、つまらない細工をするようなことをなさいません。
音楽の自然な流れ、聞こえ方、というのを大事にしてらっしゃるように見受けられます。
ルバートもアゴーギクも必要最小限であるし、センスもよろしいので、作為感や、臭さ、というものがありません。

決して大きな手という感じもしないのですが、ブラームスの厚い和音や、2番に頻出するオクターブも、危なげなく、美しく鳴らしきっていました。

大好きな曲を素敵に聴く事ができ、まずは前半でほぼ元をとれてしまったと思ったものです。

【(2)へ続く】

2011年9月14日 (水)

鷲見加寿子 ピアノリサイタル@東京文化会館

2011年9月13日(火)

ドイツで修行後、現在東京音大のピアノ科主任教授。
大作曲家の晩年、というコンセプト。

年齢は違うのに、なぜか大作曲家は晩年になると、皆、独特の寂とした境地の音楽を作るので、不思議です。

ピアノはベーゼンドルファーでした。

【前半】
バッハ/パルティータ第6番 ホ短調 BWV830
ブラームス/6つの小品 作品118

【後半】
ウェーベルン ピアノのための変奏曲 作品27
ベートーヴェン ピアノソナタ第32番 ハ短調 作品111

【アンコール】
バッハ/ケンプ シチリアーノ

バッハは、かなりアップテンポで、さっぱりした味付けで始まりましたが、徐々に集中が増していった感じで、猛スピードのジーグは求心力抜群でした。
ペダルは比較的使用する方で、音楽の作りはオーソドックスで嫌みがありませんでした。

ブラームスは、バッハと対照的に、テンポをゆったりとり、ディテールへのこだわりが感じられました。
まっすぐなバッハと異なり、ルバートもかなり使用していました。

ただ、和音の響きの厚みとか、フォルテのたくましさがもう少しほしい気がしました。

後半のウェーベルン、生で聴くのは2度目ですが、私にはまだまだハードルが高いです。構造はようやく見えてきたかなといったところ。
というか、鷲見さんはドイツで修行しただけあってなのか、構造を描くのが上手だと思います。

ラストのベートーヴェン
ここで、鷲見さんは、椅子の高さをかなり下げます
それまでの高さが高すぎたのか、弾く曲によって、高さを変えているのか、わかりません。

結果、椅子を低くしたことは大成功でした

前半、どうもせっかくのベーゼンドルファーの鳴りが今ひとつだった気がしていたのが、ベートーヴェンでは、非常によく響き出しました。
鍵盤によく体重が乗る感じになって、低音部の迫力がすばらしい。これぞベーゼンドルファーといった音が聴けました。

音楽の作りも実に堂々としていてベートーヴェンらしく、最近、とかく飛ばしがちの演奏がこの曲では多い中、実に丹念で急がず、大きな音楽となっていました。
第2楽章は、テーマが異様にスローで失速ぎりぎりでしたが、おそらくそれは確信犯で、変奏が進むにつれ、次第にテンポアップして自然になりました。
第5変奏からコーダにかけての高音部の煌めきは、やはりベーゼンドルファー独特の儚げな美音に彩られ、今年聴いたアンドラーシュ・シフを彷彿させるようでした。

アンコールは、バッハ/ケンプのシチリアーノ。ペダルをおさえ、ボツボツ感のある演奏でしたが、この曲の楽譜をみると、それで正しいのですね。

由緒正しきドイツの音楽を堪能できたと思えたコンサートでした。

※ご本人的には、やや不満の残る出来だったのでしょうか、アンコールの時の所作は、ちと、怖いものがありました。
いろいろあろうかと思いますが、きっちり立て直していらっしゃいましたからライヴでは問題ないことでしょう。

2011年9月10日 (土)

ダニール・トリフォノフ ピアノ・リサイタル@紀尾井ホール(3)

【2からの続き】

後半は、まずシューベルトの歌曲のリスト編曲版。
昨年、ユジャ・ワンを聴いていらい、すっかり好きになってしまった曲です。

リリックな「春のおもい」こういうのが実は結構トリフォノフに合っているような気がします。
「ます」はややペダル控えめの淡々とした入りから徐々に盛り上げ。
「水の上で歌う」大好きな曲。美しい。泣ける。
「魔王」最高速にはせずに、じっくりとした作り込み。うねる、うなる、変化する。自由です。

続いて、これまた、大大大好きな「献呈」
大好きなだけに、ちょっと辛口なのですが、まだややお客様っぽい感があって、弾きこんでいけば、もっともっと良くなると思います。(※)

ショパンコンクールのアンコールから、何度も聴いている「ラ・カンパネラ」
生では、ショパンガラでの演奏以来です。今日は最後ちょっとハッとした以外は、ほとんど言うことなし。完全に自分のものとしていて、これぞFAZIOLIの音、これぞトリフォノフの音、これぞ紀尾井の音、というべきものを堪能できました。

プログラム最後は「メフィストワルツ」
相当興がのってきたようで、迫力とスリルにあふれた演奏。若さの猛爆といいましょうか、外向きのエネルギーに満ちていました。

アンコールでは、例にもれずリラックスし、お国ものは気楽に。
ショパン、オシャレでまさに華麗なワルツ、そしてマズルカ。

圧巻は「タランテラ」
この曲、ヌーブルジェのオーベル・シュル・オワーズのアルバムで大好きになった曲です。
ヌーブルジェの直線的で清々しい演奏は大好きでした。
トリフォノフは強烈なスピード感とリズム感、変化と自由度のある演奏。
これはこれで、タテノリしてしまうような楽しさでした。

アンコール最後は、優雅なガボットで締めでした。

20歳にしてこれらの表現力はたいしたものです。
本物の天才はここから数年の成長がさらに著しいでしょうから、今後目が離せないピアニストです。

※紀尾井ホールの1階左サイドのバルコニー席に初めて座ってみました。
圧迫感がなく、とても優雅に聴く事ができ、満足でした。音響もまずまず。
たぶん、右サイドの方がもっと音響は良いでしょうから、次に試してみたいと思います。

※「献呈」は別に良くなかったということではなくて、自分のこの曲との出会いの演奏の印象があまりにも強くて、そのイメージに引きずられているのです。きっと。

ダニール・トリフォノフ ピアノ・リサイタル@紀尾井ホール(2)

繊細かつ華やかな美的感覚とエンタテイメントの精神とを持ち合わせている、スターと呼ぶにふさわしいピアニストの誕生でしょう。

【プログラム前半】

ショパン: 舟歌 嬰へ長調 Op.60
ショパン: 練習曲集 Op.25

【プログラム前半】
シューベルト / リスト:
 春のおもい
 水の上で歌う
 ます
 魔王

シューマン / リスト: 献呈
パガニーニ / リスト:ラ・カンパネッラ
リスト: メフィスト・ワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」

【アンコール】

チャイコフスキー:少しショパン風に
ショパン:ワルツ 第1番 変ホ長調 Op.18
チャイコフスキー : 田舎のエコー
ショパン:マズルカ Op.56-2
ショパン:タランテラ
バッハ/ラフマニノフ : ガボット  BWV1006

まずは様子をうかがうように、ゆっくりと落ち着いた入りの舟歌
初めのうちはどうしても音がホールや耳になじまないので、音量が小さく感じましたが、だんだん響きと輝きを増してきました。

ショパンコンクールの時より、さらに完成度が増しており、素晴らしい。調子が良さそうです。

続くエチュードOp.25は、ルービンシュタインコンクールチャイコフスキーコンクールで全曲弾いたものです。

ネットの配信で聴くのと、生とでは、当然と言えば当然ですが、相当違います。
生ではトリフォノフの意図しようとする演奏効果がとてもよくわかります。ディナーミクの変化や、音色の変化も、手に取るようにわかる。

1曲1曲の個性を、とてもよく弾きわけていて、聴いていて飽きることがなく、えっ、もう終わってしまうの?と感じるくらい、12曲があっという間でした。

彼は決してバリバリとヴィルトゥオーゾ的に弾けるタイプの人ではないので、コンクールの配信では、荒が目立ってしまうこともありましたけれど、ライヴで聴くと、そんなことはあまり気になりません。
一本調子で平板になることなく、いろいろなニュアンスをつけて、エチュードでありながらも、音楽を奏でようという強い意志を感じました。

苦手そうな3度や6度もまずまずだったし、今日驚いたのは、フォルテは相当力強いし、デモーニッシュな内面をも持ち合わせているのがわかったこと。

特に、10番のおどろおどろしさにはびっくりしました。

木枯らしのエチュードは、やや抑え気味に弾いていたのが、かえって幸いして、突風ではない、落ち着いてやさしくそよぐ木枯らしだったと思います。

全体的に、アップテンポで演奏しており、中には相当なスピードのものありましたけれど、もしかしたら、木枯らしくらいに抑えて弾いた方が、トリフォノフの持ち味がもっとでるのではないかな、などとも思ったりしました。

【3へ続く】

2011年9月 9日 (金)

ダニール・トリフォノフ ピアノ・リサイタル@紀尾井ホール(1)

やんちゃなのだけれど、実は繊細でナイーブな少年が、自由な精神を保ったまま、大人になろうとする途上のような音楽。

乱暴ですが、端的に表現すると、今日のトリフォノフの音楽はこんな感じでしょうか。

そして、聴衆を魅了するカリスマ性を備えていると思います。
まったく退屈することのない、楽しさがいっぱい。
演奏する本人もいかにも幸せそうだし、聴く方も、終演後ハッピーな気分になれる。

音”楽”を聴けた一夜でした。

アンコール6曲の大サービス。

ありがとうございました。

とりあえず、第一報。

2011年9月 8日 (木)

いよいよ明日ダニール・トリフォノフ、紀尾井ホール登場

本日は、サントリーホールにて、ピアノコンチェルトを弾いたダニール・トリフォノフ。
Daniil Trifonov

いよいよ明日は注目のリサイタルです。

【プログラム】

ショパン: 舟歌 嬰へ長調 作品60
                Chopin: Barcarole op.60

ショパン: 練習曲集 作品25
                Chopin: Etudes op.25

- - - - - - -                

シューベルト / リスト: Schubert-Liszt:
 春のおもい Fruhlingsglaube
 水の上で歌う Barcarole
 ます Die Forelle
 魔王 Erlkonig

シューマン / リスト: 献呈
Schumann-Liszt: Widmung

パガニーニ / リスト:ラ・カンパネッラ
Paganini-Liszt: La Campanella               

リスト: メフィスト・ワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」
Liszt: Mephisto Valse

 

使用ピアノは、昨年2010年のショパンコンクールで彼が選んだ

 FAZIOLI (ファツィオリ)

とのことです。

究極の個性的な美音を持つトリフォノフ、響くことでは日本最高峰の紀尾井ホール、そして、独特の音色を持つFAZIOLI。

この条件が一体となった明日、どんな異次元の美が待っているのか、今から興奮しています。

2011年9月 4日 (日)

ヌーブルジェ海外コンサート情報

9月28日に、オーディオトリム・ドゥ・ルーヴルで、ヌーブルジェがリサイタルを開くようです。

Auditorium du Louvre, PARIS (75001)

Le mercredi 28 septembre 2011

Au programme :

Wagner / Liszt ("Reproches de Lohengrin" à Elsa S 446,
Ouverture de 'Tannhäuser' S 442),
Ligeti (Trois études),
Neuburger ("Vitrail à l'homme sans yeux"),
Liszt ("La Lugubre Gondole" I S 200/1,
"Bagatelle sans tonalité" S 216a,
"Csardas Macabre" S 224,
"Mephisto-Polka" S 217i,
Rhapsodies hongroises en la mineur S 244/13,
en ré mineur S 244/17,
en ré bémol majeur S 244/6)

ワグナー/リストとか、リゲティは最近は見ていないです。

ヌーブルジェ作曲のは、新作でしょうか?

リストのは、最近よく弾いているものです。

mediciでもしや観られるか、とも思いましたが、まだ情報は載っていません。

庄司さやかさんのリサイタルはありますが。

最近、本当に情報が少なくなりました(;_;)

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