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2011年8月29日 (月)

イリーナ・メジューエワ @横浜みなとみらい大ホール~革命エチュードのある発見

2011年8月13日(金)
(やや遅いレヴュー)

メジューエワを知ったここ数年、ある時は会議室で、ある時は地方の小さなホールで、と至近距離でダイレクトな音ばかりを聴いてきました。

なぜ、東京のメインの大きなホールでリサイタルを開かないのだろう?

初めて大きなコンサートホールで彼女を聴く事ができました。

<オール・ショパン・プログラム>

【前半】
幻想即興曲 嬰ハ短調 作品66
華麗なる大円舞曲 変ホ長調 作品18
小犬のワルツ 作品64の1
ワルツ 嬰ハ短調 作品64の2
エチュード
 変イ長調 作品25の1《エオリアンハープ》 
 ヘ短調 作品25の2 
 変ト長調 作品10の5《黒鍵》
 嬰ハ短調 作品25の7
 ホ長調 作品10の3《別れの曲》
 イ短調 作品25の11《木枯し》
 ハ短調 作品10の12《革命》

【後半】
プレリュード 変ニ長調 作品28の15《雨だれ》 
舟歌 嬰ヘ長調 作品60
ノクターン 嬰ヘ長調 作品15の2
即興曲 第1番 変イ長調 作品29
ワルツ 変イ長調 作品69の1《告別》
ワルツ ヘ短調 作品70の2
バラード 第4番 ヘ短調 作品52

【アンコール】
ノクターン 嬰ハ短調 遺作
プレリュード 作品28の23
プレリュード 作品28の24

前半はどうもいつものメジューエワとやや様子が異なり、音量を控えているように聞こえました。
みなとみらい大ホールは、とてもよく音が響く~時に響きすぎる~ので、音の出方をうががっているようにも見えました。

しかし、プログラムが進むにつれ、いつもの求道者のような集中力と、聴く者のハートをえぐり出すような深く強いタッチが徐々に現れ、ワルツヘ短調バラード4番からアンコールで、その音楽は絶頂に達したように感じます。

さて、この日のリサイタルで、実はある発見をしてしまいました
プロのピアノ弾きの方にとっては

「そんなの当然」

なのかもしれませんが、基本、楽譜を読まずに耳からのみ音楽を楽しんでいる素人にとっては、楽譜のちょとした解釈の違いを判別することはなかなか難しいことです。

曲は前半の最後に弾かれた、ショパンの楽曲の中でも、その有名度合いは間違いなく5本の指には入るだろうと思われる、

『革命のエチュード』

です。
私自身も、過去、多くのピアニストの演奏に接してきました。

メジューエワが弾きだします。

まず遅い。

そして、左手がなんか変。

とても変!!

申し訳ないですが、とても下手、に聞こえてしまうのです。
拍ごとに、流れを断ち切るように、アクセントを入れる。
つまり、普通だったら

「ティラタラリラタラリラタラリラタラリラタラリラティアティアティアティアタン!」

と聞こえるのが

「ティラ ラリラ ラリラ ラリラ  ラリラ  ラリラ ティアティア ティアティア タン!」

のように聞こえるのです。
不器用な感じ、と言ってもよいかもしれません。

この曲に関しては、やや納得のいかない感覚を持ったまま家に戻り、疑問を解決するため、他のピアニストの演奏を聴くと、やはり、ほとんどメジューエワのようには聞こえません。

つまり、左手はつながって聞こえます
わがヌーブルジェも、ものすごく流麗に弾いています。
あえて注意して聴くと、ホロヴィッツあたりは、多少似た感じには聞こえます。

ちなみに、この曲は勇壮な曲と思われているけれど、実は左手のレガートの練習です、とピアニストの久元祐子さんのレクチャーで教わったことがあります。

で、いよいよ楽譜を見てみることにしました。

論より証拠、見れば疑問はたちどろこに氷解します。

Photo

ということで、メジューエワは、あえてスピードを落とし、ショパンのアクセントの指示を忠実に表現しようとしていたことが判明しました。

それにしても、かなりデフォルメした感はありましたので、

「今までの演奏は間違いですよ」

とでもメッセージを発しているとしか、私には思えません。

このあたり、機会があったら、ぜひご本人の意図を確かめてみたい気もします。

※久本さんのレクチャーの裏付けとして、左手の指示には "legatissimo"とあります。用語辞典によれば、molt legato ということです。
ガツガツ弾いてはいけない、ということですね。

※楽譜はIMSLPのパブリックドメインのものを使用しています。

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コメント

さくらさま:

>本当に行って良かったです。 ご紹介どうも有難うございました。

それは良かったです(^^)

イディル・ビレット、知りませんでした。
まさにこれですね↓
http://www.youtube.com/watch?v=CCvQIh-kN0k

貴重な情報、ありがとうございましたm(_ _)m

Mykumaさんの記事で興味をもち、私も同公演行きました。
暑さが苦手で行くのをためらったため、前日残少チケットをとったのですが、
2F右側のステージから一番遠いブロック1列目、
彼女の音がクリアに届いて響きすぎず意外にも満足でした。
本当に行って良かったです。 ご紹介どうも有難うございました。

革命・・・İdil Biretさん(の録音)が同じように弾いていらっしゃるのですが、
これはインパクトありますよね(笑)

こっこさん:

秋の公演は、11/1のプロコフィエフの生誕120周年のものですね。
紀尾井ホールです。
もち、もう手配スミです(^。^)

http://www.russian-festival.net/img/program/2011/ps/37.jpg

裏から入りましたーhappy01

メジューエワさん、まいくまさんのブログで興味を持ったのですが、まだ実演を聴いたことがなくて…。秋にロシアンフェスティバルの一貫として、朝日ホールだったか、何人かのピアニストが出演される中にメジューエワさんがいらっしゃるので、聴けるかもしれません。
革命のエチュードの話は興味深いですね。ショパンが意図したことを忠実に表現されているのですね。

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