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2011年7月 3日 (日)

藤原由紀乃 ピアノリサイタル@東京文化会館小ホール

平成23年7月2日 18:30開演
1985年のロン=ティボー国際ピアノ・コンクールで優勝。
約30年、ドイツを本拠に活動。
この日のピアノはベーゼンドルファー。

【前半】
J.S.バッハ:幻想曲とフーガ イ短調 BWV.944
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第26番 変ホ長調 Op.81a 「告別」
ショパン:幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61

【後半】
ラヴェル:夜のガスパール

【アンコール】
ラヴェル:水の戯れ
ラヴェル:「クープランの墓」よりトッカータ
リスト:超絶技巧練習曲 第5番「鬼火」
リスト:ラ・カンパネラ
ショパン:エチュードOp.25-11「木枯らし」(「革命」)
ショパン:エチュードOp.25-12「大洋」
バッハ:ゴールドベルク変奏曲よりアリア

藤原さんの演奏はこの日が初めての体験。
椅子を後ろに退いて、かなり前傾姿勢で鍵盤に頭を近づけて演奏します。
最初のバッハから、”音楽に入り込んでいる”というような集中を感じます。
音量は小さめ。フォルテであってもピアノを叩きつけるようなことはしません。
音楽の隅々まで神経を行き渡らせている、という感じを受けます。
フレージングが長くて音楽は自然に聞こえます。
テンポの早い曲では推進力があって、ぐっと惹きつけるものがあります。

ピアノがベーゼンドルファーだったこともあり、高音は儚いガラス細工のような音がし、低音は温かいバスの声楽を聴いているようです。
逆にスタンウェイのピアノにある輝かしさとか、豊穣さ、迫力というものは及ばないのですが、藤原さんの個性にはベーゼンドルファーのような音が合っているのかもしれません。

プログラムが進むにつれ、興ものってきたようで、後半の夜のガスパールは音楽の詩的で劇的な効果がよく表現されていました。

アンコールは大サービスで7曲。
最初のラヴェルの「水の戯れ」は、ベーゼンドルファーの高音部の特色が最大限発揮された名演だったと思います。目の前に水がキラキラと揺らめく様が見えるようでした。

その後はなんと超絶技巧を要する曲ばかりが続きました。
腕に覚えあり、というところなのでしょうか。

ラ・カンパネラはテンポを抑えて、いろいろなニュアンスを織り交ぜ、とかくメカニカルだけになりやすいこの曲から、音楽的魅力を引き出してくれました。

ショパンあたりからは、やや疲れがみえたような気がしました。
息がきれる曲ばかりでしたから。
リストで終わっても良かったかな。

これは、まったくの当て推量ですが、ラ・カンパネラの最後でちょっとミスが出てしまったので、ショパンの難曲で挽回して終わりたかったのかなあ、などと。

今の若いピアニストたちのように、強音強奏でバリバリピアノを鳴らすというタイプとは正反対で、落ち着いて考え抜かれた大人の演奏だったと思います。

※藤原さん、とても上品でおしとやかな方のようです。
演奏前にも、3度も4度もお辞儀をされます。
アンコールは1曲1曲、はっきりとアナウンス。
「リストのラ・カンパネラを弾かせていただきます」
ハッハー、どうかお願い申し上げます、という感じでした。

アンコール最後のゴールドベルク変奏曲アリアが終わり、何度もお辞儀された後、最後の最後で、ドレスをつまんで、カーテシーのお辞儀をして締めました。
実に嫌みがなくて可憐でドッキリしてしまいました。

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