最近のトラックバック

« 2011年6月 | トップページ | 2011年8月 »

2011年7月の10件の記事

2011年7月31日 (日)

『二十世紀の10大ピアニスト』(中川右介著、幻冬舎新書)

二十世紀の10大ピアニスト<br>ラフマニノフ/コルトー/シュナーベル/バックハウス/ルービンシュタイン<br>アラウ/ホロヴィッツ/ショスタコーヴィチ/リヒテル/グールド (幻冬舎新書 な 1-8) 二十世紀の10大ピアニスト<br>ラフマニノフ/コルトー/シュナーベル/バックハウス/ルービンシュタイン<br>アラウ/ホロヴィッツ/ショスタコーヴィチ/リヒテル/グールド (幻冬舎新書 な 1-8)

著者:中川 右介
販売元:幻冬舎
Amazon.co.jpで詳細を確認する

長い副題は
~ラフマニノフ/コルトー/シュナーベル/バックハウス/ルービンシュタイン/アラウ/ホロヴィッツ/ショスタコーヴィチ/リヒテル/グールド~

20世紀に活躍したこれら10人の大ピアニストたちの生涯のエピソードを、編年体で、つまり、時間軸に沿って、歴史上の社会・政治のエピソードにからめて紹介していきます。

特定のピアニストの伝記に比べて、複数のピアニストたちの活躍の場は世界各地で行われているため、ワールドワイドなダイナミックさをもったドラマに仕上がっています。

また各ピアニストたち同士の関係が、いろいろな局面で絡み合って、エピソードが重層的になって非常に面白い。

20世紀の激動の世界史に翻弄されつつも、その芸術的才能のおかげで、逞しくも生き抜いた天才たちの様々な人生。

それぞれに波瀾万丈の人生の中でも、派手なエピソードの数々に彩られているルービンシュタインやホロヴィッツに対して、その知名度のわりにはエピソードの類が少ないバックハウスやアラウ
なんだか、演奏にも人生が現れていると思えます。

読んでいると、改めてこれらの巨匠たちの演奏を聴き直してみたくなること請け合いです。

すでに、多くの録音がCD化されていますし、もう彼らの録音は、50年という著作隣接権の期限が切れて、今年でいえば、1961年の演奏が解禁となるわけで、次から次へと新録音が現れてくる可能性があるので、楽しみです。

また、今ではYou Tubeという強烈なソーシャルメディアがありますので、わざわざCDを探し求めなくても、ある程度の演奏の様子は、即入手できますね。

良い時代になったものです。

※面白かったエピソード一部紹介

・ホロヴィッツのアメリカデビューでのチャイコフスキーのコンチェルトの演奏は、オケと指揮者を置き去りにした、それはハチャメチャなものであった。なぜなら・・・

・親しく付き合っていたホロヴィッツとルービンシュタインは、ある時をさかいに、ぴったり交流がなくなってしまう。その理由は実に些細なことだった。何かというと・・・

・ラフマニノフは友人であり、ライバルであったスクリャービンの葬儀の後、チャリティーでスクリャービンの作品の連続演奏会を開いた。しかし・・・

・ルービンシュタインが戦後来日して武道館でリサイタルを行った1週間後、同じ武道館でコンサートを行ったのは何と・・・

・ホロヴィッツが亡くなった5日後に起こった世界史的大事件が・・・

2011年7月28日 (木)

パク・ヘユン ヴァイオリンリサイタル@紀尾井ホール

7/27(水)19時 紀尾井ホール

体調不良ということで、カルメン幻想曲がなくなり、代わりにマリアンナ・シリニャンのピアノ・ソロが演奏されました。

【プログラム】
リスト:巡礼の年第2年イタリアより、ダンテを読んで:ソナタ風幻想曲
(Pf.シリニャン)
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第7番 ハ短調 op.30-2
R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 op.18
ラヴェル:ツィガーヌ

【アンコール】
バッハ:無伴奏ソナタ第2番 アンダンテ

1曲プログラムを削るというのはよくよくのことですから、相当体調が悪かったのでしょう。
実際、アンコール後のカーテンコールでは、やや足下がおぼつかない場面がありました。

それにもかかわらず、素敵な演奏を堪能できました。

ピアノとのデュオは、紀尾井だけにピアノが朗々と響きすぎて、ややヴァイオリンが埋もれてしまったきらいはありますが、ヴァイオリンのソロ部分ではそれはうっとり聴かせてもらえました。

ツィガーヌの出だしのヴァイオリンがずっとソロを奏でる部分にこの日は一番惹かれました。低音の響きがセクシーでした。

※思いもかけず聴くことになった、シリニャンのリスト。音に厚みがあり、豪華で明るめのダンテでした。
ピアノソロは、それはそれでまた良かったです。

※いつの頃からか、ピアノの屋根を全開にするようになったのですね。
シリニャンの音が分厚いこと、そして、紀尾井ではピアノがガンガン鳴ること、こういうことがバランスに影響していたのかもしれません。

2011年7月26日 (火)

【ヌーブルジェ動画】ベルク:ソナタを弾き語るヌーブルジェ

ひさびさにヌーブルジェのピアノ動画新曲。

ほんのさわりだけですが、ファンにはお宝です。

ただし、語りが半分以上。よくしゃべる人です。

【ベルク:ソナタ】@2011年ナント・ラフォル・ジュルネ


Jean-Frédéric Neuburger - la Folle Journéede... 投稿者 francemusique

2011年7月24日 (日)

ヌーブルジェ新譜発売!!!!!!!!!!!

久々のビッグニュース。

ヌーブルジェの新譜が8月31日に発売されます。

しかし・・・・・・・・・・・

フェルディナン・エロールのピアノ協奏曲2番、3番、4番って・・・・・・・・・・・・

モーツァルトの亡くなった1791年に生まれているフランスの音楽家。

ベートーヴェンと同じ時期を生きている。

ウィキペディアにはピアノ協奏曲は載っていない。
ピティナ楽曲辞典にはかろうじて曲は載っているけれど、解説はなし。

まあ、ヌーブルジェならきっとマイナーな曲にも命を吹き込めることでしょう。(と信じます)

http://www.hmv.co.jp/product/detail/4167176

私の好きなショパン~「音楽の友8月号」

昨年のラ・フォル・ジュルネの時にもこんな企画がありました。
なぜリストイヤーの今年、音友がアンケートをとったのかわかりませんが、ちょっと分析してみました。

読者アンケートの集計結果は出ていて、応募897名で、1位5点~5位1点と点をつけた順位です。
16位以下は省略。

1 ピアノ協奏曲第1番    1524
2 舟歌                1166
3 幻想即興曲         1046
4 別れの曲           926
5 英雄ポロネーズ       897

6 バラード第1番        687
7 ノクターン第2番       478
8 バラード第4番        358
9 ピアノ・ソナタ第3番     353
10 雨だれのプレリュード   328
11 ノクターン20番       299
12 ピアノ・ソナタ第2番    295
13 幻想ポロネーズ      269
14 ノクターン第13番     266
15 革命のエチュード     265

わかりやすい通俗的な曲と、マニア好みの名曲が入り乱れていて、けっこう節奏のない結果になっています。音友も書いてますが、案外読者層が幅広いようです。

これに対してプロのピアニスト32人へのアンケート結果は集計されていなかったので、チョチョイと集計してみました。点数の付け方は読者アンケートと同じ。ただし横山幸雄さんは好き嫌いは保留していたので除きました。
8点以下で支持2人以下も省略。

1 舟歌              53
2 バラード第4番       42
3 ピアノ・ソナタ第3番         37
4 幻想ポロネーズ             36
5  24の前奏曲                   27
6 ピアノ協奏曲第2番         27
7 ピアノ協奏曲第1番        24

(ここまでが8人以上が支持)

8 バラード第1番              11
9 スケルツォ第4番          11
10 前奏曲25番                  9
11 ピアノ・ソナタ第2番        9
12 幻想曲                        9
13 子守歌                        8
14 マズルカOp.59              8

やはりプロは本格的な曲を選びます。
主に後期の曲が中心。
マズルカも入っています。
ピアノ協奏曲はなんと第2番が勝ちました。
ノクターン、エチュード、ワルツはこの中にはありません。

選んだ人数とかからすると、独奏曲では上位5曲がやはり名曲中の名曲ということになりましょう。
どの曲も、何度聴いても飽きない曲ばかりです。

自分としては、
1 バラード第4番
は間違いないですが、あとは順位のつけようがありません。

2011年7月21日 (木)

次はラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭~ヌーブルジェ出演!!

ヴェルビエ音楽祭が佳境となっているところですが、夏は音楽祭の季節。
ピアノ好きとしては、ルネ・マルタン氏プロデュースのラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭を見逃すわけにはまいりません。

公式サイト
http://www.festival-piano.com/

7月22日~8月21日までの1ヶ月間、フランス若手ピアニストを中心に、多くのピアニストが参加します。

ライヴ配信は、arteでラジオと動画があるはずですが、まだみつかりません。
あのサイトはわかりずらいです。
検索の上手な方にはぜひとも情報をお寄せください。

毎年出番があるわがヌーブルジェは、今年は1回だけコンチェルトを弾きます。
ベルトラン・シャマユとセットで、シャマユがリストの1番、ヌーブルジェが2番を弾きます。
8月10日の22時(現地)ですから、日本では朝5時。もし放送なり配信があれば、ライヴで見られない時間ではありません。

もっとも、リストの2番は、2010年に日本で聴きましたので、できれば他の曲が良かったというのが本音です。

ヌーブルジェ以外でも興味をそそられるピアニストが大量に出演します。
個人的な注目株をいくつか拾ってみます。

7/23
ユジャ・ワン ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番

7/25
ニコライ・ルガンスキー ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番

7/31
アンヌ・ケフェレック モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番
                         ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番
                     
8/1
キム・ダソル ラベル:夜のガスパール、リスト:ペトラルカのソネット、ダンテを読んで他

8/8
ルイス・フェルナンド・ペレス モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番、第17番

8/9
ユリアンナ・アブデーエワ ショパン、リスト

8/12
エフゲニー・ボジャノフ オールショパン

8/18
アンドレイ・コロベイニコフ ショスタコーヴィッチ:ピアノ協奏曲第2番
                            チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番

8/19
シャニ・ディリュカ シューマン、ベートーヴェン、ワグナー

8/20
アルカディ・ヴォロドス シューベルト、ブラームス、リスト

とまあ、目につくのを拾っただけでもこれだけあります。
他にも常連組や、新顔など、聴いてみたい人たちが満載。

今年の場合、すでに、去年のショパンコンクール組の、アブデーエワ、ボジャノフ、キム・ダソルが出演することが特徴でしょう。
キムもどこかのコンクールでひとつ優勝したようですから、箔がついて、いよいよ演奏活動にはいるのでしょうか。

あとは配信の状況をよく調べなければなりません。
動画配信がどれだけされるのか、楽しみです。

【arte情報求めます】

※この音楽祭はぜひ一度足を運んでみたいものです

2011年7月 4日 (月)

ヌーブルジェ、指揮に転向か?

確か彼は当面、ピアニストとして活動していくつもりと述べていたはずなのに・・・

ところが、なんと、なんと、昨日から始まったロンドン・マスタークラスの指揮法のクラスにヌーブルジェが参加しているようなのです。

http://www.londonmasterclasses.com/index.php?option=com_content&view=article&id=82:2011-conducting-class-participants-a-repertoire&catid=27:course-schedules&Itemid=180

よもや指揮者に転向でしょうか。
まだピアニストとしてのキャリアをスタートしたばかりだというのに。

ただの勉強なら良いのですが。

2011年7月 3日 (日)

次はヴェルビエ音楽祭の高画質・高音質 動画配信

チャイコフキー・コンクールの余韻が冷めやらぬところで、7月15日からはスイスで毎年恒例のヴェルビエ音楽祭が開かれます。

とても高画質、高音質の動画がmedici.tvで安定的に配信されるので、2週間釘付けになってしまうことでしょう。
アーカイヴも充実しています。

ピアノでは常連のアルゲリッチ、キーシンの他、今年もユジャ・ワンが3年連続で出演。
その他、アンスネス、ヒューイット、マツーエフ、ブニアティシビリ、コヴァセヴィッチ、リシエツキ、ヘルムヘンなど、そうそうたるメンバーがそろい踏みです。
私がまだ知らないピアニストも数名います。(アルファベットのまま表記)

残念ながら、昔出ていたこともあるヌーブルジェの出演はありません。

また、ピアノ以外でも、クレーメルや、ムターなど大物が出演します。

ピアノ絡みで、主な出演者とプログラムを抜粋してみました。
聴き所が満載でコメントしようがありません。全部聴きたいです。

ひとつだけコメント。
26日にマツーエフとブニアティシビリで、ペトルーシュカがもろかぶりです。
たまたまなのか、あえてなのか?
聴き比べが楽しみです。

詳しくは公式サイトにて↓
http://www.verbierfestival.com/

(日付、時間は現地、日本との時差+7時間)

【7/16】
11:00 Lars Vogt
 シューベルトソナタ、ベートーヴェンソナタ

4:30 jorge luis prats
グラドノス

【7/17】
20:00 アンジェラ・ヒューイット
 バッハ:フランス組曲第4番、第2番、シューベルト:ソナタ第7番

【7/18】
14:30 Louis Schwizgebel-Wang
  リスト:オーベルマンの谷、ハンガリー狂詩曲第6番
 シューベルト/リスト:セレナーデ、魔王

19:00 カティア・ブニアティシヴィリ(指揮:シャルル・デュトワ)
 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番

【7/20】
14:30 Llyr Williams
 ベートーヴェン:ソナタ第3番、26番
 リスト:孤独の中の神の祝福

20:00 レイフ・オヴ・アンスネス
 ベートーヴェン:ソナタ第21番、32番
 ブラームス:バラード Op.10
 シェーンベルク:6つの小品

【7/21】 
11:00 Stephen Hough
 ベートーヴェン:ソナタ第14番「月光」
 スクリャービン:ソナタ第4番
 リスト:ソナタ ロ短調

【7/22】
11:00 ヤン・リシエツキ
 バッハ:前奏曲とフーガ第1番、第12番
 ベートーヴェン:ソナタ第24番
 リスト:3つの演奏会用エチュード
 ショパン:エチュードOp.25 全曲

19:00 マルタ・アルゲリッチ
 室内楽

20:00 アンジェラ・ヒューイット
 バッハ:ピアノ協奏曲 第5番
 モーツァルト:ピアノ協奏曲 第27番

【7/23】
11:00 マルティン・ヘルムヘン
 バッハ:パルティータ第1番
 ベートーヴェン:ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」

19:00 エフゲニー・キーシン
 リスト:超絶技巧練習曲第9番「回想」、ソナタロ短調、葬送
 オーベルマンの谷、ヴェネツイアとナポリ

【7/24】
20:00 スティーヴン・コヴァセヴィッチ
 ベートーヴェン:6つのバガテル、ソナタ第31番
 シューベルト:ソナタ第21番 D960

【7/26】
11:00 デニス・マツーエフ
 チャイコフスキー:四季全曲
 リスト:メフィストワルツ第1番
 ストランヴィンスキー:ペトルーシュカからの3楽章

14:30 カティア・ブニアティシヴィリ
 リスト:ソナタロ短調
 ショパン:バラード第4番
 プロコフィエフ:ソナタ第7番
 ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの3楽章

【7/27】 
19:00 ユジャ・ワン(指揮:ユーリ・テミルカーノフ)
 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番

【7/28】
19:00 ユジャ・ワン
 ブラームス:チェロソナタ 第2番
 メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第2番

藤原由紀乃 ピアノリサイタル@東京文化会館小ホール

平成23年7月2日 18:30開演
1985年のロン=ティボー国際ピアノ・コンクールで優勝。
約30年、ドイツを本拠に活動。
この日のピアノはベーゼンドルファー。

【前半】
J.S.バッハ:幻想曲とフーガ イ短調 BWV.944
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第26番 変ホ長調 Op.81a 「告別」
ショパン:幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61

【後半】
ラヴェル:夜のガスパール

【アンコール】
ラヴェル:水の戯れ
ラヴェル:「クープランの墓」よりトッカータ
リスト:超絶技巧練習曲 第5番「鬼火」
リスト:ラ・カンパネラ
ショパン:エチュードOp.25-11「木枯らし」(「革命」)
ショパン:エチュードOp.25-12「大洋」
バッハ:ゴールドベルク変奏曲よりアリア

藤原さんの演奏はこの日が初めての体験。
椅子を後ろに退いて、かなり前傾姿勢で鍵盤に頭を近づけて演奏します。
最初のバッハから、”音楽に入り込んでいる”というような集中を感じます。
音量は小さめ。フォルテであってもピアノを叩きつけるようなことはしません。
音楽の隅々まで神経を行き渡らせている、という感じを受けます。
フレージングが長くて音楽は自然に聞こえます。
テンポの早い曲では推進力があって、ぐっと惹きつけるものがあります。

ピアノがベーゼンドルファーだったこともあり、高音は儚いガラス細工のような音がし、低音は温かいバスの声楽を聴いているようです。
逆にスタンウェイのピアノにある輝かしさとか、豊穣さ、迫力というものは及ばないのですが、藤原さんの個性にはベーゼンドルファーのような音が合っているのかもしれません。

プログラムが進むにつれ、興ものってきたようで、後半の夜のガスパールは音楽の詩的で劇的な効果がよく表現されていました。

アンコールは大サービスで7曲。
最初のラヴェルの「水の戯れ」は、ベーゼンドルファーの高音部の特色が最大限発揮された名演だったと思います。目の前に水がキラキラと揺らめく様が見えるようでした。

その後はなんと超絶技巧を要する曲ばかりが続きました。
腕に覚えあり、というところなのでしょうか。

ラ・カンパネラはテンポを抑えて、いろいろなニュアンスを織り交ぜ、とかくメカニカルだけになりやすいこの曲から、音楽的魅力を引き出してくれました。

ショパンあたりからは、やや疲れがみえたような気がしました。
息がきれる曲ばかりでしたから。
リストで終わっても良かったかな。

これは、まったくの当て推量ですが、ラ・カンパネラの最後でちょっとミスが出てしまったので、ショパンの難曲で挽回して終わりたかったのかなあ、などと。

今の若いピアニストたちのように、強音強奏でバリバリピアノを鳴らすというタイプとは正反対で、落ち着いて考え抜かれた大人の演奏だったと思います。

※藤原さん、とても上品でおしとやかな方のようです。
演奏前にも、3度も4度もお辞儀をされます。
アンコールは1曲1曲、はっきりとアナウンス。
「リストのラ・カンパネラを弾かせていただきます」
ハッハー、どうかお願い申し上げます、という感じでした。

アンコール最後のゴールドベルク変奏曲アリアが終わり、何度もお辞儀された後、最後の最後で、ドレスをつまんで、カーテシーのお辞儀をして締めました。
実に嫌みがなくて可憐でドッキリしてしまいました。

2011年7月 1日 (金)

ダニイル・トリフォノフ優勝@チャイコフスキーコンクール

トリフォノフ、優勝おめでとう!!

去年のショパンコンクールのことがあって、自分の演奏の好みで順位を予想したところで、予想などにはならないことがわかりました。

一歩ひいて、メカニックの確かさと音楽性とを、よく判断しないと。

さすがに今回はトリフォノフはいけると思いました。
都合3曲のコンチェルトの出来が出色だったのと、ライバルとなったソン・ヨルムのファイナルの演奏が思ったほどではなかったからです。

トリフォノフの弱さがあるとしたら、メカニック面の不安定さと、音楽が激してきたときの抑制の効かなさだと思っていたので、メカはほぼ安定していたし、知性のタガがはずれて走りすぎてしまうこともファイナルではなく、減点要素があまりなかったように思います。

優勝に値すると思えたピアニストが優勝して、一ピアノファンとしてはホッとっしました。

2位以下は、メカニックの韓国勢vs音楽のロシア系勢という様相になりました。
各コンテスタントとも、良かった演奏とやや失敗気味だった演奏とが混在していたので、どう転んでもおかしくない状況に思えました。

ただ、"コンクール"の性質上、傷のある演奏は評価が下がらざるを得ないのかと、ショパンコンクールの時に思い知らされたので、韓国勢が優勢なような気もしてはいました。

昨日の記事では順位予想はやめましたが、それとなく、メカニック優先の基準でコンテスタントを並べてみたら、その通りになってしまい、ああ、やはりそうなのか、とやや複雑な心境です。

音楽的に豊かな素養をもっているピアニストでも、まずは安定したメカニック面のパーフォーマンスが披露できないと上位入賞はできない。

予選で散ってしまったクンツだとか、ファイナリストではロマノフスキーチェルノフが該当するでしょう。

もし、リサイタルに行きたい順、という事で並べたら、全然違った並びになることでしょう。

« 2011年6月 | トップページ | 2011年8月 »

twitter

2016年5月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ