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2011年4月24日 (日)

奥村友美 ピアノリサイタル@浜離宮朝日ホール(2)

【前の記事からの続き】

後半の最初の曲はベートーヴェンの「月光ソナタ」

奥村さんは、バンバンとピアノを鳴らすタイプではないので、第3楽章をどんな風に弾くのか、興味津々でした。

第1楽章は幾分早めのテンポで、感情を抑え気味に過度な味付けを排除した表現。
アタッカで第2楽章。
この出だしがまた良い。
こんなに優しい出方は今までで初めて聴きました。
軽く、柔らかい第2楽章。つなぎの楽章がこんなに楽しめたのも珍しい。
テンポが速め。第3楽章飛ばす気か、大丈夫なのか、とやや心配。

注目の第3楽章。
心配したテンポは中庸。
すっ飛ばして技術をアピールするでもなく、ベートーヴェン的な激情を爆発させるわけでもなく、そうか、この日のテーマの「ファンタジー」ですね。
ここでも、彼女のリズム感のよさがいかんなく発揮され、猛烈スピードでないのに、とても気持ちのよいノリ。
そして、決めるべき音をきちんと聞かせ、終止のしかたもきっぱりとしている。
休符の間の取り方は、音楽の流れを止めないことを重視して短め。これがまた自然で良い。メジューエワみたいに、時折ハッと音楽を止めるのも意表をつくけれども、リスキーではある。

大きな手とキレキレのメカニックがなくても、月光ってこんなに格好良く弾けるのだと感心しました。

最後はラヴェルの「夜のガスパール」
今年にはいってエフゲニー・スドビンのドラマティックな演奏を聴いたばかり。スドビンほどの切れ味はないし、優しくてデモーニッシュな雰囲気とはほど遠い奥村さんはどうするのか。

オンディーヌが始まる、そうか、この人はあくまでこういう音なのだ。
優しく慈愛に満ちた美音。
スドビンの時に感じたドラマ性を、彼女からも感じる。彼女の場合、旋律の歌わせ方が上手なので、語りかけるよう、と言った方かも良いかも。

最高難度といわれているスカルボも、ほとんど技術的破綻もなく、知的で構成感のしっかりした演奏でした。
よく練り込み、確信を持っていて、でも頭でっかちにならず、安定感のあるリズム感は崩れることなく、音楽が自然に流れる。

ブラボー!

振り返れば、かなりヘビーなプログラムでした。
だのに、まったく長く感じなかった。
それだけ、彼女の音楽に惹きつけられてしまったということでしょう。

挨拶のあとアンコールはリスト「愛の夢第3番」
いったい、今年はどれだけ聴くのでしょうか。

本プログラムより、やや叙情性を出して、しっとりと歌ってくれました。

良い音楽をありがとうございました。
当然「もう一度聴きたいピアニスト」リストに追加です。

※ブラボー言えば良かったと後悔。
聴衆が醒めていて、どうも一人浮いていたような気がしてなりません。

※うれしいことに、11月3日にみなとみらいホールでまた聴けるようです。
横浜市招待国際ピアノ演奏会。
金子三勇士さんも出演します。

※ヤマハのCFXだったとしたら、発売後初体験かもしれません。
とても良い音でした。
シフのベーゼンドルファーも良かったし、ザラフィアンツのファツィオリも良かった。
スタンウェイも素晴らしいけれど、もっとピアノの選択肢が増えても良い気がします。

※(後日譚)当日の調律師の方のつぶやきで、ピアノは確かにヤマハのCFXだったことが判明しました。

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