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2011年3月27日 (日)

エフゲニー・ザラフィアンツ リサイタル@仙川アヴェニューホール

昨日のメジューエワに続き、ロシア人ピアニストのザラフィアンツのリサイタルを聴いてきました。
ピアノはファツィオリです。

【震災被災者のために】
ショパン:ノクターン嬰ハ短調 (遺作)

【前半】
シューマン:
  フモレスケ 変ロ長調 Op.20
  パピヨン Op.2

【後半】
ショパン:
  ポロネーズ 第2番 変ホ短調 Op.26-2
  幻想曲 ヘ短調 Op.49
  幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61

【アンコール】
ショパン:
  ノクターン 第21番 ハ短調
  ノクターン 第16番 変ホ長調 Op.55-2
  ノクターン 第8番 変ニ長調 Op.27-2

開演直前に案内があり、ザラフィアンツが今回の震災に大変心を痛めており、被災者に祈りを捧げたいということで、プログラムになかった、レント・コン・グラン・エスプレシオーネが最初に演奏されました。

止まってしまうようなスローテンポでデリケートに始まりました。
終始デリケートであるような印象を持ってもってきたのですが、案外しっかりした厚いタッチで大きな音も出します。
コーダのスケールも元気に弾くタイプでした。

シューマンに入ると、先入観が完全に打破されました。
とてもダイナミックで、レンジを幅広くとる。消え入るような弱音から、ボリュームたっぷりの強音。
落ち着いて突っ走らず、形式感がある。
音楽の作り方は昨日のメジューエワと少しかぶる感じがしました。

ピアノが違うのと、大きな体躯のせいもあって、スケールはやはり大きく、立派な音がします。
ホールが思ったよりかなりデッドで響きは少なめ。
ファツィオリからはオレンジ色の音が聞こえました。

より構造が単純なパピヨンが、とても良かった。
シューマンの言葉が音楽の中から聞こえてくるようでした。
さあ、始まりますよ。
どうです、すごいでしょう。
お疲れ様、終わりますよ。
終盤のファンファーレのような連打の音がとても印象的でした。

ショパンのポロネーズ第2番。
2008年にヌーブルジェで聴いています。
ヌーブルジェは例によって、切れ味鋭くインテンポでモダンなリズム感の演奏でした。
ザラフィアンツは落ち着き払って、堂々としてなかなか激しい演奏。

その激しさは幻想曲になってさらに増幅される。
このあたり、もう完全に、CDで聴くデリケートな印象は完全に払拭されてしまっていました。
もしかすると、ここらあたりでだいぶ興がのってきて、少しコントロールが甘くなってきていたのかもしれません。
去年聴いたメジューエワの幻想曲はデーモンがのり移ったようなダークな凄みがありましたが、ザラフィアンツの演奏は機関車が轟音で通り過ぎるような凄さでした。

最後の幻想ポロネーズは、超デリケートに始まり、おっ、これは繊細系でまとめるかと思いきや、だんだん豪快系になっていきました。
前半部分でやや事故がおきかけてしまい、それ以降は立ち直るも、やや荒れ気味の作りになってしまいました。コーダはいまだかつて聴いたことのないような大音量。ちょっとやりすぎになってしまったでしょうか。たぶん、最後までややコントロールが効かなくなっていたような感があります。

アンコールのノクターンも、どうもその流れを引きずってしまったのか、ややテンポが性急で、タッチも雑気味に感じてしまいました。
あとで、彼の弾いている同じ曲のCDを聴いたところ、もっとずっと落ち着いた音楽を表現していたので、幻想ポロネーズ以降は、本来のザラフィアンツではなかったのではないかと思います。

エデルマンの時もそうでしたが、やはりプロにとって暗譜が飛ぶというのは大事故ですから、さすがにそこは天才と言っても人間、平常に戻るまでには時間がかかるのでしょうね。

最後のほうが崩壊気味だったので、演奏会後の印象が悪くなってしまったのですが、幻想曲までは間違いなく立派な大人の演奏で、これぞロシアンとでもいうべき、きっちりしてスケールの大きい演奏を聴かせてもらえたと思います。

※仙川は横浜から遠いです。間引き運転のせいもありますが、2時間以上かかってしまいました。
※ホールはとても狭く、1階舞台よりだいぶ下になってしまい、見上げるように聴きます。たぶん、音響に影響があると思います。
※ホールの1階前列の音は非常にデッド。昨日の会議室とあまり変わらないじゃないか、と思うくらいでした。後半耳が慣れてきたのか、ザラフィアンツがタッチを変えたのか、やや響きが多くなりました。
※椅子がお世辞にも良い椅子といえず、薄っぺらで硬いので、長時間座っていると疲れます。

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コメント

こっこさま:

こんにちは。
横浜は被害はそれほどありませんでしたが、やはり、停電とか電車の間引き運転が響いています。

ザラフィアンツ、良いピアニストですね。

今年の終盤に確か都心でリサイタルが開かれるはずです。
あの迫力だと、大きなホールの方がはえそうです。


まいくまさんのところでは地震の影響はいかがでしょうか…。コンサートがだいぶキャンセルになったりと仕方ないとはいえ、残念ですよね…。
ザラフィアンツさんは日本を拠点に活動をなさっているから、予定通りやってくださったのですね。
以前二度リサイタルにいきました。後半にいくにしたがって怒濤の勢いで盛り上げ、多少ミスが出るのですがあまり気にならず惹きこまれてしまう不思議な魅力を感じさせる演奏だなあと思いました。

ラ・フォル・ジュルネ東京も無事開催されそうですね。

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