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2011年1月23日 (日)

エフゲニー・スドビン ピアノ・リサイタル@彩の国さいたま芸術劇場3

【前記事からの続き】

スドビンの音質からすると、ショパンよりリスト、ラヴェルの方が合っているのでは思い、後半のプログラムが大変楽しみになってきました。

後半 1曲目のリストの「夕べの調べ」
静かに始まり、徐々にリストらしい和音の連打やアルペジオが増えてくる。
スドビンはさらに集中を増し、一音一音に魂を込める
難しいパッセージのところになると、頭をぐっと下げて鍵盤を凝視し、指の先1ミリまで神経をいきとどかせる意思を表す。
激しいのだけれど、音は決して濁らない。
オクターブの嵐もまったくよどみなく、尖らずやや厚みのあるフォルテシモ。
リズムも全く崩れず、モダンで安定している。
そして、何より、技巧的な部分であっても音楽がないがしろにされない。
ぶらぼぉ。

最後のラヴェル「夜のガスパール」
これもまた、さらに顔を鍵盤に近づけ、また、高音部から低音部まで駆け巡る音符をひとつたりとも逃がさないといった風に、指の行き先をしっかりと身体ごと追いかける。
フレーズごとの性格を大胆に弾き分けて、この曲のドラマ性を見事に浮き彫りにしました。

オンディーヌは旋律の歌わせ方が自然でロマンティックで美しい。絞首台は最初のスカルラッティのようにゆっくりとしたインテンポで静かに沈潜する。スカルボは劇的で、技巧も微塵も揺るがない。決めてほしい音がきっちり決まり、まことにメリハリがある。

この曲は昔から聴いていますが、音の表面的な華麗さに耳が囚われてしまい、心の底から音楽に感動したという記憶がありません。そういうところが近現代の曲の苦手な一因でして。

しかしスドビンの演奏は充分心に刻まれました。

アンコール1曲目は、ラフマニノフの前奏曲ト短調
生国ロシアの民族性溢れるこの曲を、大きな構成力と抜群のリズム感をもって圧倒的迫力で聴かせてもらいました。
2曲目はラフマニノフの歌曲「春の洪水」をスドビンがピアノソロに編曲したもののようで、非常に技巧的で演奏効果の高い曲でした。最後も大和音で終わり、聴衆ほとんどがフライング拍手で大喜び。最後はリップサービスだったでしょうか。

できれば繊細な曲をひとつ弾いて欲しかった。

こんなに素晴らしい才能が今まで日本では知られていなかったとは。
今回もリサイタルはこの さいたま だけのようです。
もったいない。

それにしても、またまた追いかけてみたい若手のピアニストが増えてしまいました。

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