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2010年12月25日 (土)

表現意欲があふれかえる

好きな曲を聴きこんでくると、だんだん自分の中にも、こんな風に表現してみたい、こんな音を響かせてみたい、という欲求が生じてきます。

特に、気に入ったフレーズなどがあると、どうしてもそこの部分を弾いてみたくなる。

最近、ショパンの曲を弾きたくて弾きたくて、うずうずしています。
(レッスンはシューベルトなので、遊んでいる暇などないのですが・・・)

例えば、地味目の曲なのに、ショパンコンクールでニコライ・ハジャイノフが弾いて、とても気に入ってしまったノクターンロ長調 Op.9-3

この曲の次の部分など、もう、もだえるほど好きになって、結構弾きこんでいます。

93_6

(※楽譜はパブリック・ドメインのもの)

好きな箇所は、まず引用楽譜の3小節目「ファソラシド」の部分です。
このスラーのかかったスタッカートのアーティキュレーションをどう弾くか。
ハジャイノフはたぶんノンペダルかそれに近い感じで、はっきりスタッカートとわかるように、しかし跳ねすぎずに、弾いたのですね。その効果が実に胸にグッときた。なんて寂しげなことでしょう。

他のピアニストの演奏を聴くと、だいたいはペダルで響かせて、レガート気味に聞こえてしまいます。でもここは、絶対レガートじゃありません。
ハジャイノフが正しい。

で、私もハジャイノフ風に、寂しく弾きたい。
ペダルを踏む深さをいろいろ試して、スタッカート&スラーのバランスを探っています。

次に、引用楽譜の2段目の1小節目。「シ-、ラソファミファソシドソ、ラー」の部分。
前の小節のソステヌートによる「ドーシー↓」で、当然テンションが落ちたところで、フォルテのアクセントです。

このアクセント付きの「シー」をどれだけの強さで弾くか。

フォルテだからといって、強く弾きすぎたら雰囲気が壊れそうだし、でもショパンはここで思い切り対比を出したかったのかもしれないし。
何せ「シー」にはスラーがかかっておらず、突き放しておいて「ラソファミファソシドソ」ですから、ある程度の圧はかけなくてはいけない。

プロの演奏は、やはり解釈が分かれていて、非常に強くこの「シ」を弾く人と、相対的に強めに弾く人とがいます。
強く弾く場合には、雑にならないよう、相当なセンスが必要そうです。

さらに続く「ラソファミファソシドソ」の弾き方が難しい。
まずはテンポ。
インテンポ派と、ルバート派がいる。私はインテンポが好きです。ハジャイノフのように、むしろ遅めのインテンポがより効果的のような気がします。

そして、フレージングをどうするか。

普通に考えれば、「ラソファ」で音を落として、「ミファソ」を少し盛り上げ、「シ」を落とし、「ド」を上げて「ソ」を落とす。
でも、それをあまりネットリやると、とても嫌らしくなってしまう。
自然にサラッと流してしまう手もあるかもしれない。

フォルテの中でどの程度の音量にするかもポイント。

スラーがきれたあとのフォルツァンドの「ラー」
フォルツァンドしようがないのに、どう弾くか。
(左手の音はあります)
強めに響かせたあと、直ちに完全脱力して、音が減衰するイメージを描くか。
いずれにしても、この音も強さの程度を、相当考えなければならない。

とまあ、ほんのわずかのフレーズながら、深くて、聴き応え、弾き応えがあるものです。

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