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2010年12月22日 (水)

ゲルハルト・オピッツ リサイタル@オペラシティ・コンサートホール

(12月21日の記事)
忙しくて精神的にきつく、癒されたい気分にぴったりのコンサートに、運良く行くことができました。

オールシューベルトプログラム。
【前半】
ピアノ・ソナタ イ短調 D537
「さすらい人幻想曲」 D760
【後半】
ピアノ・ソナタ イ長調 D959
【アンコール】
即興曲D935 第2番 変イ長調

オピッツはドイツ正統派という触れ込みで、ベートーヴェンやブラームスを得意とするということで、ウィーンのシューベルトも“いかにも”という演奏が聴けるという予想をしていました。

演奏が始まると、その見た目の渋そうな感じとはまったく違って、若々しくも明るい音楽を奏でます。シンフォニックで重厚感もあり、シューベルトというより、ベートーヴェンを弾いているような感じでした。
やや縦ノリ気味とも言えるような早めのテンポ。前へ前へと進む推進力。タッチは明瞭で芯はしっかりしており、華麗な響きが出ている。高音部の弱音のパッセージなどは力が抜けた非常に美しい音なのだけれど、優しいというより、きらびやか。
つまり、全体的にとてもピアニスティックな表現です。
ピアノはそういうことですから、もちろんスタンウェイ。

気をてらうようなところはなく、音楽の作りはオーソドックスで安定しており、安心して聴いていられる。とても上手いです。

ただ今日急遽当日券で聴きたかったのは、疲れた精神状態もあって、もう少し違う方向性の音楽だったのですねえ。旋律のラインがしっとり丁寧に聞こえて、和声進行にも歌があふれており、音は曇り気味で慈愛に満ちていてどこか寂しいような。フリードリヒ・グルダの言うところの「微笑みながら自殺する」ようなシューベルト。

そういう意味からすると、やや聴きたかった方向とはずれていました。

元気で若々しく活力があって堂々とした明るいシューベルト。
立派な演奏ではありました。

アンコールの即興曲も、同じようにきらびやかで、ショパンのような響きがします。
きっちり弾いていたソナタと趣を変え、ややルバートをきかせて、まさに即興性を感じさせる音楽に仕上げてきました。うっかりすると平板になりそうなこの曲を、実に素敵に聴かせてくれました。

実力派のピアニストであることは間違いありません。

※1階はほぼ満席。7〜8分の入りだったでしょうか。
※オペラシティコンサートホールが、最近異様に響きすぎるように感じます。
いろいろなホールの音を聞き込んできて、響の差をだんだん明瞭に感じるようになってきたのかもしれません。
響をコントロールするのが難しそうと思います。
今日の演奏などは、響が少々邪魔のような気がしてなりません。
※アンコールを間合をとって1曲やって、もうありませんよという風だったのでさっとお開き。
やたらおねだりが続くダラダラとした終わり方より好きだなあ。

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コメント

こっこさま:

いつもコメントありがとうございます。
2つまとめてです。

>さっそく1年チケットを買っちゃいました

1ヶ月で全コンテンツを聴くのはとても無理だということに思いいたり、私も1年チケットを考えてます。

>ネット中継ですが、結構臨場感あり、カメラワークも悪くなく、編集されていないので、ピアニストの手元の汗とか見えて、その場に参加している気分を味わえます。

前に内田光子さんのサービス配信を見ましたが、とても素晴らしい中継でした。

>テレビの買い替え時期なので、ネット対応型のにしようかな、とか思っています。

これからはそうですよね。
私のうちは、大きなテレビを置くスペースがないので、PCにヘッドフォンで我慢です(-_-;)

>わたくしも遅刻しましたが、参りました。表現が適切かどうか分かりませんが、職人的ピアニストとして抜群の安定感がありますよね。

おお、同じ空気を味わっていたのですね!
ちょっと私の気分が特殊だったということで、とてもハイレベルな演奏だったと思います。去年までのベートーヴェン・チクルスを聴いておけば良かったと、後悔しています。

わたくしも遅刻しましたが、参りました。表現が適切かどうか分かりませんが、職人的ピアニストとして抜群の安定感がありますよね。テーマに沿っての連続演奏会だから、冒険や実験はなく、オピッツさんの現段階での完成品が粛粛と披露されているような…。

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