大人のスローテンポ
今日はピョートル・アンデルシェフスキのショパン・アルバムを聴いていました。マズルカ、バラード、ポロネーズなどが入ったアルバムです。
全体に非常にゆっくりしたテンポで、細部をじっくり作り込み、実に集中の高い素晴らしい演奏を聴かせてくれます。
どの曲も水準以上であるなか、特にポローズの第5番の大きなな表現力には圧倒されました。
ファルテでも決して「ぶったたかない」
速いパッセージも焦らない。
間を十分とる。
ヴィルトゥオジティにあふれた演奏ばかりが、すごい演奏とは限らないお手本のようですね。
今年の来日コンサートはぜひとも行きたいです。
それにしても、セルゲイ・エデルマンにしても、イリーナ・メジューエワにしても、じっくり、ゆったりと音楽と対峙し、感性の奔流に押し流されるようなことがありません。
スローであっても、音楽がしっかり束ねてあるので、おかしいことにならない。
逆に、思わぬ感興がわきおこってきます。
大人の演奏ですね。
若い名手のスピーディな演奏を聴いてしまうと、ああ、自分には絶対弾けない、と思ってしまいますが、エデルマンやアンデルシェフスキの演奏を聴くと、頑張れば弾けるかも、という気になります。
音楽さえあれば、テンポはどうにでもなる、と。
ゆっくり、素敵に弾く。
こういうのも、これからはやるかもしれません。
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