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2010年12月の30件の記事

2010年12月31日 (金)

2010年印象に残ったコンサート

われながら良く通い、よく書きました(-_-;)
ラ・フォル・ジュルネの17、ル・ジュルナル・ド・パリの12を含めて、レビューを書いたコンサートの数は67。

そして、聴いたショパンのピアノ曲の数、283曲

レビューを書かなかったものもいくつかあるので、ショパンの曲は300を超えるでしょう。

その中で、特に印象に残ったコンサートを思い出してみます。

【泣いた演奏】
不覚にも、涙があふれ出た演奏がありました。

2010年5月3日 アンドレイ・コロベイニコフ
    ショパン:ピアノ・ソナタ 第2番

 空前絶後のスローテンポの葬送行進曲。トリオの部分で思わず感涙。

2010年7月2日 ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ
    ブラームス:間奏曲 Op.118-2

 コンチェルトのアンコール。
 はかなくも美しい。主題の再現部で嗚咽。

【凄みに度肝を抜かれた演奏】
ひっくり返りそうになった演奏です。

2010年2月10日 アンナ・ヴィニツカヤ
    ムソルグスキー:展覧会の絵

 鬼神のごとき演奏。

2010年6月6日 イリーナ・メジューエワ
    ショパン:幻想曲

 呆然自失

2010年9月19日 ルイス・フェルナンド・ペレス
   アルベニス:イベリア

 未体験の響き

【とても楽しかった演奏】
笑みであふれた演奏。

2010年2月23日 フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ
    バッハ:フランス組曲

 ノンペダルの縦ノリバッハ

2010年5月3日 ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ
    シューマン:ピアノ協奏曲

 明るい音と抜群のリズム感

2010年5月4日 ベルトラン・シャマユ
    リスト/シューマン:献呈

 豊かな響きと抜群のテクニック

2010年11月14日 内田光子
    モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番、24番

 オーケストラと完全一体

その他、上にあげなかったコンサートの数々も、皆それぞれ個性にあふれて、素晴らしい演奏が多かったです。

唯一、もう勘弁して欲しいと思ったのは、ポゴレリッチでした。
彼はもう壊れています。

2010年12月30日 (木)

来年の要チェックピアニスト

ここ数年、ライヴ中心の聴き方になってから、日本ではメジャーとはいえないピアニストをたくさん聴くようになり、それぞれ素晴らしいアーティストばかりであることを知るようになりました。

今日は、たまたまタワーレコードでポイントが3倍というのに釣られて、CDを買い込んでしまいました。

うち、今まで聴いたことがなかったピアニストのアルバムが3枚。

エフゲニー・ザラフィアンツのショパン。

ショパン ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Music ショパン ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調

アーティスト:エフゲニー・ザラフィアンツ
販売元:ALM RECORDS
発売日:2010/12/07
Amazon.co.jpで詳細を確認する

アレクサンドル・タローのショパン。

Journal Intime Music Journal Intime

アーティスト:Chopin,Alexandre Tharaud
販売元:Virgin Classics
発売日:2009/10/13
Amazon.co.jpで詳細を確認する

デヴィッド・フレイのシューベルト

Impromptus Op 90 / Moments Musicaux / Allgretto in Music Impromptus Op 90 / Moments Musicaux / Allgretto in

販売元:Virgin Classics
発売日:2009/08/07
Amazon.co.jpで詳細を確認する

この3人が、なぜか皆、繊細にしっとりゆっくり音楽を作る人たちばかりで、そして、それぞれ個性にあふれている。

中でも、まずザラフィアンツは、触ったら壊れてしまいそうなショパンで、相当解釈は変わっているのだけれど、琴線に触れる演奏です。
涙なしには聴けません。

それとデヴィッド・フレイはまだ若いのに、深く考え込まれたシューベルトを弾きます。フリードリヒ・グルダとクリスチャン・ツィメルマンを足して2で割ったよう、とでもいいましょうか。良い意味で。「死」を感じさせながらも美しいという。これは凄い才能です。

来年、3人とも来日があるようですから、ぜひともチェックしなければなりますまい。

いやあ、良い買い物しました。
ポイントもたまったし。

2010年12月29日 (水)

ヌーブルジェ@リヨン

12月16日にリヨンで行われたヌーブルジェのリサイタルの模様の写真が見つかりました。

残念ながら音源はなし。

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プログラムは、バッハ/ブラームスのシャコンヌ、リストの2つの伝説、メシアンの鳥のカタログから、そしてショパンの第3ソナタです。

聴いてみたい(-_-;)

それにしても、白シャツのヌーブルジェというのは珍しい。

いつもよりややフォーマルな装いです。

2010年12月27日 (月)

ヴィヴィアナ・ソフロニツキー リサイタル@すみだトリフォニーホール2

(前の記事からのつづき)

後半はプレイエルによるバラード1番で開始。
序奏のレガートの滑らかさにびっくり。
主題にはいると、ペダルを踏まずに、乾いた弾き方が珍しい。
もっとも、このピアノの場合、ペダルを踏んでもモダンピアノのように響き渡らないので、とてもあっさり聞こえます。
しかし、響き渡らなくても十分華麗で、語り口の滑らかなのが新鮮でした。

ノクターンの2番はグラーフにピアノを変え、デリケートな装飾たっぷりの演奏でした。装飾は概ね弟子の楽譜に残されたものなどによっていると思われます。独自の即興的な装飾もあったかもしれません。(エキエル版にたくさん装飾が載っているので見ればだいたい確認できるとは思いますが)

この後はまたプレイエルに戻り、ポロネーズ1番とワルツ15番と続き、最後のポロネーズ第5番がとても素晴らしかった。

これまた速めのテンポでよどみなく進みます。
そして、とても滑らかなレガートで、なめるようにポロネーズのリズムを刻むのが新鮮。勇壮というより流麗。この曲、こんなだったんだ、という感じです。

中間のユニゾンの部分、何とも後を引く「ラ」のオクターブの連打。
マズルカ部分はまたピアニシモによる極上のデリカシー。

そしてまた主題へ回帰し、レガートを保ちつつ一段と速めの推進。
コーダはナチュラルなリテヌートで落ち着いて締める。

ぶらぼお~♪

モダンピアノだと、この曲は大変逞しく力強く弾かれることが多いところ、ソフロニツキーは、決して鍵盤をぶっ叩くようなことはなく、ピアノに寄り添い、極めてノーブルで素敵な音楽を作りあげていました。

目から鱗でした。
ショパンの超名作であることを、再認識しました。

アンコールでは、なんと、ヴァルターの復刻ピアノが登場し、「遊び弾き」のオンパレード。
同じ曲の同じ部分を3台のピアノで弾き分け、音色の違いをわからせる、という、サービス精神いっぱいの趣向でした。

たくさん弾いてくれましたが、一番感激してしまったのが、グラーフで弾いたシューベルトの即興曲。もう雰囲気抜群。シューベルトはモダンピアノでは華麗すぎてしまうきらいがありますので。

最後にモーツァルトを1曲きちんと素敵に弾いてくれました。

ここ数年で何度かピリオド楽器による演奏を聴き、だんだん慣れてきて、なかなかこれもいけると思うようになりました。

コンサート終了後、なんと、聴衆を舞台にあげて、ピアノに触れさせるという大サービスがありました。
ミーハーになって、3台とも鍵盤叩いてきました。
(舞台上は聴衆であふれかえり、無法地帯状態!)

軽い。話には聞いていたけれど、こんなに軽いとは。
もう、ほとんどオモチャのピアノのようです。
こんなので弾いたら、倍くらい指がまわり、うまくなったと錯覚しそうです。

いろいろと楽しいコンサートでした。

2010年12月26日 (日)

ヴィヴィアナ・ソフロニツキー リサイタル@すみだトリフォニーホール1

たぶん、これが今年のラストコンサートになると思います。
フォルテ・ピアノの復刻モデルによる演奏でした。

《オール・ショパン・プログラム》
【前半】
華麗なる変奏曲 変ロ長調 作品12 (1832)*
夜想曲第20番 嬰ハ短調 遺作(レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ) (1830)*
ワルツ第10番 ロ短調 作品69-2 (1829)*
マズルカ第46番 ハ長調 作品68-1 (1829)*
マズルカ第47番 イ短調 作品68-2 (1826-27)*
マズルカ第48番 へ長調 作品68-3 (1829)*
ワルツ第15番 ホ長調 遺作 (1830)*
夜想曲第13番 ハ短調 作品48-1 (1841)**

【後半】
バラード第1番 ト短調 作品23 (1835-36)**
夜想曲第2番 変ホ長調 作品9-2 (1830-32)*
ポロネーズ第1番 嬰ハ短調 作品26-1 (1836)**
夜想曲第15番 へ短調 作品55-1 (1843)**
ポロネーズ第5番 嬰へ短調 作品44 (1841)**

* 「1819年グラーフ製フォルテピアノ」のポール・マクナルティによる復刻モデルを使用
** 「1830年プレイエル製フォルテピアノ」のポール・マクナルティによる復刻モデルを使用

【アンコール】
ショパン:ノクターン第13番から
ベートーヴェン:月光ソナタから第1楽章と第3楽章から
シューベルト:即興曲Op.90-3から
シューベルト:即興曲Op.142-3 第5変奏から
モーツァルト:幻想曲 ハ短調 K.475(ヴァルターにて)

フォルテ・ピアノによる繊細な音が広いホールでどうかと思いましたが、まったく問題ありませんでした。ちなみに、3階の前方。演奏者の姿が小さいことをがまんすれば、すみだトリフォニーホールでは音質が良く絶好の位置だと最近思います。

グラーフが左、プレイエルが右に置いてあり、途中でピアノを替えて演奏するという変わった趣向でした。

まずは、ショパンウィーン時代の曲ということで、グラーフを使った演奏。

「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」は果たして今年何回聴いたことでしょうか。
この曲は楽譜にいろいろなバージョンが存在するし、表現も様々です。
今日は、珍しく初稿譜による演奏でした。
つまり、中間部が左手4拍子、右手3拍子となるバージョンです。
あまりねっとりせず、さっぱりめ。マズルカの部分は相当速弾き。
ピアノの特性を生かし、超デリケート。

ワルツは快速テンポで、同じ3拍子ながら、マズルカとの違いがかなりはっきりわかります。

グラーフのピアノの音は、それは繊細で、特に高音部など線が細くて消え入ってしまいそうです。
とても柔らかく典雅な雰囲気がありました。

ノクターンのところでピアノをプレイエルに変更。
グラーフに比べると、かなり音に厚みがあり、響きも華麗です。
復刻したピアノということもあるのか、以前イヴ・アンリで聴いた昔のプレイエルよりモダンな音に感じました。
演奏はやや速めのテンポで、やはりピアノの特徴を生かした華麗さを感じさせるものでした。

(つづく)

2010年12月25日 (土)

表現意欲があふれかえる

好きな曲を聴きこんでくると、だんだん自分の中にも、こんな風に表現してみたい、こんな音を響かせてみたい、という欲求が生じてきます。

特に、気に入ったフレーズなどがあると、どうしてもそこの部分を弾いてみたくなる。

最近、ショパンの曲を弾きたくて弾きたくて、うずうずしています。
(レッスンはシューベルトなので、遊んでいる暇などないのですが・・・)

例えば、地味目の曲なのに、ショパンコンクールでニコライ・ハジャイノフが弾いて、とても気に入ってしまったノクターンロ長調 Op.9-3

この曲の次の部分など、もう、もだえるほど好きになって、結構弾きこんでいます。

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(※楽譜はパブリック・ドメインのもの)

好きな箇所は、まず引用楽譜の3小節目「ファソラシド」の部分です。
このスラーのかかったスタッカートのアーティキュレーションをどう弾くか。
ハジャイノフはたぶんノンペダルかそれに近い感じで、はっきりスタッカートとわかるように、しかし跳ねすぎずに、弾いたのですね。その効果が実に胸にグッときた。なんて寂しげなことでしょう。

他のピアニストの演奏を聴くと、だいたいはペダルで響かせて、レガート気味に聞こえてしまいます。でもここは、絶対レガートじゃありません。
ハジャイノフが正しい。

で、私もハジャイノフ風に、寂しく弾きたい。
ペダルを踏む深さをいろいろ試して、スタッカート&スラーのバランスを探っています。

次に、引用楽譜の2段目の1小節目。「シ-、ラソファミファソシドソ、ラー」の部分。
前の小節のソステヌートによる「ドーシー↓」で、当然テンションが落ちたところで、フォルテのアクセントです。

このアクセント付きの「シー」をどれだけの強さで弾くか。

フォルテだからといって、強く弾きすぎたら雰囲気が壊れそうだし、でもショパンはここで思い切り対比を出したかったのかもしれないし。
何せ「シー」にはスラーがかかっておらず、突き放しておいて「ラソファミファソシドソ」ですから、ある程度の圧はかけなくてはいけない。

プロの演奏は、やはり解釈が分かれていて、非常に強くこの「シ」を弾く人と、相対的に強めに弾く人とがいます。
強く弾く場合には、雑にならないよう、相当なセンスが必要そうです。

さらに続く「ラソファミファソシドソ」の弾き方が難しい。
まずはテンポ。
インテンポ派と、ルバート派がいる。私はインテンポが好きです。ハジャイノフのように、むしろ遅めのインテンポがより効果的のような気がします。

そして、フレージングをどうするか。

普通に考えれば、「ラソファ」で音を落として、「ミファソ」を少し盛り上げ、「シ」を落とし、「ド」を上げて「ソ」を落とす。
でも、それをあまりネットリやると、とても嫌らしくなってしまう。
自然にサラッと流してしまう手もあるかもしれない。

フォルテの中でどの程度の音量にするかもポイント。

スラーがきれたあとのフォルツァンドの「ラー」
フォルツァンドしようがないのに、どう弾くか。
(左手の音はあります)
強めに響かせたあと、直ちに完全脱力して、音が減衰するイメージを描くか。
いずれにしても、この音も強さの程度を、相当考えなければならない。

とまあ、ほんのわずかのフレーズながら、深くて、聴き応え、弾き応えがあるものです。

2010年12月24日 (金)

大人のスローテンポ

今日はピョートル・アンデルシェフスキのショパン・アルバムを聴いていました。マズルカ、バラード、ポロネーズなどが入ったアルバムです。

全体に非常にゆっくりしたテンポで、細部をじっくり作り込み、実に集中の高い素晴らしい演奏を聴かせてくれます。
どの曲も水準以上であるなか、特にポローズの第5番の大きなな表現力には圧倒されました。

ファルテでも決して「ぶったたかない」
速いパッセージも焦らない。
間を十分とる。

ヴィルトゥオジティにあふれた演奏ばかりが、すごい演奏とは限らないお手本のようですね。

今年の来日コンサートはぜひとも行きたいです。

それにしても、セルゲイ・エデルマンにしても、イリーナ・メジューエワにしても、じっくり、ゆったりと音楽と対峙し、感性の奔流に押し流されるようなことがありません。

スローであっても、音楽がしっかり束ねてあるので、おかしいことにならない。
逆に、思わぬ感興がわきおこってきます。
大人の演奏ですね。

若い名手のスピーディな演奏を聴いてしまうと、ああ、自分には絶対弾けない、と思ってしまいますが、エデルマンやアンデルシェフスキの演奏を聴くと、頑張れば弾けるかも、という気になります。
音楽さえあれば、テンポはどうにでもなる、と。

ゆっくり、素敵に弾く。
こういうのも、これからはやるかもしれません。

2010年12月22日 (水)

ゲルハルト・オピッツ リサイタル@オペラシティ・コンサートホール

(12月21日の記事)
忙しくて精神的にきつく、癒されたい気分にぴったりのコンサートに、運良く行くことができました。

オールシューベルトプログラム。
【前半】
ピアノ・ソナタ イ短調 D537
「さすらい人幻想曲」 D760
【後半】
ピアノ・ソナタ イ長調 D959
【アンコール】
即興曲D935 第2番 変イ長調

オピッツはドイツ正統派という触れ込みで、ベートーヴェンやブラームスを得意とするということで、ウィーンのシューベルトも“いかにも”という演奏が聴けるという予想をしていました。

演奏が始まると、その見た目の渋そうな感じとはまったく違って、若々しくも明るい音楽を奏でます。シンフォニックで重厚感もあり、シューベルトというより、ベートーヴェンを弾いているような感じでした。
やや縦ノリ気味とも言えるような早めのテンポ。前へ前へと進む推進力。タッチは明瞭で芯はしっかりしており、華麗な響きが出ている。高音部の弱音のパッセージなどは力が抜けた非常に美しい音なのだけれど、優しいというより、きらびやか。
つまり、全体的にとてもピアニスティックな表現です。
ピアノはそういうことですから、もちろんスタンウェイ。

気をてらうようなところはなく、音楽の作りはオーソドックスで安定しており、安心して聴いていられる。とても上手いです。

ただ今日急遽当日券で聴きたかったのは、疲れた精神状態もあって、もう少し違う方向性の音楽だったのですねえ。旋律のラインがしっとり丁寧に聞こえて、和声進行にも歌があふれており、音は曇り気味で慈愛に満ちていてどこか寂しいような。フリードリヒ・グルダの言うところの「微笑みながら自殺する」ようなシューベルト。

そういう意味からすると、やや聴きたかった方向とはずれていました。

元気で若々しく活力があって堂々とした明るいシューベルト。
立派な演奏ではありました。

アンコールの即興曲も、同じようにきらびやかで、ショパンのような響きがします。
きっちり弾いていたソナタと趣を変え、ややルバートをきかせて、まさに即興性を感じさせる音楽に仕上げてきました。うっかりすると平板になりそうなこの曲を、実に素敵に聴かせてくれました。

実力派のピアニストであることは間違いありません。

※1階はほぼ満席。7〜8分の入りだったでしょうか。
※オペラシティコンサートホールが、最近異様に響きすぎるように感じます。
いろいろなホールの音を聞き込んできて、響の差をだんだん明瞭に感じるようになってきたのかもしれません。
響をコントロールするのが難しそうと思います。
今日の演奏などは、響が少々邪魔のような気がしてなりません。
※アンコールを間合をとって1曲やって、もうありませんよという風だったのでさっとお開き。
やたらおねだりが続くダラダラとした終わり方より好きだなあ。

2010年12月20日 (月)

ヌーブルジェはブラームスとリスト~ナント・ラ・フォル・ジュルネ

やっとナントのラ・フォル・ジュルネのプログラムが発表されました。

http://www.follejournee.fr/images/stories/programme/bfjn2011.pdf

我がヌーブルジェの出演もありました。

出先なのでまだじっくり書き込ませんが、

ブラームスのピアノ五重奏曲のプログラムがひとつ。

そしてソロはベルクのソナタとリストから数曲。

ブラームスのソロ曲を期待していたので、やや残念ですが、出演があるということは嬉しいことです。

これで5月に来日の目も見えてきました。

まずは朗報です。

2010年12月19日 (日)

ヌーブルジェの海外コンサート~リスト、メシアン、ショパン

以前書いたかもしれませんが、フランス時間の18日20時にボルドー・シアターでヌーブルジェがリサイタルを行う予定です。

バッハ/ブラームス シャコンヌ
リストの2つの伝説
メシアンの鳥のカタログからコシジロイソヒヨドリ
ヌーブルジェのオリジナル曲
ショパンの第2ソナタ

というものです。

リストは聴いたことがなかったので、チェックしたみたところ、そこそこ動画があるのですね。
ホロヴィッツも弾いている。
ヌーブルジェにはとても合っていそう。

ショパンの第2ソナタは、是非とも聴いてみたいものです。

2010年12月18日 (土)

ベルリンフィル・デジタル・コンサート・ホールが日本語対応した!

メールでの案内は相変わらず英語で来ていたので少しも気がつきませんでした。
いつの間にか完全に日本語対応していることを知りました。
かなりわかりやすく作られており、これで安心して利用したい気分になります。

24時間チケットが9.9ユーロ。
30日チケットが29ユーロ。
12ヶ月チケットが149ユーロ。

円高で110円/ユーロくらいですから、3,000円ちょいで1ヶ月見られるとすれば、まあまあ割安感がありますでしょうか。
1コンサート500円くらいで購入もできれば、さらに良いと思うのですが。

良い試みですねえ。
日本のオーケストラも見倣って、どんどんウェブ配信してもらいたいものです。

http://www.digitalconcerthall.com/ja/

ピアニストが登場するコンサートはそれほど多くないのですが、
一流の演奏ぞろいと思われます。
内田光子さんが一番多いのにびっくりです。
ベートーヴェン全曲演奏はぜひ聴いてみたいです。
(4番はサービス配信で聴きました。素晴らしかった)

2010年12月18日(今日!)
アルカディ・ヴォロドス
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲

2010年10月23日
イェフィム・ブロンフマン
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番

2010年4月24日
ピエール=ロラン・エマール
シェーンベルク:ピアノ協奏曲

2010年4月14日
アンドラーシュ・シフ
J.S.バッハ:ピアノ協奏曲第1番

2010年2月20日
内田光子
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番

2010年2月14日
内田光子
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番

2010年2月10日
内田光子
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番、第3番

2010年2月4日
内田光子
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番

2010年1月10日
エレーヌ・グリモー
ラヴェル:ピアノ協奏曲

2009年10月4日
ダニエル・バレンボム
ショパン:ピアノ協奏曲第2番、第1番

2009年6月6日
ピエール=ロラン・エマール
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲

2009年2月13日
内田光子
シューマン:ピアノ協奏曲

2009年1月11日
マレイ・ペライア
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番

2008年11月8日
ラルス・フォークト
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番

2008年10月10日
マリア・ジョアン・ピリス
モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番

2010年12月16日 (木)

ショパンコンクール 各審査員の採点公表!

なんと、ショパンコンクールの全審査員の全採点が公式サイトにアップされました。
それぞれの審査員がいろいろ思い入れがあったことがわかり、実に興味深いです。

ファイナルの採点。
http://konkurs.chopin.pl/=files/attachment/5/1986/final_en.pdf

しかし、同じコンテスタントが1位だったり、10位だったりするわけですから、 絶対的な尺度などないということですね。

*アルゲリッチがアルメリーニに高評価だったのがうれしいです。
*フー・ツォンの採点はとてもユニーク。

2010年12月14日 (火)

ナントのラ・フォル・ジュルネの情報がそろそろのはずだが・・・

来年のナントのラ・フォル・ジュルネは、2月2日~6日といつもより少し遅めの開催です。

12月中旬にはプログラムが発表される予定となっていますから、ここ一両日中ではないかとやきもきしています。

これが発表されれば、ヌーブルジェが登場するかどうかが判明します。

もし、いつものとおり、ナントでヌーブルジェの出番があれば、来年5月の来日の目が出てくると思います。

あと数日間、目が離せません。

※しかし、ナントのチケット発売は2011年1月8日から。
本番まで1ヶ月もないではないですか。
本場はのんびりしていますね。

2010年12月13日 (月)

ピエール=ロラン・エマール リサイタル@東京オペラシティコンサートホール

いつまでも拍手鳴り止まず。アンコール7たび
ポリーニも真っ青。
現代音楽ファンがこんなに濃いとは知りませんでした。

【前半】
バルトーク:4つの哀歌op.9aから  第4番
リスト:巡礼の年第3年 から 「エステ荘の糸杉に寄せて」
メシアン:鳥のカタログ から 「カオグロヒタキ」
リスト:巡礼の年第1年「スイス」から 「オーベルマンの谷」

【後半】
リスト:巡礼の年第3年 から 「エステ荘の噴水」
ラヴェル: 「鏡」
  「蛾」
  「悲しい鳥たち」
  「洋上の小舟」
  「道化師の朝の歌」
  「鐘の谷」

【アンコール】
クルターグ:ピアノのための遊び第7巻より
バートウィスル:HARRISON CLOCKS
ブーレーズ:12のノタシオンより第9~第12番
ベンジャミン:ピアノフィギアより 6,8,9,10番
メシアン:前奏曲集より 「軽快な数」
カーター:MATRIBUTE
シェーンベルク:6つのピアノ小曲op.19

後期ロマン派以降はそもそも苦手。
今日の聴衆はコアなファンの方が多かったようなので、拙いレヴューを書いたら恥なので、やめておきます。

こんなにたくさん現代音楽一度に聴いたのは初めて。
やや苦手なリストやラヴェルが、なんともわかり易く親しく思い出されてしまうという、前衛的なコンサートでした。

エマールのピアニズムは素晴らしい。
音に厚みがあり、 響き豊かで、透明だったり、神々しかったり、グロテスクだったり、きらびやかだったり、様々な音色をピアノから引き出す。

今日の収穫は、ラヴェルの「道化師の朝の歌」をとても好きになれたこと。

リストも今まであまり親しんでいなかった曲が、これから聴けそうな気がしてきたこと。

現代音楽は難しかったけれど、アンコールのクルタークの弱音にはゾクゾクし、意外とメロディアスにメシアンの前奏曲が聴けたり、最後のシェーンベルクは以前菊池洋子さんで聴いたことがあったこともあり、これだけ現代音楽が続く中ではクラシカルな響きに聞こえたりと、いろいろ発見がありました。

何事も体験ですね。

※ホールは五分程度の入り。こういうプログラムではしかたないです。
ル・ジュルナル・ド・パリに引き続き、響きまくりでした。

※聴衆の集中力は最高レベル。エデルマンの時とは全然違います。
エマールの要望で、拍手は前半最後と後半最後のみということになっており、もちろん、誰一人として勘違いする人はいませんでした。

※ラヴェルの最後の鐘が奏でられたとき、エマールがじっと静止している間、皆息をひそめて手が鍵盤から降りるのを待ちました。
ちょっと感動ものでした。

2010年12月12日 (日)

レコードアカデミー賞~メジューエワのノクターン集を聴く

ここ数年、ヌーブルジェに次いでライブをたくさん聴いているイリーナ・メジューエワがレコードアカデミー賞を獲得し、我が事のように嬉しく思っています。

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嵐のようにアルバムを出しているメジューエワ。
とても全部追い切れておれず、ノクターン集もたまたま持っていなかったので、この機会に求めてみました。

嬰ハ短調の遺作はゆったりとしたインテンポと極上の美音で秘めた情熱を表現。

超有名な第2番 Op.9-2、余分な叙情を廃し、端正かつエレガント。
ショパンコンクールでニコライ・ハジャイノフの演奏を聴いて大好きになった第3番 Op.9-3は、メジューエワにしては、とても即興性にあふれていて、かなりルバートを多用したロマンティックな表現。

ヌーブルジェの鮮烈かつ怒濤の演奏で大好きになった第4番 Op.15-1
慈しみあふれる主題。あわてない中間部。

有名な第5番Op.15-2。スローテンポでじっくりと主題を聴かせ、中間部は左手のリズムをやや崩して変化をつける。再現の前にフッと間。

嬰ハ短調の名曲第7番 Op.27-1。ルバート多めのロマンティック表現。
荒らしの中間部は案外ゆったりと落ち着いた表現。

超有名な第8番 Op.27-2。端正さと思い入れとを上手にミックスし、実に深い表現。

暗い第11番ト短調。悲しい音色。

明るい第12番ト長調。揺らさず端正に華麗さを演出。

名曲第13番 Op.48-1。主題、右手の音の出を一瞬前倒した独特の表現。
中間部、徐々に集中を増し大きな表現。再現部、一気にいくのではなく、変化をつけて叙情たっぷり。

ショパンコンクールでかなり聴いた第16番 Op.55-2
超スローテンポによる美の表現。胸をえぐられる。素晴らしい。

同じくショパンコンクールで人気だった第17番 Op.62-1
同じくスローテンポで、複雑な和声進行に伴う微妙な音色の違いを、デリケートに表出。
これまた秀逸。

ハ短調の遺作。ヌーブルジェの演奏で好きになった曲。ほんのりと寂しい叙情。美しい。

全体を聴いてみて、そのアプローチの変幻自在さにびっくりしました。
時に端正、時にロマンティック、そのバランス感覚が絶妙。音色の明るさ、暗さの変化を非常に明確に演出している。
決してあせらず、形式感を崩さず、激さず、しかしタッチは深く明確。

実に素晴らしいアルバムです。

2010年12月10日 (金)

2011年来日ピアニスト情報~ヌーブルジェがいない(;_;)

ぴあクラシックに来年の海外ピアニストの来日情報が掲載されました。
なんとここにもヌーブルジェの名前がありませんでした

来年は結局来なくなってしまったのでしょうか。
もう少し情報を集めてみます。

注目ピアニストは以前書きましたが、多少情報も増えたこともあり、気になる人をまた掲げます。
絶対に行く人と、行ったことがなくて気になる人です。

読者の方で、他にもこれはおすすめというピアニストがいましたら、ぜひお教え願いたいです。

ぴあクラシック該当サイト↓
http://www.tenprint.co.jp/piaclassic/ebook/vol17/index.html#14

●既入手済み
◎絶対に行く
○気になる

【1月】

●アリス=紗良・オット
 グラモフォンで売り出し中。

●エフゲニー・ズドビン
 激しそう。

●エレーヌ・グリモー
 オオカミの霊感演奏に期待。

●ダニール・トリフォノフ
 ショパンコンクールガラコンサートで。
 ファツィオリの響きが聴けるか。

【2月】
●アンドラーシュ・シフ
 ベートーヴェン、シューマン、バッハ目を離せない。

◎イリーナ・メジューエワ
 まともなホールで聴けるか。

○デニス・コジュヒン
 エリザベートの優勝者。意欲的なプログラム。

【3月】
●ユジャ・ワン
 今のところ、最大の期待。ひっくり返りたい。

【4月】
○アレクセイ・リュビモフ
 ロシアンピアニズム。

●カティア・ブニアティシヴィリ
 超美形。リストプログラム。

【5月】
◎ピョートル・アンデルシェフスキ
 2009年の来日がセンセーショナルだったらしい。

【6月】
○ニコライ・デミジェンコ
 ロシアンピアニズム。

◎フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ
 バッハとモダンの鬼才

○マルティン・シュタットフェルト
 貴重なドイツ人若手

【9月】
◎レイフ・オヴェ・アンスネス
 2010のコンチェルト堪能

【11月】
◎ベルトラン・シャマユ
 2010のラ・フォル・ジュルネで感激。

○マレイ・ペライア
 リリシズムの巨匠

2010年12月 9日 (木)

セルゲイ・エデルマン リサイタル@紀尾井ホール3

アンコール1曲目は、これも今年たくさん聴いた嬰ハ短調ワルツ
力の一切を抜ききった、鍵盤の上半分しか弾いていないのではと思うくらいの優しく、慈愛に満ちた音楽。ピュー・モッソの部分も、決して慌てず、絶妙のペダリングで何とも言えぬ寂寥感を味わえました。
素晴らしい。

2曲目は、何と英雄ポロネーズ
今日のエデルマンの調子からすると、ちょっとこの曲は怖かった。
幸い破綻なく弾いてくれました。
オクターブの行進の後の、歌うところがとても上手です。

三分の一くらい聴衆が帰りかけたところで、3曲目のノクターン
また先ほどのワルツのソフトさと全く違う透明感を出してきて、この人はどれくらいの音色を持っているのでしょうか。
しかし、この頃はまたピアノの調子が狂ってきてしまっていて、せっかくの美しい音楽の魅力が半減してしまいました。

長々と書いてしまったのは、それだけエデルマンの演奏が雄弁で、1曲ごとに感じることがたくさんあるからです。
実に密度の濃い音楽を、知情意のバランス見事に聴かせてくれる素晴らしいピアニストだと思います。

たまたまこの日はいろいろアクシデントが重なり、今ひとつスッキリしないコンサートになってしまったことは否めません。
近い将来、ぜひエデルマンにはこの雪辱を果たしてもらいたいです
必ず聴きにいきます。

※この日の聴衆は非常に集中が悪かったです。
終始ホールはガサガサざわつき気味。
後半のフィールドが始まったときなど、曲の半分くらいになってもざわめいてしまっていたし、途中、変なモーター音は鳴るし、最後の幻想ポロネーズのコーダのところで誰がが席を立ちしゃべりながらコツコツ靴音をたてるし、アンコールのワルツでデリカシーに浸っているときに、声をだして感想を言う人はいるし、英雄ポロネーズの提示部が終わったところで拍手は起こるし・・・
エデルマンも含めて、全部の雰囲気が変だったのでしょう。

※なんであんなにピアノの調子が狂ってしまったのでしょうか。
前半と後半で音の出方自体が違っていたので、休憩時間の調律にでも問題があったのでしょうか。

※コンサートの値段、安すぎましたかね。
ショパン三夜セットで1万円でしたからね。

セルゲイ・エデルマン リサイタル@紀尾井ホール2

バラード第2番の嵐の中間部
ここで一瞬音楽が止まってしまいそうになりひやりとしたものの、その後は立て直し、この曲の対比の妙を見事に描ききりました。
空中浮揚のようなフワフワ感と、深くえぐるような強奏との対比。

前半最後の幻想曲
雪の降る町のテーマは、案外ペダルを長めに踏み、ロマンティックに始まる。
しかし、どうもやや不安定な感じの曲の運びのように感じていたところ、途中2回ほど、暗譜が完全に飛んでしまうというアクシデントが起きてしまいました。
さすがに動揺したのか、細部までまったく手抜きのなかったエデルマンも、やや荒れ気味の演奏になってしまい、この曲は残念なことになってしまいました。
         
後半、気を取り直してくれたかとてもドキドキのスタートとなりました。

フィールドのノクターン、下手なピアニストが弾いたら、陳腐になりかねない曲想ながら、そこはさすが、優しくニュアンスにあふれた絶妙なタッチで魅了されました。

フィールドの最後の音から間を置かず、スクリャービンの悲愴エチュード
これはもう、ロシアンピアニズム全開といった感ではありましたが、単に激昂を押し通すのではなく、あくまで知的にコントロールを保ちながら、壮大な表現を聴かせてくれました。

ショパンノクターンの名曲、大好きな13番のハ短調。
相当遅く弾かれるかと想像していたのが、案外あっさりめ。
ただ、ここでまたもや問題が発生。
右手の最初の「ソ」の音からいきなり響きが濁っている。
アレ?タッチのせい?と思いながら聴いていても、中高音域の濁りが徐々にひどくなります。なんだか落ち着かないまま、中間部の盛り上がりにかかると、なんとまたエデルマンの暗譜が飛んでしまうというアクシデント。
結局、この曲は落ち着かないまま終わってしまいました。

14番のノクターン、エデルマンは前半と明らかに音の響かせ方を変えてきていて、透明感のある音が響くのですが、音がどんどんずれてくるので、だんだん聴くに堪えなくなってきました。

エデルマンもとても弾きにくそうながら、スケルツォの2番に突入。
先日、ゴルラッチの颯爽とした演奏を聴いたばかりですが、エデルマンは本当に大人。とかくテクニカルに流れがちなこの曲を、実にいろいろなニュアンスを含めながら、じっくりと作りこんでいる。飽きることがありません。
ただ、音が狂っているのが本当に残念。

さすがにエデルマンも我慢の限界となったようで、ここで何と調律師を呼び込み、狂っているいくつかの弦の応急処置をしました。
演奏途中で調律がはいるなど、前代未聞です。

最後の幻想ポロネーズは、調律は完全でないものの、なんとか聴けるレベルに収まりました。
この幻想ポロネーズはエデルマンの美点が最高に発揮されました。
なんとファンタジーにあふれ、変化に富み、味わいの深い音楽なのでしょうか。

最後でホッと救われました。

【つづく】

セルゲイ・エデルマン リサイタル@紀尾井ホール1

こんな信じられないことも起こるのか・・・・

良かったけれど、残念だった。
年の瀬に、もしかしたら今年最高のピアノを聴けるかも期待して行ったのですが、何とも複雑な心境に陥ったコンサートでした。

【前半】
J.S.バッハ : 半音階的幻想曲とフーガ 二短調 BWV903
モーツァルト : ロンド イ短調 KV.511
シューマン : アラベスク ハ長調 Op.18
ショパン : バラード 第2番 ヘ長調 Op.38
幻想曲 へ短調 Op.49

【後半】
フィールド : ノクターン 第5番 変ロ長調 H.37
スクリャービン : 12の練習曲 Op.8より 第12番 嬰ニ短調「悲愴」
ショパン : 2つのノクターン Op.48
 ・第1番 ハ短調
 ・第2番 嬰ヘ短調
スケルツオ 第2番 変ロ短調 Op.31
幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61

【アンコール】
ショパン:ワルツ 嬰ハ短調 Op.64-2
ショパン:ポロネーズ 変イ長調 Op.53「英雄ポロネーズ」
ショパン:ノクターン 嬰ヘ長調 Op.15-2

エデルマンは、1960年生まれのウクライナ人のピアニスト。2009年まで日本の武蔵野音楽大学で7年間も教鞭をとっており、その間教育に専念し、演奏活動を行っていなかったのが、2009年2月頃から突如CDを次々と発売しだし、そのどれもが非常にハイレベルの演奏だものだから、最近俄然注目を集めてきていると思われるピアニストです。

今日の企画はショパン生誕200年を記念したショパン三夜の最後を飾るものでした。プログラムを見ればわかるように、単にショパンを弾くのではなく、テーマ性が強く、エデルマンの並々ならぬ意欲を感じるものでした。

冒頭のバッハ半音階的幻想曲は、CDですばらしい緊張感のある演奏を聴かせてくれていますが、今日のライブでは、CDより幾分速めのテンポであり、何よりその音色が、とても痛々しいような悲愴感と、華麗な艶やかさが同居しているという、独特のものでした。速めと行っても、エデルマンは絶対に先を急ぐタイプではなく、フレーズを大事に扱うので、とても落ち着いた感じに聞こえます。大人の演奏ってやつですね。
フーガにはいると、ぐっとタッチを弱く柔らかめにし、語りかけるような表現に変えてきました。ペダルは細かく結構使う方ですた、ロマン的に響きにうもれさせてしまうようなことはなく、きちんと線を保った端正な演奏でした。
フーガは地味なせいか、聴衆の反応はいまいちでしたが、私は、これは今日は大変なことになりそうだ、と身構えたものでした。

2曲目のモーツァルトのロンドイ短調。
去年、内田光子の演奏を聴いて泣いた曲です。
エデルマンはバッハとは明らかにタッチを変えてきて、もう音の色が全然違います。こちらは優雅で柔らかく明るく、そして寂しい音。
かといって、軽妙、洒脱という感じはなく、やや厚みのある弱音で、淡々と曲想の変化を追っているようでした。

3曲目のシューマンアラベスク。
これは今年いったい何回聴いたことでしょう。
エデルマンにかかると、シューマンも毒気が抜けてソフィスティケートされ、ロマン派的要素より、古典派的要素の中で表現されているように感じます。それが仰々しくない、シューマンの屈折や、孤独感みたいなものを、上手に表現を生んでいると思いました。
とても気に入りました。

アラベスクの最後の音を伸ばしたまま、バラード2番の冒頭が始まります。
これが非常に心地良い提示部で、まるで、雲の上を浮遊しているかのごとき、柔らかくふわりと浮いたような音で、ほのぼのとさせておき、いよいよ中間部の怒濤の荒の到来を待ちます。

そして、中間部。事件の一度めはまずここで起こりました。

【つづく】

2010年12月 7日 (火)

You Tubeでスクリャービン予習

他ジャンルは知らねど、クラシックピアノについては、You Tubeコンテンツの充実ぶりがここのところ際だってきているような気がします。

数年前までは、まだクラッシックのコンテンツなど、それほど多くはなかったと思います。
いつ見ても、いつか見たことがるありふれたヴィデオからの流出動画ばかりだった。

それが、今や、ある曲を探そうと思うと、古今東西の有名・無名のピアニストたちの演奏が、動画や音源で提供されています。

CDを買う前にいろいろな演奏が聴けてしまう。

たくさん聴くと、あっというまに曲を覚え、演奏ごとの特徴もわかり、曲のイメージができあがって、自分の好きな表現というのが固まってきます。
そうすると、一本基準ができあがるので、コンサートで聴いたとき、その基準をベースに聴けるので、いろいろ感じることが多くなります。

速いとか遅いとか、繊細とか豪快とか、インテンポとかルバートとか、明晰だとか柔らかいだとか、遊んでいるとかまじめとか、流麗とか無骨とか・・・

でも結局細かな分析は後付けの理由ぽく、聴いてるときの惹きき込まれ方というとこがすべてて、惹きき込まれた感じを後で言葉におきかえていっているわけです。

明日に備えてスクリャービンの練習曲op.8-12(悲愴)を聴いています。
あるわわるわ。
 ウラディーミル・ホロヴィッツ 3つ
 エフゲニー・キーシン
 セルゲイ・ラフマニノフ
 アレクサンダー・スクリャービン(自演)
 アレクサンダー・ガブリリュク
 アルフレッド・コルトー
 ニコライ・ルガンスキー
 バハマン
 ボリス・ベレソフスキー
 ウラディーミル・ソフロニツキー
 ランラン

CDでこれだけそろえるのは大変。
本人の演奏があるだけに、基準がさらにはっきりしますね。
相当早弾きなのですよね。
他の演奏より30秒近く速い。
右手の旋律よりも左手のアルペジオをしっかりならす。

明日のエデルマンはどういうアプローチをするのでしょうか。
 

2010年12月 6日 (月)

iPadの功罪~予習してない

iPadを持ち歩くようになって、何が変わったと言って、外の移動時間ではネットばかり見るようになりました。

つい便利で、あれやこれや情報のテキストばかり読んでいる。

ちょっと良くない傾向です。

本を読む時間が減った。

音楽を聴く時間が減った。

You Tubeはたまに見ますが、あまり落ち着きませんし。

なので、コンサートで知らない曲があっても、iPodでじっくり予習ということをここのところ怠っていたので、その場勝負みたいになってました。

それはそれで悪くはないのかもしれませんが、よほどでないと、曲を覚えません。

ちょっと反省。

後期ロマン派から近代以降にもう少し親しまないと、コンサートがもったいですね。

美味しい紅茶の淹れ方

音楽を聴きながら、美味しいお茶を一服。

紅茶の記事を書いたら、久々紅茶欲がわいてきています。

古今、淹れ方の「ゴールデンルール」がいろいろあります。

私なりのルールを書いてみます。

1.茶葉を選ぶ

そこそこのお店のそこそこのお茶なら大丈夫でしょう。

とりあえず、値段である程度判断するしかあません。

2,000円/100g以上のものなら、良質のもののはずです。

ダージリンの良いものは3.000円以上したりします。

(100gで40杯取れると思えば、実はそれほど高いわけでもないのです。)

できるだけシーズンのものが良いです。

ダージリンだと、今はセカンドフラッシュか、オータムナルです。

葉っぱはホールリーフタイプになると思いますが、ミルクティー用には

ブロークンタイプもありでしょう。

2.ポットは丸い形のものにする

一番良いのは、磁器性のまん丸のポットとされています。

丸いガラスポットでも、それほど問題ありません。ジャンピングの具合を確認するにはガラス製の方が当然わかります。

ポットは暖めて置く必要があります。ジャンピングさせる温度を下げないためです。

3.カップ

カップは、おしゃれなティーカップだろうが、マグカップだろうが、飲めればどうでも良いです。ただ、水色や香りをしっかり楽しむのでしたら、ティーカップですね。

カップは、特別温める必要はありません。かえってポットから注いで少し冷めるくらいの方が、私などは飲みやすいです。日本人はとかく熱々好きですが、風味を味わう場合には、ぬるめが良いです。

4.水

一般的に、水は汲みたて、といいます。つまり、水道からジャカジャカ出ている水を使うと。最近はほとんど浄水器がついているでしょうから、カルキ臭はそれほど問題にならないでしょう。多少沸騰させるので、飛びますし。

汲みたてで淹れると、よく茶葉がジャンピングするといいます。空気の含有が多いからという理屈らしいです。あと飲んだ時のキレが良い感じはします。

5.茶葉の量

1杯あたり2.5gくらいとされています。しかし、実際は、茶葉の種類によって千差万別。

何度が試行錯誤して、この茶葉だとこのくらい、というのがわかってくる、というのが実情です。

「One for the pot」というフレーズがありますが、日本の軟水で淹れる場合、ポットのための1杯を入れると、渋くなりすぎます。

6.お湯の沸かし方

5円玉程度の泡が出るくらい、とゴールデンルールにはあります。

私の実感だと、もっと細かい泡の段階の方が良い気がします。

温度計で計ると97度くらいでした。

細かな気泡が出だしたところで、それを維持し、少しカルキを飛ばす。

あまり沸騰させすぎない。

ボコボコ沸騰させてしまうと、まず、茶葉はジャンピングしません。

ポットの中でもっともよく対流が起こる温度、ということなので、きっちり実験すればはっきりするでしょう。

7.淹れる手順

①茶葉を計り

②暖めたポットに投入

③適度に沸騰させたお湯を用意し

④ポットの内側の肌から一気に注ぎ入れる

(ジャカジャカ上から注ぐと跳ねるばかりで、あまり混ざりません)

ここで、茶葉がふわっと上に浮いてこないと失敗。

(ここが一番ポイント。沈んだままだと、絶対美味しくはいりません)

⑤ポットを持ち上げて、ひと揺らしします。

ジャンピングのきっかけを与えます。

⑥ジャンピングしている茶葉が踊りをやめて落下しきってきたところが目安です。

ただ、抽出時間は茶葉により違うので、何度か試行錯誤が必要です。

当然、ブロークンは早く、フルリーフは遅いです。

8.カップに注ぐ

抽出が終わった茶葉は、ポットからすばやくカップに注ぎ入れます。

茶こしは当然必要です。

この時、カップを複数用意し、濃度を調整しながら注ぎわけていきます。

最後の一滴まで絞りきります(これをゴールデンドロップという)

以上で美味しい紅茶が召し上がれます。

ミルクティーにするときは、

牛乳をあらかじめ室温に戻しておき、注ぐカップに先に入れておきます。

そして、抽出の終わった紅茶を注ぎます。

「ミルクが先か、紅茶が先か問題」はイギリスでも常に物議を醸しているらしいですが、私はミルクが先派です。

乳臭さをできるだけ出さない、というのがポイントです。

2010レコードアカデミー賞にメジューエワ

2010年のレコードアカデミー賞が決まったようです。

http://www.hmv.co.jp/fl/12/423/48/

ピアノ部門では、メジューエワのショパン:ノクターン集が受賞。

入れ込んでいるだけに嬉しい受賞です。

 ショパン/Nocturnes: Mejoueva ショパン/Nocturnes: Mejoueva
販売元:HMVジャパン
HMVジャパンで詳細を確認する

試聴したことはありますが、持っていません。iTunes-storeには売っていないのですね。

ショパンコンクールでニコライ・ハジャイノフが弾いたOp.9-3が最近のお気に入り。

練習もしています。

メジューエワの演奏はそういえば聴いたことがなかった。

27-1とか48-1あたりも、メジューエワだとはまりそう。

ぜひ聴いてみたいです。

2010年12月 5日 (日)

アレクセイ・ゴルラッチ リサイタル@彩の国さいたま芸術劇場

約1年ぶりにゴルラッチを聴きました。
若いだけに、どれだけ進化しているか。
また、こちらもこの1年間で随分ショパンを聴きこんだので、受け止め方が変わっているかもしれません。

オールショパンプログラム
【前半】

ワルツ第10番 ロ短調 Op.69-2
ワルツ第1番 変ホ長調 Op.18「華麗なる大円舞曲」
舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61

【後半】
4つのマズルカ Op.67
4つのマズルカ Op.68
バラード第2番 ヘ長調 Op.38
スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31       

【アンコール】
ショパン:エチュード Op.10-4
ドビュッシー:前奏曲集第1巻より「西風の見たもの」
シューマン:幻想小曲集より「夢のもつれ」

去年のレビューを見返したところ、なかなか聴かせる若者じゃないか、という感想でした。
今回は、もう少し踏みこんで、彼の個性がわかってきました。

だいたい耳が慣れない最初のうちは、音がうまく伝わりにくいものですが、今日のゴルラッチは最初のワルツの雰囲気がとても良かったです。
力が抜けていて、柔らかく、響きが宙に舞う感じで、結構つかまれました。

さいたま芸術劇場は、独特にピアノが響くホールで、ピアノのダイレクト音よりも間接音の方が多いので、響きをコントロールするのが難しそうです。

2曲目のワルツもなかなかエレガントでした。

その後、大曲2曲で、早くも見せ場です。
ゴルラッチのアプローチは正統的で、素直に音楽が入ってくるのですが、前回にも感じたように、もう一段の切れ味、インパクトが欲しいかなというところでしょうか。

これは彼の音質によるところがあると思います。
指はよくまわり、技巧は十分ながら、クリアで明晰というタイプの音でないので、高音部の強奏などがやや安っぽく聞こえてしまうのです。

力が抜けてゆったり弾いている部分は、とても幸せな音を出せる人ではあります。

そういうわけで、後半も、テクニカルで大受けだったバラードやスケルツォより、マズルカの67-3や4、68-2や4が私は好きでした。
繊細な曲になると、美しく響かせ、テンポも非常にルバートを効かせて、でもいやらしくなく、センスよくまとめていたと思います。

アンコールは3曲ともテクニカルな曲で、ここぞとばかりに腕の良さを見せつけましたが、どうも、私はこういう曲らが必ずしも彼の個性に合っているように感じませんでした。

ショパンならおとなしめのノクターン、ドビュッシーなら月の光、シューマンなら子供の情景などが良かったなあ。

※ゴルラッチの演奏すがたはなかなか美しいです。

※今日はフライング拍手にフライングブラボーの荒でした。
そういう終わり方の曲が多かったせいもあります。

※エチュード10-4はちょっとスピード違反でしたかね。
大受けでしたが。

※「夢のもつれ」はアルゲリッチともろかぶり。うーん、やはりアルゲリッチは凄かった。

ユジャ・ワン5態~ショパンワルツ嬰ハ短調Op.64-2

ユジャワンが同じワルツを何度も弾いているのが、年代順に比較できます。
成長している様子がよくわかります。

【10歳前後】

**************************ここから大人**************************

【2007年9月頃 20歳】

【2009年5月頃 22歳】

*************************ここらから何かがブレイク***************************

色香が出てくる。

【2010年7月頃 23歳】

http://www.youtube.com/watch?v=vB7_l8wSpz8

【2010年8月頃 23歳】今年のヴェルビエ音楽祭。素晴らしい。

<p>

ヌーブルジェ海外コンサート情報

久々にヌーブルジェの新しいコンサート情報が入りました。

2011年3月31日(木)
会場:  Auditori de Barcelona, バルセロナ

【プログラム】

J.S.バッハ:イタリア協奏曲 BWV.971

シューマン:クライスレリアーナ Op.16

ベートーヴェン:ハンマークラヴェーア・ソナタ Op.106

イタリア協奏曲とハンマークラヴィーア・ソナタは日本で聴けました。
クライスレリアーナは初出ではないでしょうか。

聴きたいですねえ。

2010年12月 4日 (土)

驚愕!!若きアルゲリッチのショパンスケルツォ第3番

昨日の「嬰ハ短調」の記事で「死ぬまでにまず弾けない」と書いたショパンのスケルツォ第3番。

今日、たまたまYou Tubeでいろいろ動画をあさっていたところ、うら若きアルゲリッチが弾いている貴重な動画を発見し、その演奏にびっくり仰天してしまいました。

何がびっくりと言って、この、なんだかやる気無さそーなたたずまいから、体躯を微動だにせず、腕から先だけのコントロールで、軽々と、すべるように、舐めるように指を鍵盤に這わせながら、強靱かつクリアな音をたたき出しているところです。

何だかアルゲリッチが弾いていると、この曲がえらく簡単そうに見えてしまいます。

この映像を見ると、なぜアルゲリッチが70歳近い年齢になっても技巧が衰えないのかがよくわかる気がします。

身体にまったく無駄な力が入っておらず、指もしなやかで、負担が軽そうだからではないでしょうか。

最近のピアニストのは、やたら身体を揺らして、指などに無理な負担をかけていそうに見える演奏をする人が増えているような気がします。

実は、ヌーブルジェの弾き方もちょっと心配なのです。
あまりしなやかとはいえない。
指を壊さなければ良いなと思っています。

このアルゲリッチの他にも、ホロヴィッツルービンシュタインなどもストレスのない弾き方をしているように感じます。

長く一線で活躍するには身体も大事にしてもらわないと。

でもリヒテルなどは、かなり体重を無理矢理指にかけるような弾き方をしているにもかかわらず、一線で弾いていました。身体丈夫そうですからね。

2010年12月 3日 (金)

嬰ハ短調

ピアノのレッスンを本格的にやりだして1年8ヶ月余。

126/分で片手弾きしている、課題のスケールがようやく嬰ハ短調まできました。

  嬰ハ短調 - Cis moll - C#マイナー

♯4つもありますが、意外と弾きやすい。

そして、独特の痛寂しい感じの響きがします。

最近、弾きたいと思うショパンの曲が嬰ハ短調が多いのに驚きます。

・マズルカ Op.63-3
再現部の対位法的処理がなんともそそります。

・ワルツ Op.64-2
手垢付き気味の超有名曲ですが本当に名曲です。
今年のヴェルビエでのユジャ・ワンにノックアウトされました。

一応、通しで弾ける曲では

・ノクターン 遺作「レント・コン・グラン・エスプレシオーネ」
映画「戦場のピアニスト」の曲。

そのうち是非弾いてみたい神曲が

・マズルカ Op.50-3
ホロヴィッツの演奏は神。

・ノクターン Op.27-1
超有名な27-2より、こちらが好きです。

とりあえず弾けたら格好良いのが

幻想即興曲
玄人にとっては弾きやすい曲らしいですが、素人には難しいです。

まあ、死ぬまでに弾けないだろうなと思うのが

・スケルツォ第3番
ポリーニ全盛の頃、アンコール3曲目あたりに弾いてくれて凄かった。

ショパンは嬰ハ短調にどんな思いを込めていたのでしょうか。

※ちなみに、今レッスンしている曲はシューベルト「楽興の時」第4番嬰ハ短調です。
とてもすてきな曲。

※故広瀬正のSF小説に「ツィス」というのがあります。
変わった筋書ですが、どんでん返しがあり面白い。
広瀬正の小説は綿密で好きです。
「マイナスゼロ」はタイムマシンものの超超名作。

2010年12月 2日 (木)

ポストアルゲリッチは

昨日のアルゲリッチを見ていたら、ユジャ・ワンがかぶってきました。

そうか、ポスト・アルゲリッチはユジャ・ワンか。

ポスト・ポリーニは???

ポスト・ツィメルマンはブレハッチか。

ポスト・ホロヴィッツは???

ポスト・グールドはシュタットフェルト?

そして、ポスト・リヒテルがヌーブルジェ。どうでしょう。

2010年12月 1日 (水)

マルタ・アルゲリッチ コンサート@すみだトリフォニーホール

12月1日、すみだトリフォニーホール、19時開演。

天才いまだ健在。
天衣無縫で霊感に溢れた音楽。
粒立ちのはっきりした、強靭なタッチ。
なぜか機会がなくライヴ初めてだったのですが
衰えぬ前に聴けて良かったです。

【演奏】
ピアノ:マルタ・アルゲリッチ
指揮:クリスティアン・アルミンク
オーケストラ:新日本フィルハーモニー交響楽団

【プログラム】
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
        * * *
ラヴェル:道化師の朝の歌
ラヴェル : ピアノ協奏曲 ト長調
    
【アンコール】
ラヴェル:ピアノ協奏曲から第3楽章
シューマン:子供の情景から第1曲「見知らぬ国」
幻想小曲集から第7曲「夢のもつれ」

シューマンにしてもラヴェルにしても、もう何百回と弾いている得意曲でしょうから、目をつぶっても弾けるに違いありません。
それくらい、余裕たっぷりで、上体はどっしり安定しており、力の抜けた腕と手から奏でられる音楽は、時に軽やか、時に激しく、時にうなり、時にさえずる。

時折、特定の音をドキリと強調してみたり、右手の小指がそれは強靱で、決めて欲しい最高音は気持ち良いくらいにキッチリ鳴らしてくれる。
(案外、これをしないピアニストは多いです)

聴衆への魅せ方、というのを心得てるなあと思いました。

シューマン第1楽章のカデンツァは奔放で激しく見事。
第3楽章はアップテンポで、まったくリズムがもたつかないどころか、必ずピアノがオーケストラをリードしている。

ラヴェルは跳んだり跳ねたり、引いたり、またいだり、グリッサンドの荒だったり、長ーーいトリルだったりと超絶技巧のオンパレードの曲でしたが、アルゲリッチのテクニックは、それらをまったく難しそうに感じさせないところが凄い。

何の気なしに弾き、ただピアノと戯れているようです。

このあたりが天才の所以なのですね。

アンコールはラヴェルをもう一度演ったあと、ソロ2曲の大サービス。
数日前のコンサートではショパンのマズルカを引いたということで期待をしていたのですが、今日はシューマンから2曲でした。

リサイタルを開かない人ですから、ソロ演奏は非常に貴重です。
子供の情景は優しいタッチでしっとりと。こんな風にだって弾けるのよ、と。
CD創生期の頃、最初に出たのがこの子供の情景でした。
えらくクリアな音で聞こえてびっくりしたものでした。
今、年月を経て、聞こえてくるのは、円熟して慈しみに溢れた演奏。

夢のもつれは、シューマン独特の錯綜の世界ですが、まことに軽やかに、楽しく弾きました。

ちょっと奮発して良い席を買ってしまいましたが、十分価値はありました。

※ショパンコンクールの優勝者で、4日のN響デビューに備えて来日中のユリアンナ・アヴデーエワが鑑賞に来ていました!
休憩時間に接近遭遇したのですが、コンサート終了後ホール出口に向かうところで鉢合わせし、なんと肩を並べて歩いてしまいました。
素のユリアンナさんは髪をおろし、可愛い系の服装で、コンクールの印象とまったく違いました。
今日の感じの方がマーケティング的には良いのじゃないかなあ。

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