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2010年11月19日 (金)

セルゲイ・シェプキン リサイタル@すみだトリフォニーホール

昨年に続いて2度目になります。
今回は熱情ソナタと展覧会の絵が聴けるとあって、おおいに期待をもって臨みみました。

思わぬ展開があり、大満足でした。

前半】
J.S.バッハ:パルティータ第1番 BWV825
ベートーヴェン:ピアノソナタ第23番「熱情」
【後半】
スクリャービン:2つの詩曲 Op.69
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」
【アンコール】
ブラームス:間奏曲 op.116-4
J.S.バッハ:ゴールドベルク変奏曲から、アリア

パルティータ1番は曲自体が好きですし、シェプキンの演奏はCDで親しんでいたので、ライブでどんな音楽に聞こえるのか楽しみでした。
当然同じアプローチでしたが、若干ホールが響きすぎてしまってやや音が響きに埋もれがちなのが残念でした。
しかしながら、サラバンドでは得意の装飾が駆使され、らしさ爆発。
ジーグでのメロディーラインの浮立たせかたには耳をそばだてました。

熱情ソナタはかつて聴いたことのない、流麗な作りでした。武骨さが微塵もない。フォルテでも決して叩かず、音の響きを大切にする。
高音域のキンキンせず、ソフトで軽やかながらも華麗な響きが特筆です。
ある意味ベートーヴェンらしくないとも言えます。
しかし、音楽自体をこねくり回しているのではないので、異端という感じはしません。
第3楽章コーダは、ほとんどの演奏家はライブでは猛爆して勢いだけになりがちなところ、シェプキンは驚異的にテンポをあげながらも、一音たりとも明瞭を欠いた音がありませんでした。

演奏姿勢からもうかがえるえのが、上体が力まず、無駄な動きがほとんどなく、完全に腕を脱力しきっている。
繊細な音を出せる人の共通の特徴ですね。

後半に入ると、調律で調整したのか、幾分響きがコントロールされるようになった気がします。
スクリャービンはシェプキンの美点が最高に発揮される曲想。

「展覧会の絵」は、かなり手を加えるのではないかと、怖いものみたさの興味がありましたが、演奏自体はオーソドックスでした。
シェプキンワールドはこの曲でも発揮され、極上の響きと、流れるようなメロディー、丁寧な細部の作り込みによって、華麗な世界を構築しました。
冷静で激さず、あくまで知的な美意識で貫かれていたと思いますが、そこはライヴのおもしろさで、後半になってくると、やや興がのってきたようで、集中が高まり、音楽に激しさも増してきたように感じました。
バッハを装飾を多用して弾いているようにきこえたりもしました。

プログラムも充分満足のいく演奏でしたが、アンコールでさらなる感動を味わうことができました。

ブラームスの晩年の間奏曲は、ショパンのような叙情と、20世紀を先取りするような響きをあわせ持つ。晩年の渋みより、これまた美に焦点をあてた演奏。

2曲めになんとゴールドベルクのアリア。
これが素晴らしかった。まさに神の領域。

触るか触らぬかというくらいの、力の抜けた軽いタッチ。
狭雑物を一切排したピュアな美の世界。
なぜか最初のパルティータと純度がまったく違う。

そして、リピートでは縦横無尽な予想できない装飾の荒。
酔いしれました。

滅多にしないことなのですが、終了後にゴールドベルクの新アルバムを買ってしまいました。

最後のアンコール2曲で、一挙にチケットのコストパーフォーマンスが上昇。
お得なコンサートになりました。

※観客の入りは4割~半分くらい。何故だーーーーーーーーーーーと叫びたい。
ポリーニ、アルゲリッチ、内田光子ばかりがピアニストじゃありません。

※そのせいか、ホールが非常によく響きました。ル・ジュルナル・ド・パリの時のオペラシティホールに近い感じでした。

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コメント

あふらっとさま:

そうです。2008年の最新版です。

こっこさま:

>わたくしも参りましたー。

いらっしゃったのですね!

>最後のプロムナードからキエフの大門にかけて、私は舞台にお花畑が見えたんです。花が次々と咲いて無限に広がっていくような(拙い表現ですみません)。

ああ、わかります。
のだめ映画で、チェレスタで千秋と協演できることになったのだめが、花を撒きチラシながらホールへ向かう場面、といったところでしょうか(汗)

>アンコール、みなさん大喜びでしたね。

ぶらぼおでした。

>しっかりゴールトベルクを買ってサインをいただきました。

家が田舎なんで、いつもまっつぐ帰宅です。

わたくしも参りましたー。まいくまさんのおっしゃる通り「流麗」という言葉がずーっと心に浮かんでおりました。展覧会の絵では、最後のプロムナードからキエフの大門にかけて、私は舞台にお花畑が見えたんです。花が次々と咲いて無限に広がっていくような(拙い表現ですみません)。
アンコール、みなさん大喜びでしたね。しっかりゴールトベルクを買ってサインをいただきました。握手までしてくださって。(やっとブレハッチ様中毒から抜けられつつあります)

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