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2010年11月17日 (水)

アンヌ・ケフェレック リサイタル@王子ホール

ラ・フォル・ジュルネですっかりおなじみのアンヌ・ケフェレックのリサイタルを聴いてきました。
ショパン生誕200年記念の企画ですが、バッハ、ヘンデル、ベートーヴェン、ショパン、モーツァルトと盛りだくさんでした。

【前半】

J.S.バッハ/ブゾーニ:
   コラール前奏曲 「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」 BWV659a
J.S.バッハ:
   協奏曲 ニ短調より アダージョ BWV974-2
   (原曲 マルチェッロ:オーボエ協奏曲)
J.S.バッハ/ヘス:
    カンタータ 第147番 「心と口と行いと生活が」より
       コラール“主よ、人の望みの喜びよ” BWV147
ヘンデル/ケンプ:メヌエット ト短調 HWV434
ヘンデル:シャコンヌ ト長調 HMV435
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 Op.27-2 「月光」

【後半】

ショパン:ポロネーズ 変ロ長調 KK IVa-1
     :ポロネーズ 変イ長調 KK IVa-2
     :マズルカ 第8番 変イ長調 Op.7-4 (初稿)
     :ノクターン 第19番 ホ短調 Op.72-1
     :ノクターン 第1番 変ロ短調 Op.9-1
     :3つのマズルカ ト長調、変イ長調、ハ長調 Op.50 
     :スケルツォ 第4番 ホ長調 Op.54

【アンコール】

J.S.バッハ/ブゾーニ:
          コラール前奏曲 「我汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」 BWV639
モーツァルト:
      ピアノ・ソナタ K.331 第3楽章「トルコ行進曲」

      
王子ホールは何度聴いても音がデッドで、ケフェレックの華麗な音質はどうだろうかと思っていました。
基本的にやはり同じで、響きの薄い乾いた音になってしまいます。

しかし、さすがそのあたりはベテランのケフェレック。
最初のコラール前奏曲がややプチプチ気味になったところ、2曲目からはコントロールしてまあまあ響かせてきました。

ヘンデルのメヌエットまでは、昨年のラ・ファオル・ジュルネで聴いたバッハの瞑想シリーズの延長のようで、しっとりと落ち着いて内省的。

バッハ/マルチェッロの協奏曲第2楽章は、グールドの演奏で親しんでいたとても素敵な曲。グールド以外でピアノで聴くのは初めてで、左手はアルペジオではなく、楽譜どおり普通の和音で弾いていました。
美しい。
そんなに難しくないので、ぜひいつか弾いてみたいです。

ヘンデルのシャコンヌは、8小節の短い主題と、20個の変奏からなり、変奏が進むにつれ、だんだん華々しくなります。
ケフェレックの華麗なテクニックの見せ場でした。
ところどころ、バッハのゴールドベルク変奏曲を思わせる曲想がありました。

ベートーヴェン月光ソナタ
かなりテンポを崩すケフェレックですが、さすがにベートーヴェンはインテンポ。ゆっくりした第1楽章は集中し、アタッカで第2楽章へ。第3楽章も基本崩さず、しかし、ノリよく前へ前へ。このあたりの躍動感はケフェレックらしい。音がデッドなので、やや和音の迫力は不足気味でしたが、音楽の細部が明瞭になって、すべての音が見えるようでした。

後半はショパンプログラム。
最初期のポロネーズとマズルカはショパンの若書きの曲ながら、ショパンらしさが現れている。

ノクターンは、やや性急な感じもするのですが、ケフェレックはショパンは華麗に弾くタイプなので、泣けるようには弾きません。

マズルカOp.50は、今年相当聴いたので、曲の表現のしかたの違いがかなりわかるようになってきました。
ケフェレックは、相当リズムをデフォルメ的に強調して、ルバートをかけまくります。
止まりそうになったり、急いだり、2拍子みたいになったり、と。
遊びまくって、ぎりぎりセンスで統一といったところでしょうか。

スケルツォ4番は、いつも名演。
諧謔性、自由闊達、中間部の叙情、申し分なしで楽しめます。

アンコール1曲目は去年2回聴いた18番。
2曲目も去年リサイタルで聴きましたが、今回ちょっと表現を変えてきて、遊びの要素がだいぶありました。

お腹いっぱいのコンサート。

しかしやはり、私はケフェレックは浜離宮、紀尾井、オペラシティの方が合っているのではないかと思います。

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コメント

ユリアヌスさま:

ようこそいらっしゃいませ(^^)

>きらめくようなタッチ(特に高音部)、
>そしてなんといっても、間の取り方が、絶妙です。

センス良いのですよねえ♪
オシャレです。

>アンコールのトルコ行進曲の、メリハリの付け方の粋なこと。
>音が団子にならず、どの音も美しく響いてきます。

自分の記事を読み直して記憶をたどると、確か、かなり変わった
トルコ行進曲だった気がします。
モーツァルト作曲、ケフェレック編とでもいうような。

>彼女の演奏にはパリの薫りがする…

おっしゃる通り(^^)

>王子ホールの響きは、私は気になりませんでした(私にとってはじめての
>王子ホールでしたが)。というより、むしろ彼女のタッチと合っていた
>ように思いました。

王子ホールは、他のホールと比べるとほんとにデッドで乾いた音がすると感じています。
2008年に東京オペラシティ・コンサートホールで聴いた、ケフェレックによるショパンの子守歌は、それはもう天国に連れて行かれるような美しい響きでした。一生忘れません。

>今月は、アンドラーシュ・シフのシューベルトとベートーヴェンを聴きに行きます。

おお、私も行きますよ(^^)
さらに平均律も聴いてしまいます^^;
おそらくベーゼンドルファーを弾くと思われるシューベルトに、とても期待しています。

>今後ともよろしくお願い申し上げます

こちらこそ。

note
はじめまして。
昨年からだいぶ時間が経ちましたが、
この王子ホールにおける、ケフェレックのリサイタルを、
私も聴きました。

ラ・フォルジュルネでは毎年彼女の演奏を聴いてきた私ですが、
このリサイタルの演奏には深い感銘を覚えました。

きらめくようなタッチ(特に高音部)、
そしてなんといっても、間の取り方が、絶妙です。

彼女のCDももれなく聴いていますが、彼女はライブの人だと思います。
ベートーヴェンの月光の第二楽章の揺らめくリズム感、第三楽章の躍動感、
いずれも素晴らしく、しばらくはほかの人の演奏は聴かないでおこうと思ったほど。

アンコールのトルコ行進曲の、メリハリの付け方の粋なこと。
音が団子にならず、どの音も美しく響いてきます。
彼女の演奏にはパリの薫りがする…

王子ホールの響きは、私は気になりませんでした(私にとってはじめての王子ホールでしたが)。というより、むしろ彼女のタッチと合っていたように思いました。
(紀尾井ホールでの彼女のリサイタルを聴き逃していますので、あまり確信はありません)


ヌーブルジェのこと、全く知らないのに、勝手に書き込んで、すみません。
最近ピアノのリサイタルがとても好きになっている小生。

今月は、アンドラーシュ・シフのシューベルトとベートーヴェンを聴きに行きます。

今後ともよろしくお願い申し上げます

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