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2010年10月27日 (水)

何と言われようが素敵だった演奏@ショパンコンクール

いろいろ書きたいことはありますが・・・
自分の中のベスト3のパーフォーマンスを振り返ることにしました。

なぜか入賞者が一人もいない。
ひねくれ者なのか?

アーカイブを観ながら書いていますが、素敵な演奏は聴くほどに思い入れが増して、ますます感動して感極まってしまいます。

【ニコライ・ハジャイノフ@1次予選】

ゆったりと始まるノクターン Op.9-3は、そこはかとない寂しさを感じる。
よく脱力されたタッチから生み出される、ノンレガートの切ない音の粒には心を打たれる。
中間部の暗めの情感。
主題が再現され、活力が与えられるかと思いきや、また寂しさへ回帰する。

エチュードOp.10-1は重量感のある左手の和音の上に、鍵盤に吸い付くような右手のタッチが見事。
大きな大きなエチュード。
10-2はやはり右手が張り付いており、上っ面だけのテクニックになっていない。

幻想曲もまた大きい。
バスの音の迫力といったらヤマハのピアノと思えない。
落ち着いたインテンポの表現から生み出される集中力。

気がついたのが、彼の演奏から感じる寂しさは、ややリズムがもっさり気味なところからきていたということ。
リズム感が悪いと、普通はじれったく感じて良くない演奏に聞こえるものですが、ハジャイノフは、そこが持ち味になるという、不思議な魅力を持った人です。

弱冠18歳にして、晩年のリヒテルのような演奏をするタレントだと感じ入りました。

【レオノーラ・アルメリーニ@2次予選】

アルメリーニの演奏は幸福感にあふれています。

地中海の明るい太陽を思わせる。
柔らかく、厚みがあって暖かい音質。
マズルカやワルツでみせる躍動感があり流麗なリズム感。
爽やかで嫌みのないリリシズム。
このままずっと聴いていたい、という気持ちにさせてくれる。

舟歌が終わった後、フライング拍手が起きたときの、満足そうな笑みが心温まります。

アルメリーニも18歳。
素直で癖がないので、まだまだ伸びしろを感じる才能でした。

【ユーリ・シャドリン@1次予選】

あっと驚くマイ椅子で登場したシャドリンは今年30歳。今回から引き上げられた年齢制限の上限です。
風貌は見ようによっては40歳過ぎにも見えてしまう。

モダンな洗練とはほど遠い。
切れ味も鋭いとは言えない。
テンポもゆったりしている。
エチュードらしくないエチュード
なのに、なぜだか聴き入ってしまう。

舟歌は大きく、しんみりと枯れた叙情がある。
果てゆくショパンの白鳥の歌が聞こえてくる。

涙をさそう演奏でした。

【その他、素晴らしいと感じた演奏】
キム・ダソルのバラード第4番(1次予選)
ダニイル・トリフォノフのノクターン(1次予選)
フランソワ・デュモンのソナタ第3番 第3~第4楽章(3次予選)
パヴァウ・ヴァカレッチのポロネーズ第5番(2次予選)
マルティン・コジャクのスケルツォ第2番(1次予選)
岩崎洵奈のワルツ(2次予選)
ニコライ・ハジャイノフの協奏曲第1番第2楽章(ファイナル)

ヌーブルジェのように、キラキラした演奏が案外ないのにびっくりしました。
いや、キラキラした演奏は、どうしてもヌーブルジェと比較してしまうので、余程でないと凄いと思えなくなっているのかもしれません。

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コメント

まとコメです。

ポゴさま:
そうですね、無駄な動きが多いのは観ていてあまり気持ちの良いものではないですね。
音楽以外の情報が多くて、集中をそがれがちです。
音楽は目でも聴きますから。

rsw250 さま:

ハジャイノフ、何が良いですかねえ。
確かにラフマニノフの前奏曲あたりは凄そうです。
あと、ブラームスの後期の曲とか。
案外、シューベルトの後期のソナタとか。

konami さま:

いらっしゃいませ(^o^)
濃いヌーブルジェファンの方、大歓迎です。
いろいろと情報交換させていただければ嬉しいです。
今後もよろしく

はじめまして!

ジャン・フレデリック・ヌーブルジェのファンのkonamiと申します。

彼のことをリサーチしようとするといつもまいくまさんのページにたどり着きまして、
少し前から楽しみに読ませていただいてます。

そして、まいくまさんがショパコンのニコライ君(こう呼ばせて下さい!)の演奏も素晴らしいと
思ってらっしゃると知り、思わずコメントさせて頂きました。
私もニコライ君の演奏(特に1stステージ)に惚れたひとりです。

もしかしたら演奏家の好みが似ているのかな~なんて。

これからもまいくまさんの文章を楽しみにしております♪

お忙しいところ、毎回の記事の更新お疲れ様です。毎回楽しみにしております。

アルメリーニはテンポ感が本当に優れていますね。特別意識しているようには思えないのに、ごく自然にかかる僅かなルバートが絶妙です。計算してこんな細かなルバートをかけられるものではないですから、天性の素質ですね。もちろんずっと現代的に洗練されていますが、他人が絶対まねできないルバートのかけ方という点では、なんとなくフランソワを意識させます。(もちろん個性は全然正反対ですけどね)

シャドリンの「別れの曲」は、今まで聞いた中で一番いい演奏だったかもしれません。この曲、人気が先行してあまり積極的に聞きたい曲ではないので、これほど楽しんで聞けるとは、という感想です。

ニコライは・・・、やっぱりラフマニノフ聞きたいです。

私も同じく感じたのは、トリフォノフノクターン、ダソルキムのバラード、です。
一つ、日本人に多く見受けられた身体を大きく揺らしての演奏、、なにゆえ、ああなってしまうのでしょう。

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