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2010年10月25日 (月)

ティル・フェルナー リサイタル@トッパンホール

最近では珍しい、無骨ともいえる個性。
逆に面白くなってしまうくらいの無骨路線で終わるかと思いきや、逆転さよなら満塁ホームラン級の結末が待っていました。

【プログラム】

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 Op.109
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 Op.110
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 Op.111

ベートーヴェンソナタ全曲演奏会の最後を飾る、後期三大ソナタの演奏。
フェルナーは昨年聴いた印象と同じで、昨日聴いたブレハッチや我がヌーブルジェのように、昨今の若者に備わる洗練や流麗さ、爽快さとは無縁の、実直で角ばった表現をします。

リズム感はもっさりしているわけではないのですが、モダンとは言えない。非常にアクセントがはっきりしているので、そう、ドイツ語の発音を聴いているようでした。
ある意味、ベートーヴェンらしいと言えばベートーヴェンらしい。

ただ、30番と、31番のソナタは、ベートーヴェンのロマン的雰囲気が多い曲ですから、カクカクとした音楽の流れが必ずしも合っているとは言えなかったかもしれません。
でも、嫌いな演奏ではありませんでした。インテンポで、しっかりした構築性があったと思います。

休憩をはさんで32番のソナタ。
第1楽章、テンポはやや速めながら、落ち着いていて、どんな音を弾いているかがはっきりわかります。
第2楽章、テーマはとてもゆっくりしたテンポ。何やら緊迫感がある。変奏が進むにつれ、自然なテンポアップ。去年ツィメルマンが暴走していた第3変奏は、適度な速度感だったと思います。

そして第4変奏に入り、天国的な高音部のパッセージが始まってからが圧巻でした。
フェルナーの音は決して超美音というわけではないのだけれど、とても神々しくて、しっかりと打鍵されるトリルは、魂にダイレクトに訴えかけてくるものがありました。

第5変奏からコーダにかけてももの凄い集中が持続し、息を殺して聴き入ってしまいました。

ここまでの無骨な表現は、この第2楽章を昇天させるための布石だったのでしょうか。

大変な演奏を体験してしまいました。
手が痛くなるほど拍手しました。
満足です。

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コメント

Bettinaさま:

ドイツ・オーストリア系の若いピアニストが少ない中、活躍を期待したいピアニストですね!

まいくま様

今晩FMで放送していましたね。深々としていて、慈しむように弾いていて…三曲とも素晴らしかったです!思わず涙してしまいました。
その後のフランス組曲も音が美しく、心が洗われるようでした…いいピアニストですね。今度来日したら是非聴きます。
BachとBeethoven, いつ聴いても心打たれます。

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