ショパンコンクール 2次予選結果 ~ 審査員の基準がわかった
日本人全滅。
あるとは思っていましたが、無残です。
完成度が高かった片田さんですが、個性豊かな外国人たちの前に一蹴されてしまいました。
良い音楽を聴かせてくれた岩崎さんは、技術不足でやはりだめでした。残念です。
日本人すべてに言えたのが、自己の芯のなさ、大きな音楽のつかみ方だったでしょうか。
あと、精神の幼さを感じてしまいます。
キム・ダソルが落ちたのは、完全に予想外でした。
演奏は不調そうで、致命的なミスが多かった。
1次はともかく、2次ではコンサートピアニストとして必要な最低のテクニックをみたのでしょう。
ソナタとコンチェルトを弾かせてあげたかったです。
テクニカルにすぐれているけれども、「クラシカル」という観点からはどうかと思うアメリカの3人、中国の2人が通過しました。
また、やはり技術はあるものの、テンポをやたら伸び縮みさせたゲニューシャスも通りました。
技術がしっかりしていて、強打の程度が許容範囲のコンテスタントは、多少個性が強すぎても、解釈にかかわらず通った。
逆に、音楽性や構成力がいくら良くても、プロのコンサートピアニストとしての基本的な技術を見せられなかった人は落ちてしまった。
また、うまく弾けていても、自己を表現できない人は通れない。
そのあたりに、今回の現役コンサートピアニストが多い審査員たちの基準が見えたような気がします。
2次を聴けた人が26人。
うち○×をある程度判断できた人が20人。17人は当たりました。
【2次通過確実:入賞も確実と思われた人】
ミロスラフ・クリティシェフ(ロシア、1985年生) ◯
レオノーラ・アルメリーニ(イタリア、1992年生) ◯
キム・ダソル(韓国、1989年生) ×
ニコライ・ホジャイノフ(ロシア、1992年生) ◯
3人/4人
キムは本当に残念でした。
【2次通過確実:本戦出場も確実と思われた人】
ダニイル・トリフォノフ(ロシア、1991年生) ◯
エフゲニ・ボジャノフ(ブルガリア、1984年生) ◯
フランソワ・デュモン(フランス、1985年生) ◯
3人/3人
【2次通過確実:その他】
パヴェウ・ヴァカレシー(ポーランド、1987年生) ◯
レオナルド・ギルバート(カナダ、1990年生) ×
イレーネ・ヴェネツィアーノ(イタリア、1985年) ◯
2人/3人
【2次通過は難しいと思われた人】
ソ・ヒョンミン(韓国、1990年生) ×
永野光太郎(日本、1988年生) ×
フー・チンユン(台湾、1982年生) ×
大崎結真(日本、1981年生) ×
ギョーム・マッソン(フランス) ×
ジアイー・スン(中国、1989年生) ×
渡辺友理(日本、1988年生) ×
岩崎洵奈(日本、1984年生) ×
イリヤ・ラシュコフスキー(ロシア、1984年生) ×
ルーカス・ゲニューシャス(ロシア・リトアニア 1990年生) ◯
9人/10人
ダメと感じた人は、なんでこんなに当たってしまうのでしょうか。
ゲニューシャスは恣意性が嫌だったので、好みは関係ない、ということですね。
【2次通過ボーダーと思われた人】
ホー・ポンチョン(中国、1988年生) ×
片田愛理(日本、1992年) ×
トン・フェイ・フェイ(中国、1990年) ◯
クレア・フアンチ(USA、1990年生) ◯
チャン・ワイチン・レイチェル(中国、1991年生) ◯
通過3 落選2
冷静に考えれば
フェイ・フェイ、フアンチ、レイチェルも個人的趣味では×ですが、テクニック的には通るかなとは感じていました。
片田さんは他の人の出来次第と思っていたので、届かなかったのでしょう。
【番外:判断不能】
ユーリ・シャドリン(ロシア) ◯
コンクール規格外の演奏ながら、テクニックはそこそこあるし、音楽性は十分なので、通してくれたのでしょう。
アメリカ人、中国人が通った逆パターンといえます。
本当に今回の審査員は柔軟です。
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コメント
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まーちゃん♪さま:
コメントありがとうございましたm(_ _)m
セミファイナルの結果は明日の朝のようです。
フアンチさんは、3次はまだ少ししか見ていませんが、第2ソナタを聴くかぎり、訴えるものは少ないように感じています。
たくさんコンクールに出ているし、消耗してしまっているのかもしれません。
セミファイナルを聴いて感じたのは、若い子たちの出来が意外と悪く、ベテラン(と言っては変ですが)勢がなかなか素晴らしい音楽を聴かせてくれたということです。
ライブでは聴けませんが、アーカイブへのアップスピードが早くなってきたので、コンチェルトもある程度楽しめるかもしれませんね(^^)
投稿: まいくま | 2010年10月16日 (土) 22時33分
はじめまして、私もショパンコンクールを楽しんでおります!
セミファイの結果はまだ出ていないのでしょうか・・・私はクレア・フアンチを浜松から応援しておりましたが、今回バラ4や幻想ポロを聴いて、ファイナル進出はいかがなものだろう・・・と。
あんなにテクニックも音楽性もある子が年々コンクールを受ける度に精彩を欠くようになってきたように思えます。
あと、日韓全滅はある意味妥当な審査が行われたということ。日本人を観ていると、厳しい意見ではありますが、日本で名が売れていてもショパンコンクールに出るのも恥ずかしかったような方が多かった。音楽性以前の問題。
今回は欧米、そして露西亜勢の復活はとてもうれしく思います!
そうですね、マイクマさんのおっしゃるとおり、ショパンコンクールで入賞したからには世界中で演奏会を行わなくてはならないのですから、テクニックは勿論、名に恥じないような1時間2時間の集中力、体力、逸脱していないカッコたる個性が必要で、今回の審査員もそれを一番に求めた結果だと思います。
セミファイからはどんぐりの背比べだったように思えますが、あとはどなたに「スター性」を感じるか、、、でしょうね。
これからも楽しみに視聴したいと思います!
投稿: まーちゃん♪ | 2010年10月16日 (土) 12時58分