ヌーブルジェ&大阪フィル コンサート@ザ・シンフォニーフォール 1
クリスタルな音による、ピュアな美意識の表出。まだ若干23歳(12月生まれです)の若者になぜここまで心を揺り動かされるのでしょうか。
大阪フィルハーモニー交響楽団
指揮: 大植英次
ピアノ:ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ
【プログラム】
ブラームス/ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 作品15
アンコール:
ブラームス/6つの小品 op.118-2 間奏曲
ブラームス/交響曲 第1番 ハ短調 作品68
いささか不謹慎ですが、今日一番感動してしまったのはアンコールの間奏曲でした。主題が戻ってきたあたりから、もう堪えきれずに周囲もはばからず、泣いてしまいました。
ヌーブルジェの作りかたは、相変わらずインテンポで、右手の旋律も長さをほとんど揺らさずに弾く。グールドなどがロマンティックに揺らめくのと違い、たんたんと音楽が進んでいく。
だのに、そこにはほのかな詩情が垣間見える。一瞬の、ごくわずかな、静寂。
ブラームスの晩年の演奏姿と言われる肖像があります。薄暗い部屋で、ごく内輪の、少数の者だけに、語りかけるように弾く姿。
大きなホールなのに、ヌーブルジェの音楽は、夾雑物を捨て去り、ただ音楽として、空間を隔て、インティメイトに心に響いてくる。
しばし放心状態で、拍手することもできませんでした。
わざわざ横浜から時間とお金を費やして聴きに来た甲斐があったというものです。
続く
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コメント
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おんぷ☆さま
そうですか、遠征されたのですか!
あの間奏曲はしっかり心に刻まれたので、一生のお宝です。
コンチェルトも得意そうだし良いけれど、私はやはりソロをもっと聴きたいです。
もう、心は来年の来日リサイタルです。
投稿: まいくま | 2010年7月 3日 (土) 09時09分
さっそくの記事のUPありがとうございます。
所沢でのコンサートを聴いた後、ヌーブルジェさんの演奏が来年まで聴けないと思うといてもたってもいられず、旅行もかねて、私も今日大阪まで聴きにきてしまいました。。!
おっかけ気分になってしまい、ここまでおったのは初だったために、嬉しいけれど、少し恥ずかしい気分になってました(^_^;)
本当に素晴らしかったですよね。
泣いてしまうの分かります。
私も涙腺をやられました。
この人のピアノが聴けて幸せだと、今日あらためてしみじみ感じました。
私も関東に住んでいるので、遠いながら大阪まで来たかいがありました!
投稿: おんぷ☆ | 2010年7月 3日 (土) 00時00分