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2010年5月 4日 (火)

アンドレイ・コロベイニコフ コンサート@ラ・フォル・ジュルネ#278

昨日颯爽としたショパンの第1協奏曲を聴かせてくれたコロベイニコフの今日はソロリサイタルです。
G409という会議室で、雰囲気はほとんどサロンです。

ショパン:マズルカ 変ロ短調 op.24-4
ショパン:マズルカ ロ短調 op.30-2
ショパン:マズルカ 変ニ長調 op.30-3
ショパン:マズルカ ロ短調 op.33-4
ショパン:幻想即興曲 嬰ハ短調 op.66
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 op.35「葬送」

昨日のアンコールでマズルカを聴いて、今日のコンサートは期待していました。そして、期待どおりでした。

コロベイニコフとちょうど正対する位置の1列目で、距離は4メートルもなく、ピアノの中から音が聞こえてきました。
コロベイニコフの音は粒がそろい、一点の曇りもなく、ディナーミクの変化に富んでおり、マズルカのリズム感もよく、ペダリングも絶妙
感心することしきりです。

幻想即興曲は、これまでに幾度となく、プロ、アマの演奏を聴いてきました。
コロベイニコフの演奏は、過去聴いた中でも最高レベルです。
とかく、ペダルの響きの中に音が埋もれて、「曖昧幻想即興曲」になりがちなものですが、コロベイニコフの手にかかると、一点の曖昧さがなく、それでいて十分即興的に聞こえるのだから不思議です。

そして、コンサートの白眉がソナタ第2番でした。

ナントのラ・フォル・ジュルネのウェブラジオ番組ですでに聴いていて、アプローチの仕方はわかっていました。
しかしです、ライブを至近距離で聴いて、今度は良い意味で打ちのめされました。
第1楽章、第2楽章は、まず全体にスピード感があること。フォルテの迫力が尋常ではないこと。激しい部分と優しい部分のテンポやディナーミクの対比が見事なこと。ここまでで十分感銘を受けました。
問題は第3楽章の葬送行進曲。
聴き知ったとおり、超スローなテンポ。
しかし、同じ遅いといっても、先ほどのポゴレリッチのように音楽を解体してしまうような遅さではなく、伝統的な解釈の延長線上にある遅さ。
行進が進むにつれ、爆発的な大音量に。
そして、トリオ。
これも遅い。一音、一音を、十分脱力され、宇宙に響き渡るような美しい音で、噛みしめるように奏でる。
最後のトリオ主題の再現で、音量がピアニシモに落とされ、そこでいよいよ感極まってしまいました。
葬送行進曲の再現。いったんまた大音量に盛り上がったあと、行進が後ろを向いたところで音量をがっくり落とす。
最後は死んだように終わり、アタッカで第4楽章。
これが今度は超高速。
しかし、やはり響きの中に埋もれさせないで、粒立ちのニュアンスでほのかな旋律を醸し出す。
ためにためたフィナーレの和音。
圧巻。
身体がしびれて拍手もできませんでした。

コロベイニコフ。やはりただ者ではありません。

あんなサロン風の至近距離で超一流の演奏を聴けるからこその、貴重な体験でしょう。
一昔前だったらあり得ない。
ラ・フォル・ジュルネ万歳。

それにしても、ポゴレリッチでショパンの常識を崩されて打ちのめされ、コロベイニコフに葬送行進曲で心を深く揺さぶられて身体がしびれ、このままでは寝られそうにないところでした。

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