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2010年4月26日 (月)

ユンディ・リ ピアノ・リサイタル@横浜みなとみらいホール(その2)

【前記事からの続き】

アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズは、ショパンがフランスに出て、自らよく演奏した曲とのことです。
演奏効果が高く、ポロネーズでポーランドをアピールしたかったのだ、と、以前山本貴史のレクチャーコンサートで習いました。

アンダンテ・スピアナートはともかく、ポロネーズの方は音楽的にはやや大味で、しかも演奏効果狙いで技巧がくどすぎるきらいがあり、以前はあまり好きな曲ではありませんでした

しかし、ヌーブルジェのアルバムでの演奏を聴いて、その悪い印象は払拭。一気に好きになってしまいました。優れた演奏家が弾けば、素晴らしい音楽になるのがわかりました。

ユンディ・リの演奏もまた素晴らしいものでした。特にアンダンテ・スピアナートが良かった。インテンポで全く端正を崩さないヌーブルジェと違い、もう少し自由に、柔和に音楽を作っていました。そして、右手と左手のバランスが素晴らしい。左手はあくまで伴奏に徹し、決してでしゃばりません。
ポロネーズはリズムにあふれ、決して前のめりにならず、引き締まったものでした。

後半はまずマズルカから。
中期の名作群。
ショパンの中で、マズルカだけはあまり親しんでこなかったものの、やはりここ数年、ライブに行く回数が増えたのと相まって、聴く機会が増えてきました。
だんだん良さがわかってきました。
ただ、CDでホロヴィッツの奔放な演奏などを聴き親しんでいると、どうも現代のモダンなピアニストのマズルカは「らしくない」ように、ずっと感じていました。

この日のユンディ・リの演奏は、ホロヴィッツ級に楽しいものでした
微妙に崩す左手のリズム、右手もかなり奔放で予測しずらい。
左右のバランスは絶妙。
そして、ノクターンと同じく、一つ一つの音にまったく無駄がない。
これまたエクサレント!

メインと言って良い第2ソナタ
ここでユンディ・リは、それまでの知的にコントロールされた演奏から一転、パッションを前面に押し出してきました。
快速なテンポ、豪快なフォルテシモ。
しかし、彼の良さが出るのは、やはり静かな部分。
第1楽章だと第2主題、第2、3楽章だと中間部のトリオなど。
特に葬送行進曲のトリオの緊張感のあるピアニシモによる再現など、鳥肌ものでした。
第4楽章は、葬送行進曲の最終和音が終わるか終わらないかのうちに、アタッカで始まりました。
不協和音のような疾風の中にも、聴かせたいメロディーがほのかな旋律となって現れている。
素晴らしいものでした。

最後の英雄ポロネーズ
こちらもソナタの延長で、かなりアグレッシブな演奏でした。
中間部のオクターブの連打による行進曲風の部分などは上手だし、それから続く緩徐部分もさすが。
ただ、メインメロディーは若干空回り的で、いくつか技術的な問題もあったりし、また怒濤のコーダもやや余裕がないような気がしました。

全体を通じると、デリケートな音を奏でる彼は間違いなく超一流のステージにおり、ヴィルティオジティが要求される部分は、普通に一流だったなあ、という感じでした。

【さらに続く】

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