クリスティアン・ベズイデンホウト リサイタル@王子ホール
実はひそかに日本一早いコンサート感想アップをいつもねらっているのですが、ベズイデンホウトのリサイタルについては、仕事が忙しかったりラ・フォル・ジュルネの話題があったりなどで、棚上げになってしまっていました。
2月24日(水)に王子ホールでフォルテピアノによるリサイタルを聴いてきまいした。
ただし、前半遅刻したので聴けたのは後半のみです。
オール・モーツァルト・プログラム
【前半】
ピアノ・ソナタ 第18番 ヘ長調K533/494
幻想曲 ハ短調 K475
【後半】
ピアノ・ソナタ 第16番 変ロ長調 K570
「われら愚かな民の思うは」による10の変奏曲 ト長調 K455
(グルックのオペラ「メッカの巡礼」より)
【アンコール】
ピアノ・ソナタ 第10番 ハ長調 K330 第2楽章
第3楽章
クリスティアン・ベズイデンホウトは1979年南アフリカ生まれということですから、まだ31歳くらいのはずですが、結構おじさんに見えました。とても大きな人です。
2007年になんでもアンドレアス・シュタイアー(ぶっとびフォルテ・ピアノ弾くアーティスト)の代役で注目を浴びたとか。
フォルテ・ピアノはWALTERモデルで2002年チェコで制作の復元版。(たしか東京文化会館での菊池洋子のコンサートも同じだったような)
王子ホールくらいの大きさだと、フォルテ・ピアノでも十分聞こえました。
後半聴けたプログラムは、あまりなじみがないし、少し時間が経ってしまったので、残念ながらあまり思い出せません。
むしろ、アンコールのK330は、よーく知っている、というか一応ざっと弾けるので、楽譜が頭にはいっており、アプローチがよくわかりました。
シュタイアーほどではないけれど、第2楽章の繰り返しにはいると、相当装飾をいれます。主題の再現部分も戻らない。
たぶん、モダンピアノでやったらいやらしくなりそうな装飾も、フォルテ・ピアノだと適度に華麗になって良い感じです。
モーツァルトの時代は、きっとこんな風に自由に即興的に弾いていたのだろうなあ、と想像します。
1曲だけの予定だったのが、拍手に応えて、第3楽章も弾いてくれました。
こちらも流動感にあふれ、でいかにもモーツァルトらしい遊び心満載の楽しい演奏でした。
モーツァルトに対するアプローチは、エレガントであったり、ソフトであったり、なめるようであったり、寂しかったり、快活であったりといろいろあります。
中には、”遊び”を表現するアーティストもいます。
ファジル・サイなどがそうだと思います。
そういうモーツァルトはまことに楽しいものがあります。
ベズイデンホウトのモーツァルトもそういうタイプで、聴きおわって、つい顔がほころんでしまうような演奏でした。
こういう弾き方もたまにはしてみたいです。
モーツァルトのソナタには、明らかに、おしゃべりの様子が書かれていると思います。
歌をうたっているように弾かないと感じが出ない気がしますね。
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