シューマン:ピアノ協奏曲を予習
ラ・フォル・ジュルネでのヌーブルジェを100%堪能するために、そろそろ予習開始です。
シューマンの協奏曲は、若い頃結構聴きましたが、ずいぶんご無沙汰していました。CDもなく、なんとLPがどこかで埃をかぶっています。
リヒテルともう一枚誰だかのを持っていたはずですが、忘れました。
1978年のアルゲリッチ&ナショナル交響楽団(ロストロビーヴィッチ)のCDを昨日入手して、今日聴いてみました。
懐かしい懐かしい。
久々だったせいか、とても新鮮でした。
良い曲です。
第1楽章冒頭の激しい付点リズムの入り。
続くオーボエの超甘い主題旋律。
それを受けて同じ旋律でピアノが優しく登場。
ピアノの伴奏に乗せてオーケストラの流れるような演奏。
その後シューマンらしく、さまざまなエピソードが続くも、冒頭のオーボエによる主題でかなり統一されている。
提示部の終わりは行進曲風の曲想。
展開部では、主題をさらに優しく甘くアレンジして美しい。
その後冒頭の激しい上下オクターブ和音の展開。
経過部を経て、オーボエによる主題旋律が戻る。
再現部は提示部と同じような経過をたどり、わかりやすい。
カデンツァはシューマン自身の作り付け。実に華麗。
終結は木管による執拗な主題の繰り返しにピアノは伴奏的に動き、パッと終了。
第2楽章(間奏曲)、つぶやくような4つの上昇音でピアノとオケの呼びかけあい。
オーケストラによる、ロマンティックで優しいメロディーが提示される。
木管で転調され、ピアノが絡み合う。
美しいです。
その後また、つぶやきあい。
第1楽章の主題が挟まり、間をおかずに第3楽章。
3拍子の付点リズムによるのりやすい主題。
途中、ピアノの上昇アルペジオによる勇壮なパッセージが印象的。
オーケストラの対位法的な展開もあり。
付点リズムの主題が、繰り返し出現し、統一感があってこれもやはりわかりやすい。
終結に向けた盛り上がりも申し分ない。
また、アルゲリッチの演奏の素晴らしいことと言ったら!
「天馬空を行く」とはまさにこのような演奏のことです。
切れ味抜群、情熱ほとばしる熱演。
やや先走ってオケが置かれていってしまう部分が散見するのはご愛敬。
しばらく聴かないうちに、甘ったるい感じの曲だったような印象が残っていましたが、アルゲリッチの演奏を聴くと、どうしてなかなか、甘い旋律も多いけれど、リスト的なテクニカルな部分の多い曲ではないですか。
これはヌーブルジェの特質を発揮できそうです。
クリアな音質と、抜群のテクニシャンであることはアルゲリッチとヌーブルジェは似ています。
ただ、情熱に身を任せるアルゲリッチと、理性で情熱をコントロールするヌーブルジェとでは、アプローチの仕方は全く違うと思います。
ヌーブルジェがどんな演奏を見せてくれるか、今から想像するだけで楽しいです。
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