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2010年2月10日 (水)

アンナ・ヴィニツカヤ ピアノリサイタル@日経ホール

ロシア生まれの26歳。2007年に世界の3大ピアノ・コンクールのひとつ、エリザベート王妃国際ピアノ・コンクールで優勝したアンナ・ヴィニツカヤのリサイタルを聴いてきました。

そのエリザベートで2位だったのが、ラ・フォル・ジュルネで活躍し、去年リサイタルを聴いて気に入ったプラメナ・マンゴーヴァです。果たして優勝したヴィニツカヤはどうなのか、興味津々でした。

【前半】
J.S.バッハ:パルティータ 第6番 ホ短調 BWV830
ラヴェル:ソナチネ

【後半】
ムソルグスキー:展覧会の絵

【アンコール】
ドビュッシー:「映像」第1集から「運動」

前半はオシャレ感が要求される曲、後半は激しさや暗さ満杯の曲。
ヴィニツカヤのスタイルは後半のプログラムにドンピシャでした。

最初のバッハ、かなりしっかりしたタッチで、ぐいぐい進む。
タッチは軽やかではなく、強靭。
弾きだしてすぐ、この人はエレガント系というよりは、テクニカル系だなと感じました。

あまり良い響きの雰囲気が出ないホールのせいもあってか、強打する音がやや雑に聞こえ、バッハについてはやや物足りなかったでしょうか。もっとも、クーラントなど技巧的な部分になると、俄然、生き生きしてリズム感も良かった。
ジーグはもっと暴れてもよかった気がする。なぜかジーグだけリピートなしでした。

ラヴェルでは少しタッチを柔らかめにしてきましたが、ゆっくり聞かせるところより、やはり力強くテクニックでぐいぐい押すところの方が上手です。

最近、エレガントでデリケートでディテールの作りこみの深い演奏家をたくさん聴いてきたので、ヴィニツカヤはそういう演奏家とはちょっと違う特徴をもっていると思いました。
そして、前半のプログラムについては、その特徴があまりそぐわないかな、というのが正直なところでした。

それに対して、後半の「展覧会の絵」は壮絶でした。
ムソルグスキーの振幅の激しい音楽を、恐るべき集中力で見事に演奏しきった。彫りの深い顔立ちでそもそも目に影ができるのうえに、激しい曲想に向かい合っているときの表情は凄みがあって、ちょっと怖いくらいでした。

特にすごかったのが、その強靭なタッチと音量と低音部の迫力。そして、同じロシア生まれのメジューエワに通じるような、深い情念のようなもの。

やはり「ロシア人」と思わせる演奏でした。

高音部の細かいパッセージについても、決して軽やかでなく、太め強めのかなりアクの強いものでした。

「展覧会の絵」は相当得意なのだろうな。

アンコールのドビュッシーのテクニカルなところが、また彼女にはピッタリ。

前半を聴いたときは、なぜ、あの音楽的にすばらしいマンゴーヴァがヴィニツカヤに敗れたのかわからなかったのですが、後半を聴いて納得。
マンゴーヴァとは間逆の特徴を出して勝ったのだということがわかりました。
でも、審査はもめただろうなぁ、と思います。正反対の個性を持つ名手2人。好みも分かれただろうと想像してしまいました。

今の私の好みからいうと、マンゴーヴァですかね。
今日の「展覧会の絵」のような演奏も面白いし、嫌いではないですが、「クラシカル」という面からすると。

でも十分アバンギャルドなヌーブルジェには夢中なのですから、いい加減なものです。

※6時半開演というのは、勤め人には辛いです。

※日経ホールは音は出るのだけれど、なんだか雰囲気に乏しいです。音楽専用ホールではないのでしかたないとはいえ。

※ヴィニツカヤは舞台上ではとても堂々と大きく見えたのが、サイン会で見た姿はそれほど大きくなく、むしろ後ろ姿などは華奢なくらいで、意外でした。

※ファンケルがスポンサーで、休憩時間に無料でお茶が飲めました。

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