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2010年1月29日 (金)

ティル・フェルナー リサイタル@トッパンホール

19世紀以後のヨーロッパクラッシック音楽の本場、ウィーン生まれ(1972年)のピアニスト。
アルフレッド・ブレンデルらに師事。
1993年クララ・ハスキル国際ピアノコンクールに優勝。

ドイツ・オーストリア系の若手のピアニストは案外いないのですよね。
かつての巨匠たち、バックハウス、ケンプ、ブレンデル、バドゥラ・スコダ、グルダらに続く世代が。

ティル・フェルナーは若手のホープなのかもしれません。
ベートヴェン・ピアノソナタ全曲演奏会の第5回目を聴いてきました。
昨日2010年1月28日(木)の19時から、飯田橋のトッパンホールにて。
今回初めてでした。

オール・ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ
【前半】
第12番 変イ長調 Op.26
第13番 変ホ長調 Op.27-1
第14番 嬰ハ短調 Op.27-2 《月光》
【後半】
第22番 ヘ長調 Op.54
第21番 ハ長調 Op.53 《ワルトシュタイン》

アンコールはなし。

出だしの12番、13番はそれほどたくさん聴いている曲ではないので、まだ特徴を完全にはつかめませんでした。
とにかく、真面目なこと、ひたすらメトロノームにあわせたようなインテンポであること。
正統派!という感じです。

ピアノはスタンウェイでしたが、キンキンならさず、やや太めでソフトな音を出していました。
だいぶ座り位置が後ろのポジションで腕はほぼまっすぐ45度におろして弾きます。ブラームスの肖像にある感じですね。

Images1

12番の葬送行進曲は、やや早めにテンポをとって、タン、タン、タンとリズムを刻み続けます。案外くせになりそうな表現です。

いよいよ特徴がはっきりわかってきたのが《月光》ソナタからです。
第1楽章、止まってしまいそうな大変遅いテンポ。
右手の分散和音を、あえて、1音1音確かめるように弾きます。
普通は、ティララ、ティララ、ティララ、ティララ、と弾くところを、ティン、ラン、ラン、ティン、ラン、ランと弾くのです。
ともすると、フレーズの流れが切断されるそうな、ぎりぎりのところで弾いている感じで、たぶん、リズムの方を強調したかったのだと思います。
それにしても遅くて、音楽の集中がとぎれそうなぎりぎり危ういスピードだった気がします。

普通は爆発する第3楽章も、テンポは抑え気味で、相変わらずインテンポを崩さず、リズムをタラタ、タラタタ、タラタタ、タラタタ、タラタタ、タラタタ、タラタタ、タッタッ、と刻む。
爆発はしない。アゴーギクもごくわずか。
なかなかユニークでした。

後半の22番。
あまり演奏されることのない曲で、私も生は初めてでした。
動機が執拗に繰り返されるのでしつこく、CDで聴くと、なかなか最後まで集中して聴けないものです。
今日、初めて最初から最後まできっちり聴いたかもしれません。
フェルナーの演奏は爽快なリズム感で、飽きさせずに聴かせてもらえました。
悪い曲ではないと思いました。

さて、とりの《ワルトシュタイン》
ここまで聴いて、特徴がつかめたので、予想ができました。
ズン、タ、タ、タ、タ、タ、タ、タ、タ、タ、タ、タ、タ、タ、タ、タ、ター、リララ。
てな感じで、刻み刻み演奏するのかと。
基本的にはそういう演奏でしたが、さすがに、少しロマン性を加味した感じにはなっていたように思います。
アゴーギクもその前までの曲よりはとっている。
しかし、第3楽章のロンド主題のつなぎの中間部分の弾き方は、無骨なくらいのテンポ感で刻みました。
この曲はどちらかというと早めのテンポでテクニカルに華麗に弾くピアニストが多いと思いますが、フェルナーは落ち着いたテンポでそのテンポの刻み感を前面に押し出す弾き方をしました。
なかなかユニークで、これまで聴いてきた若手のピアニストたちとは、どうも毛色が違います。

やはり、まじめなブレンデル先生の影響などが大きいのでしょうか。

華麗だったり、流麗だったり、きらびやかだったり、デリケートだったりという演奏が多いなか、がっしり無骨なくらいまっすぐ弾くというのも、一つのあり方なのですね。
とにかく、新鮮でした。

※トッパンホールはアクセスが良くないです。行くのが大変。

※音響はまあまあ。もっと響くかなと思ったけれど、それほどでもなかった。フェルナーの音質にもよるでしょうが。
あまり美音を響かせる、というタイプではなかったです。

※ワルトシュタインの第3楽章コーダ、オクダーブグリッサンドは見られませんでした。両手弾きでした。

※華麗なワルトシュタインをヌーブルジェで聴いてみたいです。

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