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2009年11月30日 (月)

イリーナ・メジューエワ レクチャーコンサート@新宿朝日カルチャーセンター

今年メジューエワを聴くのはこれで4回目となりました。
朝日カルチャーセンターでのベートーヴェン全曲演奏会の最後でした。(11/28)
華奢な身体とフランス人形のようなクリッとした目。
その外見からは想像できない、骨太でがっしりしたベートーヴェンを弾きます。
いったい、どういう生活を送ってくると、あのような逞しくもストイックな表現ができるようになるのでしょうか。

今回はベートーヴェン・ソナタの最後を飾る3曲が弾かれました。

【前半】
1 ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 Op.109
2 ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 Op.110

【後半】
ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 Op.111

前半と後半、それぞれ演奏の前にレクチャーがありました。
変奏曲と対位法が使われている。
速度指定が細やか。
四分音符~八分音符~十六分音符~三二分音符~トリルへとなる構造。
急進的なフレーズが、突然コラール風に変わる。
珍しいソプラノとバスだけでの表現。
第3楽章が一番長く重要。
などなど、いろいろ楽譜から読み取れることを教えてもらいました。

演奏はそれはまた誠実かつ直球的なものでした。前回は一番前の席で、ダイレクト音をもろにかぶってしまって心臓に悪かったので、今回は一番後ろの席で聴いてみました。
後ろの方が、余裕を持って聴ける気がします。響きも十分とはいえないまでも、そこそこでした。

30番は、前日に内田光子の感動的名演を聴いて10時間も経っていない時でしたので、さすがに内田光子のインパクトが残ったまま聴いてしまい、なんだか集中できませんでした。デリケートだった内田に比べるとメジューエワは出だしからきっちり音を鳴らし、男性的表現でした。

31番は先日山本貴志が弾きました。去年ピリスでも聴きました。
メジューエワは変わらずカチッとベートーヴェンらしく弾いていきます。なよなよしない。
圧巻だったのは第3楽章。
ややゆっくり目のテンポ。確かめるように、かみしめるように、音楽がすすんでいきます。最初の嘆きの歌。沈潜した感じ。フーガはまずは普通のテンポでだんだん劇的に盛り上げる。再び嘆きの歌。さらに沈鬱に。和音の連打クレッシェンド。重く沈むよう。
2度目のフーガ。
遅い!死んでしまいそうに遅い!私の好きなアプローチ。
そして、コーダに向かって徐々にアッチェランド。
怒濤のコーダ。
ブッ、ブラーボ!

32番も凄かった。
今年はツィメルマン、山本貴志で聴いています。
第1楽章は、さすがにツィメルマン渾身の大音量までにはいきませんが、実に骨太。スピード違反気味だったツィメルマン(山本貴志も相当早かった)と違い、対位法による経過部分は焦らずじっくり聴かせる感じ。時折、ハッと立ち止まって驚かせる。
第2楽章の第3変奏。ツィメルマンが超スピード違反で、やや違和感を覚えたものです。メジューエワはぐっと落ち着きながらも強烈な推進力をアピールし、インパクトは絶大。第4変奏以後終結までの昇天的トリルの世界は、さすがにツィメルマンのあの恐るべきデリカシーには及ばないものの十分音楽的で、驚異的な集中力に釘付けになりました。。
音響的にも、あの貧弱なカルチャーセンターの教室でも十分ステキに響きました。

メジューエワのベートーヴェンはぜひとも響きの良い音楽専用ホールで聴いてみたいです。
ヤマハの小さなピアノとカルチャーセンターの教室という悪条件下であのインパクト。
きっと凄いことになると感じました。

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