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2009年11月 8日 (日)

菊池洋子レクチャー・コンサート@東京文化会館小ホール

東京文化会館の「作曲家の挑戦」シリーズの3回目として、「ピアノ300年の旅」というレクチャー・コンサートに行ってきました(11/6(金))
ナビゲーター&演奏は、菊池洋子です。

ピアノの歴史ということで、モーツァルトをフォルテ・ピアノとモダン・ピアノで弾き分けるという趣向でした。

フォルテ・ピアノはウィーンでモーツァルト~ベートーヴェンの頃に製作されたもの(どうしても名前を思い出せません、調べるとアントン・ワルターあたりだとは思うのですが)を2002年に複製したもの。

モーツァルトの手紙によく出てくるシュタインのフォルテ・ピアノより少し後のものらしく、シュタインのものより音量はだいぶ増したものだそうです。
モダン・ピアノはスタンウェイでした。

【前半】
モーツァルト:ロンド ニ長調 KV.485
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第1番 ハ長調 KV.279
ウェーベルン:ピアノのための変奏曲 op.27 
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第9番 ニ長調 KV.311 第2楽章
       ファルテ・ピアノとモダン・ピアノで
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第5番 ト長調 KV.283

【後半】
モーツァルト:ロンド イ短調 KV.511
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第15番 ハ長調 KV.545
シェーンベルク:6つの小さなピアノ曲 op.19
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番 イ短調 KV.310

【アンコール】
モーツァルト:グラスハーモニカのためのアダージョKV.356
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第16番 変ロ長調 K.570より第3楽章

前半は、フォルテ・ピアノとモダン・ピアノが並んで置いてあり、ロンドと1番ソナタと9番ソナタと5番ソナタはフォルテ・ピアノで、ウェーベルンと9番ソナタをモダン・ピアノで弾き分けました。

フォルテ・ピアノのの生演奏は初めてでした。
アンデレアス・シュタイアーのCDによりモーツァルト演奏は聴いていて(相当変わっています)、案外鳴るものだなと思っていましたが、生で聴くフォルテ・ピアノは、それはそれはか弱く可愛らしい音しか出ません。
ただし、チェンバロよりはまだ出ます。

プログラムが進むにつれ、だんだん耳は慣れてきました。
なるほど、モーツァルトを聴く分には、違和感はありません。
ああいう音を200年前の人々は聴いていたのだなぁと思うと感無量です。
もっとも、モーツァルトをあればかりで聴いていると、だんだん同じ雰囲気になってきてしまうきらいはあります。

ウェーベルンは完全な12音技法による曲で、正直、私には何が良いのかわかりません(-_-;)

ウェーベルンの後、当初の予定にはなかった、9番ソナタの第2楽章を弾き比べてくれるというサービスぶりでした。
うーん、私はやはりモダン・ピアノの方が良いかな。

後半は、フォルテ・ピアノはいつの間にか片づけられ、モダン・ピアノによる演奏でした。
実は、今日の曲のうち、ロンドの2曲、ソナタ1番、5番、8番は、今年の金沢のラ・フォル・ジュルネで、ヌーブルジェが弾いた曲とかぶっているのです
後半はモダン・ピアノによる演奏だっただけに、ヌーブルジェを思い出しながら聴きました。

菊池洋子のモーツァルトは、あまりなよなよとしておらず、しっかりとしたタッチで、焦らず落ち着いて奏でられます。
ヌーブルジェが、デリケートなタッチで弾いたのとは、随分違います。
ロンドイ短調も、晩年の少し寂しい感じの曲ですが、菊池洋子は少し元気だったかもしれません。

15番ハ長調ソナタは、ソナチネアルバムで有名な曲。
私でも何とかなぞるだけなら弾けます。
さすが、プロの演奏は一味も二味も違います。
この日の演奏では、このハ長調ソナタが一番印象に残りました。
第1主題が提示部リピートを含め2回、再現部で転調して1回出てきます。
これを菊池洋子はすべて異なる表現をしました。
1回目は比較的普通っぽく、2回目は左手のアリベリティ・バスの伴奏を付点でいわゆる「オシャレ弾き」、3回目は少しペダルで響かせて優しく。
それだけでなく、随所に工夫を凝らして、初心者が弾いたらあっさりしすぎるこの曲を変化の富んだものとしていました。

シェーンベルクはやはり私には厳しい

8番イ短調ソナタ
全体的に比較的早めのテンポで、重苦しくなく悲愴な感じではない作りでした。
これは、ヌーブルジェの演奏が第1楽章が早いながらも、かなり悲愴な緊張感を醸し出していたのと対照的でした。インパクトはヌーブルジェの演奏が1枚上です。

アンコールのグラスハーモニカのためのアダージョは、タッチをたいへん軽くし、本当のグラスハーモニカが鳴っているような音を表現していました。
16番ソナタの第3楽章。
上手でしたが、さすがにこれだけモーツァルトのソナタばかり聴くと、飽きました。

東京文化会館小ホールは今まで縁がありませんでした。
音は中庸の響き方でまあまあでした。
ただ、段差がない場所だったので、前の人が邪魔で非常にストレスでした。
ちょうど演奏者がそっくり隠れてしまうのです。
今度聴く機会があったら、後ろの方の段が高くなっているところにしようと思います。

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