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2009年10月の15件の記事

2009年10月26日 (月)

ジョナサン・ビスのテレビ放映だったか・・・

昨日の21時台に急にアクセスが集中しました。

何かと思ったらN響アワーでジョナサン・ビスのコンサートを放映したのですね。
過去の王子ホールのリサイタルの記事に検索で来た方が多かったようです。

やはりテレビの影響はばかにできません。
それにしても、放送中にPCで検索かける人って、どういう環境の人たちなのでしょうか?

コンサートはモーツァルトのピアノ協奏曲第21番でした。

モーツァルト29歳のときの作品。
ジョナサン・ビスも29歳、ということでした。

最近、デリケートなライブ演奏をかなり聴いてきたので、どうもビスの音楽は大味に感じてしまいます。
王子ホールでのベートーヴェンでも感じたことではありますが。

身体も大きいし、どうも力をもてあましているように見えてしまいます。
十分上手なのだから、そんなに一生懸命鳴らさなくても大丈夫、というところでしょうか。

もっとも、モーツァルトのソナタに挑戦している私もガツガツ、セカセカとなってしまって、デリケートに落ち着いて弾けず、ひいひい言っているのでありますが。

ヌーブルジェのベートーヴェンの1番協奏曲をもう何度となく観ていて、音のクリアさが耳に残っており、他の演奏を聴くと、さらにその特徴がよくわかってきます。

2009年10月25日 (日)

ルネ・マルタン氏来日中

「熱狂の日」メルマガによると、ラ・フォル・ジュルネの仕掛け人、ルネ・マルタン氏が現在来日中のようです。
来年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの打ち合わせでしょうか。
今のところ、会見などの模様はつかめていません。

ヌーブルジェが出演することは決まっていますので、もう、他の演奏家の出演交渉も終わっていることでしょう。
誰が何をどこで弾くのか、そのあたりの詰めをしているのでしょうか。

次のメルマガあたりで、情報が出てくるかもしれません。

※昨日ヌーブルジェは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」を弾いたようです。
さぞかし絢爛たる演奏でしょうね。

2009年10月21日 (水)

サントリーホールで演奏家写真展

バンベルク響を聴いたとき、サントリーホールの1階と2階の壁に、演奏家の写真がたくさん掲げてありました。

なんでも、23周年の記念(?)とかいうことで、過去1年の間くらいにサントリーホールで演奏したアーティストや楽団の演奏写真を飾ったらしいのです。
23回忌ではあるまいし、なぜ23年がアニバーサリーかはよくわかりません。

当然、ヌーブルジェの演奏姿も掲げてあると思い、休憩時間に全部見て回ったのですが、ありませんでした(-_-;)
ピアニストでは、ポリーニ、ツィメルマン、キーシン、アフェナシェフ、バドゥラ・スコダ
、アンデルシェフスキー、小菅優、中村紘子、ジャズの小曽根真などもいました。
まだヌーブルジェはこれらの面々の中にははいらせてもらえないようです。

来年の来日リサイタルでは、AプロとBプロでも作って、片方をこだわり選曲に、もう片方を人気選曲になどとサービスしたらどんなものでしょうか。
ピアノ協奏曲はショパンの2番とブラームスの1番あたりをやってしまう。

はやく決まらないか、待ち遠しいです。

2009年10月20日 (火)

バンベルク交響楽団ブラームス・チクルス@サントリーホール

ヌーブルジェのリサイタル以来、久々にサントリーホールに行ってきました。
ドイツのバンベルク交響楽団、ジョナサン・ノット指揮のブラームスでした。
ピアノはピエール=ロマン・エマール。

【前半】
1.大学祝典序曲 Op.80
2.交響曲第3番 ヘ長調 Op.90

【後半】
3.ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 Op.15

ピアノ以外のクラッシックには疎く、ましてや海外オケを聴いた記憶はほとんどないので、毎度自信のない感想です。
ピアノ協奏曲などでも、ある程度オーケストラの性格は出ますが、やはりウィーンフィルだ
のベルリンフィルの音は分厚く重厚な感じがします。

ジョナサン・ノットのバンベルク響はドイツのオケに対する先入観に反して、かなり軽妙で肩の凝らない音楽を作っていたように思います。
第3交響曲など、もっとこう、分厚く荘厳に始まるのかと思いきや、案外あっさりと始まっ
たので予想に反しました。
さすがによく知っている第3楽章は過剰にセンチにならず、モダンだった気がします。

ピアノ協奏曲は聴きこんでいますので、さすがに良くわかりました。
最近はああいう遅いテンポがはやりなのでしょうか、比較的普通っぽいオーケストラの提示
のあと、ピアノ独奏が始まると雰囲気が変わりました。エマールはかなりロマンティックで、ゆっくりしたテンポでよく歌います。
ビルトゥオーソ系で、ガンガン響かせて弾くタイプではなく、落ち着いて柔らかい音を奏で
ていました。
ただ、私の座席(2階の右)には、オーケストラの音は響いてくるのですが、ピアノの音が
あまり昇ってこないのが残念でした。
CDで聴くと、もっとピアノが前に出てきますが、ライブだと埋もれがちなのは、曲の性格
上しかたのないところでしょうか。

好みからいうと、この曲については、もう少し激しくて、オーケストラとピアノがぶつかって火花を散らすような演奏が好きです。
ヌーブルジェが最近、ヨーロッパのライブで弾いているようですが、きっと若々しくて情熱
がはじけているような演奏なのだろうなあ、と想像します。

エマールは大人の演奏といったところでしょうか。

2009年10月14日 (水)

『背徳のクラッシック・ガイド』(洋泉社)

文筆家、鈴木淳史氏の新刊の新書です。
「逸脱」したキワモノ演奏や作品ばかりを集めて論評した内容です。
中には名演奏の誉れ高き録音もあります。

背徳のクラシック (新書y 225) Book 背徳のクラシック (新書y 225)

著者:鈴木 淳史
販売元:洋泉社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

大見出しだけひろうと

●異界へと誘う凄演
●ねじれ演奏の愉しみ
●快速&遅演-テンポの魔力
●背徳の迷演
●ディープ系クラシックへの誘い
●有名作曲家のもうひとつの顔
●イカれたタイトルで聴くクラシック
●ヘンテコなジャポニズム
●マイナー・オペラの深すぎる世界
●編曲の奇妙な冒険

と、なかなか「何だろう?」とそそるタイトル付けです。
ほとんどピアノ演奏しか知らず、何千枚もCDを聴いたわけでもない私としては、ほとんど聴
いたことのないものばかりです。

それでも、知っているのが3曲ありました。

「異界」の中に、
ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調《合唱付き》
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮、バイロイト祝祭管弦楽団

があります。

空前絶後のライブ演奏という評判の、一般的には「超名盤」とされているものです。
「これぞフルトヴェングラー」という演奏らしい。
しかし、第四楽章の終結部の追い込みは確かに尋常ではないですね。
「異界へと誘う」と言われればそうかもしれません。

「ねじれ」の中に、
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調
クリスティアン・ツィメルマン(pf/指揮)ポーランド祝祭管弦楽団

があります。

これも、一般的にはあまたあるショパンの第1コンチェルトの中でも最高の評価を受けている「超名盤」
ただ、やはり相当エキセントリックで、初めて聴いたときには、それまで聴きなじんでいた
曲とあまりの違いに、腰をぬかしたものです。
第1番も良いですが、実はカップリングされている第2番がまたすごく良いのです。
私はこの演奏で、ショパンの第2コンチェルトを、初めて好きになりました。
長いオケの序奏が終わったあとの、ピアノによる提示の部分が、実に格好良いのです。
近々ヌーブルジェもこの2番を弾くようですから、いったいどんな表現をするのか、とても
興味があります。
来年、日本で聴けないものでしょうか。

3つめは、「背徳」の中に
ブラームス:交響曲第1番ハ短調
千秋真一指揮 R☆Sオーケストラ

というのがあります。
CD出している方もなら、それを取り上げる方もですね。
ご存じ「のだめカンタービレ」の劇中音楽。
なんでも「おまえはすでに老いている」演奏だとのことです。
たくさん聴いていないので、私にはわかりません。

その他紹介されている演奏で、聴いてみたいのは
・リヒテルの熱情ソナタのライブ盤
・ウゴルスキの《エリーゼのために》
・アレクサンドル・タローの「二十四の前奏曲」
・クラウディオ・アラウのショパン第1コンチェルト

などでしょうか。

あと、アルテュール・スホーンデルヴルトというピアニストが弾くショパンの《ボレロ》紹介していて、その批評のなかに《タランティラ》《フーガ》《アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ》《演奏会用アレグロ》といった曲が、かなり揶揄された感じで出てくるのです。
《タランティラ》は駄作だし、《アンダンテ・スピアナートと・・・》は装飾しかなく異様に
バカっぽいし、《演奏会用・・・》は音楽としていかがなものか、というように。

これら、みなヌーブルジェが弾いているではありませんか。
この方、ヌーブルジェによるこれらの素敵な演奏を聴いたことがあるのかなあ、と思ってし
まいました。
もっとも、私もヌーブルジェを聴くまでは《アンダンテ・スピアナートと・・・》はバカっぽいと思って
いたわけですが・・・

2009年10月13日 (火)

【動画】ベートーヴェン:ハンマークラヴィーアソナタを分析するヌーブルジェ

最新アルバムにカップリングされたDVDがアップされたようです。

ヌーブルジェ海外コンサート情報(2009.11.17)

2009年11月17日

ベルギーはリエージュのフィルハーモニーホールで、ヌーブルジェのリサイタルが開かれます。

FRANCK | Prélude, Choral et Fugue (1884) w env. 20’
DUTILLEUX | Sonate (1947) w env. 25’
 1. Allegro con moto
 2. Lied
 3. Choral et variations

Paus

BEETHOVEN | Sonate n° 29 « Hammerklavier »
en si bémol majeur op. 106 (1817-1819) w env. 45’
 1. Allegro
 2. Scherzo : assai vivace
 3. Adagio sostenuto
 4. Largo. Allegro risoluto

フランスの現代作曲家ディテュイー、ベルギーの作曲家フランク、そしてベートヴェンです。

2009年10月12日 (月)

2010年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンにヌーブルジェ出演!

予想どおり、来年の東京でのラ・フォル・ジュルネ「ショパンの宇宙」ヌーブルジェが出演するという情報を得ました。

来年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの開催日は2010年5月1日~4日になるようです。
金沢のラ・フォル・ジュルネに出演するかどうかはまだ情報がみあたりません。

来年も世界各地のラ・フォル・ジュルネにヌーブルジェはひっぱりだこのようです。

日本であわせてリサイタルが行われるかどうかも、まだ情報はありません。
もし、コンチェルトをやるとすると、ブラームス1番、ショパン2番、リスト2番あたりになりそうです。(冬から春にかけてのプログラムからの予想)

やはりショパンは2番からはいりますかね。
ヌーブルジェらしいです。

2009年10月11日 (日)

PIANOSCOPEのヌーブルジェ動画(ショパン、リスト、チェルニー)

かなり前から検索にかかっていたのですが、埋め込み方がわからないので放置してありました。

貴重な動画なので、この際リンクで紹介しておきます。

http://pianoscope.beauvais.fr/index.php/2006/jean-frederic-neuburger-un-jeune-pianiste-talentueux/

2006年あたりの演奏。
曲は以下の3曲

ショパン:エチュード Op.10-5「黒鍵」
リスト:2つの演奏会用練習曲から「森のざわめき」
ツェルニー:4つの小品 Op.699から(?)

ツェルニーはOp.699 N24と出てくるので、よくわかりません。
699には4曲しかないわけで・・・

ヌーブルジェのピアニズムの特質が最大限発揮されている演奏です。
まだ若いです。

このあと2年くらいでたいへん音楽が深まっている気がします。

2009年10月10日 (土)

東京圏コンサートホールの変遷

昨日、「良いホールが増え」と書いたあと、いったいどのくらい増えたのだろうかとリサーチ意欲がわいてきたので、調べてみました。(東京、神奈川中心です)
音楽専用ホールに限ったので、NHKホールとか神奈川県民ホールはいれていません。
せっかくですので、以前リサーチした座席数もいれました。

1954年 神奈川県立音楽堂(1,106)
1961年 東京文化会館(2,303)

1986年 サントリーホール(2,006) 
1987年 パルテノン多摩大ホール(1,414)
1987年 カザルスホール(511) ※2,010年3月閉鎖
1989年 オーチャードホール(2,150) 

1990年 東京芸術劇場(1,999)
1992年 浜離宮朝日ホール(552) 
1993年 フィリアホール(500)
1994年 彩の国さいたま芸術劇場(776) 
1995年 紀尾井ホール(800) 
1997年 東京国際フォーラムホールC(1,502)
1997年 東京オペラシティコンサートホール(1,632) 
1997年 すみだトリフォニーホール(1,801) 
1998年 横浜みなとみらいホール(2,020) 

2000年 トッパンホール(408)
2003年 王子ホール(改装後)(315) 
2003年 白寿ホール(300) 
2004年 ミューザ川崎シンフォニーホール(1,997)

1986年にサントリーホールができるまでは、貧弱な文化環境であったことがわかります。
バブル絶頂期の1980年代後半には思ったほどできておらず、バブル崩壊後の15年程度の間に現在の主だったホールがすべて作られています。
少し場末の都市にも、小さなホールがたくさんできていますね。

これだけあると、逆に各ホールうまく採算がとれているのか心配になってしまいます。

ヌーブルジェは東京圏ではサントリーホールがメインのリサイタルを2回。
あと、ラフォル・ジュルネで東京国際フォーラム、ル・ジュルナル・ド・ショパンで東京オペラシティコンサートホール、数年前に銀座のシャネル・ネクサスホールで弾いていました。

来年と予想される来日リサイタルも、またサントリーホールでしょうか?
わがままを言えば、私の地元の横浜みなとみらいホールか神奈川県立音楽堂でもお願いしたいものです。

2009年10月 9日 (金)

個性あふれるピアニストたち

この1ヶ月で、プラメナ・マンゴーヴァ、横山幸雄、山本貴志(2回)、河村尚子、イリーナ・メジューエワと5人ものピアニストの演奏を聴いてしまいました。

それぞれに個性的で、ライブだけにCDからだけではわからない雰囲気が楽しめました。

かつては、日本人アーティストは、海外アーティストに比べると個性に乏しく、コンクールなどでも技術はあるが音楽性は?などと言われていたものです。

しかし、今回、河村尚子や山本貴志といった若い日本人ピアニストのライブ演奏を聴いてみて、どうしてなかなか、日本人も自分を表現するようになったではないですか。

前にも書いたように、若い頃はCD(レコード)が出ているメジャーなピアニストばかり聴いて、たまに来日するそういうメジャーで高額なアーティストのコンサートをポツポツと聴きにいく程度でした。

最近になってようやく、予断を抜きにして今眼前で奏でられている音楽を楽しめるようになってきました。
日本の文化度があがって、良いホールも増え、毎日どこかでコンサートが行われている、という状況になってきたことにもよるかとは思います。

ヌーブルジェのリサーチをしていると、フランスなどではワインのシャトーやら、森の中の公園などでリサイタルをしていますので、彼らはさらにオシャレに芸術を楽しんでいるのですよね。

去年ヌーブルジェに出会ったことで、自分の中の何かがはじけ、楽しい音楽ライフを送れるようになったと思います。
おおげさですが、ある意味、ヌーブルジェ体験前と後とで人生変わってしまいました。

2009年10月 8日 (木)

山本貴志ピアノ・リサイタル@浜離宮朝日ホール

先日、ショパンのレクチャー・コンサートを聴いた山本貴志のベートーヴェン・リサイタルを築地の浜離宮朝日ホールで聴いてきました。
使用されたピアノはウォルナット仕様のスタンウェイという珍しいもの。
一般的なスタンウェイのピアノとだいぶ趣の異なる柔らかく美しい響きでした。

【前半】
ベートーヴェン:
 ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 Op.109
 ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 Op.110

【後半】
 ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 Op.111

【アンコール】
ショパン:ノクターン第2番 変ホ長調 Op.9-2

ショパンでは非常に聴き応えのある、個性あふれる演奏を披露してくれた山本貴志。
ベートーヴェンになっても、アプローチは一貫していました。
とにかく、一音一音に対する思い入れがすごい。
歌う、うめく、あえぐ
そして、かなりゆったりとしたテンポ。
音楽を追うのにかなり集中が入りました。

すべての曲に共通だったのが、弱音を非常に大切に弾くこと。
30番、31番の冒頭などは、聴衆の息が止まるのを待っていたかのような弾きだしでした。
30番と32番の変奏曲は、1曲1曲の性格を明確に弾きわける。
31番のフーガは、遅めのテンポでためにためる。
32番の第1楽章は、遅い部分と早い部分を相当意識的に変化をもたせていました。

ベートーヴェンの後期という曲の性質と、山本貴志のたっぷりためた表現のためでしょうか、機密性の高い時間を過ごした気がします。

アンコールのショパン・ノクターンは、手垢にまみれているともいえるくらい超有名な曲です。
ライブでも何度も聴いたことがありますし、CDでいくつも聴いています。
今日の演奏は、過去聴いたなかでも飛び抜けてデリケートでした。
最初から最後まで、とうとう激することなく、ソフトペダル踏みっぱなしで、さわったらこわれてしまうような音楽を奏でました。

とてもまじめで、また、何をしたいか、はっきり主張を持っている演奏。
ただ、もう少し身体の力が抜けてナチュラルな感じになっていくと、もっと良いかもしれない。
それから、前回のショパンと同じく強奏の部分でやや技術的な荒が目立つので、そのあたりが課題でしょうか。

スタンウェイらしからぬピアノの響きは、山本貴志の音楽ととてもマッチしていたと思います。
聴衆のレベルはかなり高いと思われ(何せ曲が曲ですからね)、演奏開始前の静寂度や、演奏中の雑音の少なさ、拍手のタイミングなど、最近ではピカ一でした。

もっとも、入りが6~7割というせいもあったかもしれませんが・・・

※ヌーブルジェ・ファンの假屋崎省吾さんが聴きにきていました。
※32番ソナタの終結部分トリルは、この日の山本貴志の演奏も十分デリケートながら、今年聴いたクリスチャン・ツィメルマンの演奏が、やはり天国的な極みの世界だったことがわかりました。

2009年10月 5日 (月)

「音楽の友10月号」のヌーブルジェのベートーヴェンアルバムレポート

昨日改めて紹介した、ヌーブルジェの最新アルバム「ベートーヴェン(ハンマークラヴィーアなど)」のレポートが「音楽の友10月号」にほんの少し載っていました。
(情報提供:あふらっと様、ありがとうございました)

記事は満津岡信育氏。
ハンマークラヴィーア・ソナタの演奏について

無理に背伸びをして深遠な思索を紡ごうなどとはせずに、颯爽としたセンスをみなぎらせながら弾むように演奏している点に好感が持てる。

やはり、感じるところは共通するものがあるようです。
颯爽としたセンス
弾むよう
我が意を得たりで、嬉しいです。

なお、満津岡氏は

来日公演を通じて日本の聴衆の心を掴んだヌーブルジェ

と書いてくれています。
氏が音友社とどういう関係かわかりませんので言いがかりになってしまいますが、そういうことなら、
コンサート・レビューを「音楽の友」で、ぜひとりあげてほしかったものです。

2009年10月 4日 (日)

ベートーヴェン(ピアノ・ソナタ19,20,29「ハンマークラヴィーア」,エリーゼのために)

 ベートーヴェン/Piano Sotana  19  20  29  : Neuburger #+dvd# ベートーヴェン/Piano Sotana 19 20 29 : Neuburger (+dvd)
販売元:HMVジャパン
HMVジャパンで詳細を確認する

考えてみたら、ヌーブルジェのハンマークラヴィーア・ソナタが収録されたCDをきちんと紹介していなかったので、改めて掲載します。

2009年6月にサントリーホールで行われたリサイタルのメインの曲目が、ベートーヴェンのハンマークラヴィーア・ソナタ(第29番 作品106)でした。
そのリサイタル後に発売されたものです(リサイタル当日に先行販売)

ヌーブルジェの弾くハンマークラヴィーアは、まことに壮大かつ情熱的
その情熱も、単に燃えさかった感情に支配されているのではなく、あくまで緻密に知性でコントロールされたもの。

ヌーブルジェのピアニズムである音色の明るさ、透明さは当然保たれ、また、推進力抜群のモダンなリズム感も健在。

ポリーニの切れ味するどいテクニックと、ギレリスの熱く壮大な構成力とを合わせたような、素晴らしい演奏といえましょう。
つまり、古今の名ピアニストたちの演奏と比較しても、最高レベルのものであると確信します。

カップリングされたピアノ・ソナタの19番と20番は、ソナチネ・アルバムにも収録されている初心者でも弾ける小さなソナタです。
最大のソナタのあとに、最小のソナタ。
ここのあたりに、ヌーブルジェの粋なはからいを感じます。

演奏は混じりっけのない、極めてピュアなもの。
しかし、タッチはあくまで深く確信的で、ベートーヴェンのソナタであることをしっかり主張しています。

アンコールともいえる「エリーゼのために」。
余計な思い入れを廃し、この小品に新鮮な息吹を吹き込んでいます。

現代の新しいベートーヴェン像を探るうえで、ぜひとも聴いてほしいアルバムです。

付属のDVDではハンマークラヴィーア・ソナタを分析・解説するヌーブルジェが見られます。
ヌーブルジェの知性の一端をうかがうことができる、貴重な映像です。
フーガにおけるリズム感の秘密もわかります。

2009年10月 3日 (土)

イリーナ・メジューエワ ピアノ・リサイタル「夜の風」@白寿ホール

河村尚子のクラシカルでオシャレな音楽を聴いたあと、およそ真逆のストイックで強い情念がにじみ出る音楽を聴いてしまいました。
昨日10月2日です。

イリーナ・メジューエワ
プログラムがなかなか難しいので前売りチケットは求めていなかったところ、急遽思い立って行ってみることにしました。
白寿ホールは初めて。
当日券はまだある程度残っていました。全席自由だったので、ホール中央にて聴くことができました。

【前半】
1.スクリャービン:ピアノ・ソナタ第2番 嬰ト長調 作品19「幻想ソナタ」
2.ラフマニノフ:楽曲の時 作品16
 第1曲~第6曲

【後半】
3.スクリャービン:ピアノ・ソナタ第10番 作品70
4.メトネル:ピアノ・ソナタホ短調 作品25-2 「夜の風」

【アンコール】
スクリャービン:プレリュード 作品16-3

私は聴く音楽の範囲がそれほど広くありません。
バッハ、古典派、前期ロマン派が中心です。
近現代ものは苦手。
食わずぎらい。

ですので、この日のプログラムでなじんでいる曲は1曲もありませんでした。
スクリャービン、ラフマニノフは「聴いたことがあるかも」程度で、メトネルにいたっては、その名前さえ、最近知った程度です。
なので、演奏が良いの悪いのということは、ほとんどわかりません。
突然行くことになったので、事前の勉強もまったくなしでした。

スクリャービンはやはりわかりずらい。
特に10番の方になると、どこがソナタなのだかさっぱりです。
「神秘的」であることはわかりますが。
わからないせいもあり、どうも前半はラフマニノフの、後半はメトネルの前座の腕鳴らしに感じました。

ということで、ラフマニノフと、メトネルは凄まじかった。
曲はどちらもわからないながら、それほど前衛的な音楽でないので、ついてはいけました。

ラフマニノフは偶数曲が激しく、奇数曲はおとなしめ。
ピアノ協奏曲はさすがによく知っていますから、ああいう、甘く叙情的な音楽なのだろうか、と思っていたら、メジューエワの演奏は、
過日聴いたベートーヴェン・ソナタのレクチャー・コンサートでのアプローチと同じく、シリアスでストレート。クネクネ感は全くなし
暗く強い情念が迫ってきます。

メトネルはロシアの20世紀前半に活躍した作曲家・ピアニスト。
ピアノ曲ばかり残し、ロシアのショパンともいうらしい。
ストラヴィンスキーやプロコフィエフといった前衛的芸術家が活躍していたころ、保守的な音楽作りをし、ロシアのブラームス的存在で
もあった。

ソナタが始まると、確かに旋律ははっきりしているし、わかりずらいことはありませんでした。
第1部と第2部にわかれていたらしいのですが、切れ目なく演奏されるので、よくわからず。
さすがに、初めてでは構造がはっきりしません。
第2部にはいったらしい頃から、特徴的な主題がだんだんわかってきました。
その主題が、何度も何度も変奏的に現れてきます。
とにかく、凄い集中が要求される曲です。
いったん盛り上がり、そろそろ終わるのかと思うと、一転してまた静かに主題が現れる。
また盛り上がって、また戻る。

いったい、いつ終わるのか・・・

おそらく、30分以上はかかり、聴衆の集中力もだんだんとぎれていく感じでした。
わたしも、途中弛緩しがちなのを、立て直すのがたいへんでした。

最後はだいぶ主題の旋律を覚えたので、メジューエワの表現をよく感じ取ることができるようになりました。

演奏が終わると割れるような拍手。
お隣さんからは「ブラボー」
前の方の一人はスタンディングオベーション。
確かに凄みのある演奏でした。
あんな細身の身体から、すさまじいエネルギーを放出していました。
曲に親しんだところで、もう一度聴いてみたい気にはなりました。

この日の聴衆は、かなりのメジューエワ・ファンが多かったのかもしれません。
でなければ、このプログラムでほぼ満席にならないでしょうし、あんなに受けないでしょう。

それにしても、どっと疲れました
聴衆を甘やかしてくれないメジューエワ。
でも、そういう演奏、実は嫌いではないのです。

ヌーブルジェは、音色こそクリアで明るいですが、音楽はストイックで心に突き刺さるような表現をします。
そういう意味で、メジューエワに通じるものがあります。
吉田秀和をして「疲れた」と言わしめてしまったハンマークラヴィーア・ソナタなどもまさにそうですね。

マンゴーヴァや、山本貴志や、河村尚子の演奏は、聴いたあと嬉しく心地よい気分になる。
ヌーブルジェやメジューエワの演奏は、聴いたあと打ちのめされ、頭がボーッとなる。

芸術の楽しみですね。

※この日もメジューエワは楽譜を見ながらの演奏。譜めくりは、先日と同じ女性。もしや専属でしょうか。この日の曲の譜めくりは、たいそう難しかったと思いますが、全く破綻なく息はぴったりで、不安は感じませんでした。

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