ベートーヴェン(ピアノ・ソナタ19,20,29「ハンマークラヴィーア」,エリーゼのために)
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ベートーヴェン/Piano Sotana 19 20 29 : Neuburger (+dvd) 販売元:HMVジャパン HMVジャパンで詳細を確認する |
考えてみたら、ヌーブルジェのハンマークラヴィーア・ソナタが収録されたCDをきちんと紹介していなかったので、改めて掲載します。
2009年6月にサントリーホールで行われたリサイタルのメインの曲目が、ベートーヴェンのハンマークラヴィーア・ソナタ(第29番 作品106)でした。
そのリサイタル後に発売されたものです(リサイタル当日に先行販売)
ヌーブルジェの弾くハンマークラヴィーアは、まことに壮大かつ情熱的。
その情熱も、単に燃えさかった感情に支配されているのではなく、あくまで緻密に知性でコントロールされたもの。
ヌーブルジェのピアニズムである音色の明るさ、透明さは当然保たれ、また、推進力抜群のモダンなリズム感も健在。
ポリーニの切れ味するどいテクニックと、ギレリスの熱く壮大な構成力とを合わせたような、素晴らしい演奏といえましょう。
つまり、古今の名ピアニストたちの演奏と比較しても、最高レベルのものであると確信します。
カップリングされたピアノ・ソナタの19番と20番は、ソナチネ・アルバムにも収録されている初心者でも弾ける小さなソナタです。
最大のソナタのあとに、最小のソナタ。
ここのあたりに、ヌーブルジェの粋なはからいを感じます。
演奏は混じりっけのない、極めてピュアなもの。
しかし、タッチはあくまで深く確信的で、ベートーヴェンのソナタであることをしっかり主張しています。
アンコールともいえる「エリーゼのために」。
余計な思い入れを廃し、この小品に新鮮な息吹を吹き込んでいます。
現代の新しいベートーヴェン像を探るうえで、ぜひとも聴いてほしいアルバムです。
付属のDVDではハンマークラヴィーア・ソナタを分析・解説するヌーブルジェが見られます。
ヌーブルジェの知性の一端をうかがうことができる、貴重な映像です。
フーガにおけるリズム感の秘密もわかります。
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