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2009年9月19日 (土)

山本貴志 レクチャーコンサート@サンハートホール

前回2005年のショパン・コンクールで4位に入賞した山本貴志。
1983年生まれなので、今年26歳。
2003年からワルシャワ・ショパン音楽アカデミーに在学し、2008年には、なんと首席で卒業したとのことです。
本場も本場で研鑽を積んできたわけです。

「ピアノで辿(たど)るショパンの想い」と題したオール・ショパン・プログラムのレクチャーコンサートに行ってきました。
叙情にあふれた個性豊かな演奏を、たったの2,250円で聴くことができ満足。

【前半】
1.ノクターン 第13番 ハ短調 Op.48-1
2.スケルツォ 第1番 ロ短調 Op.20
3.4つのマズルカ Op.30
4.アンダンテ・スピアナートと華麗ななる大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22

【後半】
5.即興曲 第3番 変ト長調 Op.51
6.ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58

【アンコール】
1.エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
2.即興曲 第3番 変ト長調 Op.51

スケルツォの後、マズルカの後、即興曲の前にかなり長いレクチャーが入りました。
演奏は饒舌でしたが、お話は少し苦手のようですね。
今日のプログラムの狙いも話してくれました。
前半のプログラムは、最初の2曲はショパン特有の流れるような旋律でない曲。
次の2曲は祖国ポーランドを意識したショパンの想いを表現。
後半の2曲は、後期の名作を。

山本貴志は、ひとつひとつの音にたっぷり思いを込め、遅い指示の部分はかなり遅いテンポに落とし、早いパッセージとの対比をとります。
背筋を伸ばして上を向いたり、かと思うとグールドばりに背を丸めて、鍵盤すれすれまで顔を近づけたり、その独特の演奏
姿勢からの印象もあいまって、叙情豊かで饒舌です。かといって、ゆらゆら揺らしているわけではありません。
先日の横山幸雄の無難な感じと違ってとても自己主張が強い演奏です。
また、ヌーブルジェのようにインテンポで端正さを基本とする演奏ではありません。

想像ですが、ワルシャワ・ショパン音楽アカデミーを首席で卒業するくらいですから、ショパンの祖国ポーランドの伝統をしっかり受け継いだ演奏なのではないでしょうか。
特に三拍子系の曲のリズム感には、そんな感じを受けます。

ハ短調ノクターンは私の大好きな曲。
心に深く突き刺さる曲です。
構造は「緩-急-緩の変奏」と単純ですが、内容的には大変深いと思います。
最初の「緩」の部分、山本貴志はずっとソフトペダルを踏んだまま、ゆっくりと、恐ろしくデリケートに弾きます。
なかなか感動的でした。

スケルツォの1番。また横山幸雄を引き合いに出すと、今日の演奏はずっと「スケルツォらしい」
惹きつけられます。
今年のポリーニの演奏よりは、ずっと楽しかった。

マズルカは、左手のリズムが「マズルカらしい」
今年聴いた中では、ポリーニも横山幸雄もただ「ズン、チャッ、チャッ」と弾きましたが、山本貴志は「ズン、チャー、チ
ャ」と弾きます。
「ショパンはマズルカを二拍子のように弾いた」という、弟子達の証言に合致します。

アンダンテ・スピアナート。ちょっと左手の音が大きかったかなぁ。
ポロネーズ。やはり舞曲のリズムが良い。
ダイナミックさではヌーブルジェの名演にはかないません。

即興曲はまたデリケートで、ショパン後期の雰囲気が良く出ていたと思います。

第3ソナタも名演。
構造的にガッチリという感じではなく、細部をよく練り上げつつ、音楽としてはしっかりした一貫性がある、とでも言った
ら良いでしょうか。
第2楽章はもうちょっと粒ぞろいが流麗であった方がよかったか。
第3楽章、また三拍子のリズムが良い。
昔聴いたツィメルマンの名演を思い出してしまいました。
「ズーーン、チャ、チャ」という弾き方がよく似ていました。
第4楽章。やはりここは熱くなるのですね。
メリハリあって、聴き応えがありました。

アンコールのエチュードは、猛烈なスピード。
一番早い部類に入りそうです。
ですが、ニュアンスもしっかりつけていました。
2曲目は、もう一度同じ即興曲でした。

全体として、音楽的には、とても個性がはっきり出ていて、素晴らしい演奏と感じました。
欲を言えば、少し音をはずす回数が多かったでしょうか。
最後の盛り上がりの大事な聴かせどころで、音がはずれたり、濁ってしまったり。
調子が良くなかったのか、はずし癖があるのかはわかりません。

来月、今度はベートーヴェンの後期三大ソナタを聴くので、その時どうなるでしょうか。

なお、今日のホールは、地方の小さな多目的ホールでした。
お世辞にも音が良いと言えないのが残念。
特に前半は、音が響いてきませんでした。
ピアノはたぶん、ヤマハのC7あたりか。
フルコンサートではなかったと思います。
スタンウェイのフルコンサートピアノばかり聴いていると、やはり物k足りなさを感じてしまいます。
※施設情報を調べてみたら、スタンウェイのD(フルコン)、ヤマハのCFⅢ(フルコン)、ヤマハのC2があるようです。
C2にしては、奥行きが長かったし、フルコンサートだとすると、脇にメーカー名が入っていなかったので、実際どうだったのか、よくわからなくなりました。

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コメント

まきまきさま:

今年にはいるまで、山本貴志が前回のショパンコンクールで4位で、しかも聴衆にかなり支持されていたということを知りませんでした。

なぜ支持されたのかは、コンサートを聴いてよくわかりました。

サンハート行けなかったのは残念でしたね。
でも、彼の演奏はまだ何回も聴けるけれど、お子さんのある年齢での運動会はその時しかないのですから、しかたないですよ(^_^)

ライブにミスタッチはつきもの。
ある程度は目をつぶって、音楽自体を聴かなければいけないと思っています。
以前のポリーニのリサイタルの記事には随分技術面でケチをつけてしまいましたが、彼の場合、求めるレベルが高いものですから。

しかし、以前聴衆をバカにしているとしか思えないボロボロの演奏に1度当たったことがあります。(海外のアーティストでした)
あまりにひどい時にはブーイングくらいしても良いと思います。
プロなのですからね。

コンサート、いかがでしたか?

私は、山本さんのショパンコンクールのCDを聞いて以来、大ファンになってしまいましたnote
一度は生演奏を聞きたい!と思い続け、同じ県内のサンハートでコンサートがあることを知り、
ぜひぜひ!!行こうと思っていたのですが・・・・
なんと、子供の運動会と重なり、行くことができなくなってしまいました。
どんなに、てるてる坊主を逆さにつるそうかと思ったことか・・・・

ショパンコンクールのライブCDでも、いいところでのミスタッチが気になりましたが、心を鷲づかみされる演奏には
変わりありませんでした。

これからもますます活躍して下さることを楽しみにしています!

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