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2009年9月の22件の記事

2009年9月30日 (水)

河村尚子 ピアノ・リサイタル@紀尾井ホール(2)

河村尚子の後半のプログラムを中心に。

メンデルスゾーンの厳格なる変奏曲。
聴き慣れていない曲だったので、イリーナ・メジューエワの若い頃のCDを求めて、予習していきました。
そのメジューエワの演奏が尋常でない
あの愛くるしい風貌のどこに、激しくも暗い情念が宿っているのか。
かなり衝撃を受けたままのぞんでしまったので、河村尚子の演奏は、ごく普通に美しい、という印象になってしまいました。

ショパンは、からだに染みついているのだな、と思わせる演奏。
何ヶ月か前の音楽雑誌で、ポーランド人の先生に実際の舞曲を踊らされたとあったくらいですから、ショパンは得意なのでしょう。
音色をはっきり違えてきているのもよくわかりました。

華麗なる変奏曲は良く知らないなあ、と思いながら聴いてみると、あれ、どこかで聴いたことがある。
ル・ジュルナル・ド・ショパンだったか?
帰りがけにやっと気付きました。
ヌーブルジェのオーベル・シュル・オワーズ・ライブCDの1曲目ではありませんか!
自分の過去のCD鑑賞記事を見たら「あまりなじみがないので、もっとよく聴き込まねば」と保留したまま放置してありました。
不覚でした。
ヌーブルジェの演奏は、彼らしい清純で瑞々しくクリスタルな響きの演奏です。
河村尚子はずっとお姉さんで、色っぽいという感じ。

ショパン遺作のノクターン「レント・コン・エスプレシオーネ」
映画「戦場のピアニスト」のテーマ音楽。
フジテレビドラマ「風のガーデン」のエンディングのテーマ。
昨年、アンヌ・ケフェレックを聴き、今年、ヤノシュ・オレイニチャクを聴いています。
自分でも遊びで何とか弾けます。
なので、楽譜は隅から隅まで知っています。
かつての一般的なエディションと、エキエルによるナショナル・エディションの違いも知っています。
河村尚子は一般的なエディションによっていました。
「戦場のピアニスト」で弾かれたのと同じ弾き方。
しかし、オレイニチャクとは全然ちがって、しっとりと、激さず、抑え気味の表現でした。
私は最近エキエル版によって弾いていたので、かなり違う曲に聞こえました。

ワルツはリズム良く、流麗で華やか。とても良い感じ。

幻想ポロネーズは少し若かったでしょうか。
まだ彼女は、死にゆく芸術家の魂を表現するには、若くて健康的すぎるのかも。

アンコールは5曲の大盤振る舞い。
ドビュッシーは私がほしい音とはちょっと傾向が違う感じ。
ウィーン系の曲はなかなかすばらしい。
ショパン・エチュードは、いわゆる技巧系の弾き方ではなく、表情をたっぷりつけた、先日のマンゴーヴァのようなアプローチ。
楽しめました。

全体としては十分満足でした。
アンヌ・ケフェレックを聴いたときのように、良い意味の女流らしく、繊細ながら艶っぽくて、楽しんで聴けるタイプの演奏だったと思います。

ヌーブルジェやメジューエワ系、つまり、聴く者の居住まいを正すようなタイプとは違います。

この日はA席だったので、1階の一番後ろの席でした。
しかし、紀尾井ホールだと音は十分美しく響いてきます。
表情とかはよく見えませんが・・・
3,500円とリーズナブル
こういう値段で、一流の演奏にたくさん接することができるようになったということは、日本にもクラッシック音楽文化がだいぶ根付い
てきたのだぁと、やや感慨深いものがあります。

あと、河村さんはステージ上の立ち居振る舞いが実に堂々としています。
とても28歳とは思えぬ貫禄でした。

ちなみに、テレビカメラが入っていました。
どこかで放映されると思いますが、情報は得ていません。

2009年9月29日 (火)

河村尚子 ピアノ・リサイタル@紀尾井ホール(1)

河村尚子28歳。07年クララ・ハスキル国際ピアノコンクール優勝。ドイツ育ち。
リサイタルのポスターでピアニスト中村紘子が「ホロリとさせる」とのべ、音楽評論家の岡本稔は若手女流ピアニストの中で
「ダントツの存在」で「アルゲリッチを髣髴(ほうふつ)とさせ」「世界の頂点も夢ではありません」と絶賛。(週刊新潮10/1号の記事より)

昨日(9/28)、その河村尚子さんのリサイタルに行ってきました。

【前半】
1.ハイドン:ソナタ 第40番 ト長調 Hob.ⅩⅥ:40
2.シューマン:クライス・レリアーナ Op.16

【後半】
3.メンデルスゾーン:厳格なる変奏曲 Op.54
4.ショパン:華麗なる変奏曲 Op.12
5.ショパン:夜想曲 第20番 嬰ハ短調「遺作」
6.ショパン:ワルツ 第5番 変イ長調 Op.42
7.ショパン:幻想ポロネーズ Op.61

【アンコール】
1.ドビュッシー:ハイドンへのオマージュ
2.シューマン:ロマンス Op.28-2
3.モーツァルト:ソナタ第18番 ニ長調 K.576 第3楽章
4.ショパン:エチュード Op.10-8
5.シューベルト:ソナタ第20番 イ長調 D959 第3楽章

日本での実質的な初の本格的リサイタルという位置づけであったらしく、大変意欲的なプログラムでした。

演奏は表現力豊かで、なかなか素晴らしいものでした。
洒落て洗練されたヨーロッパスタイルの音楽をしっかり身につけている感じです。

アルゲリッチを髣髴とさせる、とまで言えるかどうかはわかりませんが、跳んだりはじけたり、かなりチャーミングで自由奔放なところがあります。かといって、独善的ないやらしさというものはなく、あくまでクラシカルな洗練を崩してはいません。

わたし的に衝撃を受けてしまったのは、アンコールのモーツァルトでした。
ちょうど、レッスンでK.332のソナタと悪戦苦闘しているところだからです。
本場のモーツァルトを、みっちり先生からしこまれています。
河村尚子のモーツァルトは、おそらく、私の先生が意図しているであろうようなことを、素晴らしいレベルで実現しており「あんなに上手に、とても弾けない」と思うのに十分でした。

快速テンポながら、デリケートでオシャレ。遊び心満載で、ギャラントな雰囲気もただよう。
これぞモーツァルトというな演奏でありました。

1曲目のハイドンや、アンコール最後のシューベルトは、モーツァルトに通じるものがありました。

シューマンのクライスレリアーナ
7月にジョナサン・ビスで聴いた時には、今ひとつ感激がありませんでした。
河村尚子の演奏は、なかなか楽しめました。
直線的に弾いてこない。
シューマンらしいやや倒錯めいた部分や、移ろいの気分というものがよく表現されていたと思います。
フォルテでダン!とくるかな、と思うところがことごとく予想を裏切らぎられ、考え抜かれてました。

(次の記事につづく)

2009年9月27日 (日)

iTtunesでやっとベートーヴェン・ソナタ集が

今年(2009年)のサントリーホール・リサイタルの際の先行販売で、いち早くハンマークラヴィーア・ソナタのはいったヌーブルジェの「ベートーヴェン・ソナタ集」を購入しました。

購入すると最近はすぐiPodに取り込みます。
(それで今回は音質の面で失敗したわけですhttp://mykumasan.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/i-pod-c8d5.html

6月の時点では、まだ当然 iTunes Store に情報がなく、トラックの情報が入ってきませんでした。

以来、つい面倒でトラック情報の再取得を怠っていました。
(曲目も順番も覚えてしまったので、別に不自由を感じなかったので)

今日ようやく、再取得を試みたら、きちんと入ってきました。
よかったよかった。
でも、アートワークはありません。

amazonでも手に入らないので、HMVの画像を使いました。

iPodに取り込んでいるアルバムは、ほとんど頑張ってアートワークを手に入れてます。
完全にappleの思うつぼにはまっていますね

でも、快感なのですよね。

アルバム・アートワークが美しくめくれると。

2009年9月26日 (土)

「ピアノの森」第16巻~ショパンコンクール一次予選

「週刊モーニング」不定期連載中の「ピアノの森」第16巻がようやく発売されました。
なにせ、1ヶ月に1回~2回しか連載されないので、遅々として話が進みません。
単行本が出ても、前の話の流れを忘れてしまっているので、もう一度2冊くらい前から読み直さなければなりません。

今回カイは一次予選でショパンの24のプレリュードから13番~24番を弾いています。
有名な雨だれの前奏曲。
16番の超絶技巧曲。
そして激昂の24番。
24番の最後の3回のfffのDの和音をカイは驚きの弾き方をする。
会場は3分以上のスタンディングオベーション。

しかし、聴衆に受ける演奏と、審査にとおる演奏は違う。
果たして、カイは一次予選を通過できたのか。

カイの演奏は実在のピアニストの誰に重なるのでしょうか。
映画ではアシュケナージが演奏を担当していました。
ちょっと違うのではないかな。
最近の一流ピアニストは皆エリート。
カイは野生児あがりですしね。

ポリーニではない。
ツィメルマンでもない。
ポゴレリッチ?別に奇をてらっているわけでもない。
ではヌーブルジェ?
というのでもなさそう。

演奏そのものについて、もっと説明してもらえるとイメージがわくのですが。
二次予選以降に描写に期待しましょう。

※なお、実際の第16回ショパンコンクールは、2010年10月に第1次予選~第3次予選、本戦が行われます。
録音による予備選が2010年2月、オーディションによる予備選が2010年4月です。
今回はどんなタレントが出るのか、楽しみです。

2009年9月25日 (金)

来年のラ・フォル・ジュルネのテーマ発表

メルマガが届きました。
テーマは「ショパンの宇宙」となるそうです。

主な企画は

1.ショパン全作品の網羅
2.ショパンの人生と関係があったり、ショパンが崇拝していた作曲家の作品の紹介
3.ショパンが聴いたり出演した演奏会の再現
4.ショパン当時の演奏習慣の再現

とのこと。
1、2は予想どおりでしたが、3、4は思いつきませんでした。

ショパンの作品自体はそれほど多くないですから、企画力がかなり問われると思います。

前に紹介した、演奏家当てはやるのでしょうか?
演奏家当てまで遊んで良いものなら、次のような企画はどうでしょうか。

・一つのコンサートで、同じ曲を複数の演奏家が演奏
・ピアノの聴き比べ
 スタンウェイ、ベーゼンドルファー、ヤマハ、プレイエル、ファツィオリなど
・過去のショパン弾きのオーディオ鑑賞会
 コルトー、パデレフスキー、ホロヴィッツ、ルービンシュタイン、リヒテル、リパッティなど
・演奏家ものまね(やりすぎか)

それはさておき、日本人はショパンが大好き。
壮絶なるチケット争奪戦が待ち受けていることでしょう。

果たしてヌーブルジェは出演するのか。
どれだけ弾くのか。
チケット取れるのか(-_-;)

2009年9月23日 (水)

吉田秀和の嬉しい感性~ヌーブルジェCD批評@レコード芸術

吉田秀和96歳(今日が誕生日)、音楽評論家。
戦後まもなく小澤征爾や中村紘子らを輩出した「子供のための音楽教室」を立ち上げる。
グレン・グールドをいち早く日本に紹介。
ウラディーミル・ホロヴィッツの初来日の際には「ひび割れた骨董品」と評して物議をかもす。
日本クラッシック音楽界にはかかせぬ存在。

まもなく100歳をも迎えようとする方が、いまだに一線で評論活動を行っていることは驚異です。

「レコード芸術10月号」の「之を楽しむ者の如かず」という氏のコラムで「夏の日のベートーヴェン」と題して、ヌーブルジェの最新CD『ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集』が取り上げられました。
メインのハンマークラヴィーア・ソナタについて、たいへん好意的に批評しています。

きれいな澄んだ、輪郭のはっきりした音による、リズムの歯切れの恐ろしくよい、爽やかな演奏

そうです、そうです。ヌーブルジェの特徴をしっかりつかんでいます。

きき終えて、もちろん、うんと疲れた。けれども、それは気持ちのよい疲れであり、おまけに少し心が洗われ、偉くなったような気持ちさえした。

96歳の御身には、あの長大な曲の、あの鮮烈な演奏はたいそう聴き応えがあったことでしょう。
でも気に入ったのですね。

この人の演奏では、何といっても第一楽章-それも出発の時のあの左手で低い変に音(ママ)をがっちり大地に大きな杭でもぶちこむみたいに鳴らしたあと、パッと上の方にいって、イアンブス(弱強拍)のモチーフを打ち鳴らす時の間合い、リズムがよい。

私も過去記事(辻井伸行の演奏との比較)で、出だしの第一音のことについては書きました。(次は私の文章です)

ヌーブルジェの場合、第1楽章の出だしの左手のB♭の音の出し方が独特です。
楽譜通りであれば、辻井伸行の方が正しい。
「ダダンダダンダダダンダン」
ヌーブルジェは、B♭の後、一呼吸いれて
「ダ、ダンダダンダダダンダン」
と弾きます。
実は、この弾き方に私はいかれてしまっています。
左手での跳躍。それを見事に表現しています。

吉田秀和も同じところに惹かれたようです。
(なお、吉田秀和の文章では「変に音」となっていますが、勘違いか誤植でしょう)

強くて、スッキリしていて・・・・・フィナーレのフーガに入ってからなどの、あの爆発的エネルギーの躍動なんか、すごく新鮮なのだ。かつての大家たちの演奏よりずっと楽しくきける。

吉田秀和の年齢にして、あのフーガのエネルギーを受け止められるとは!
なんという若々しい感性
しかも、かつての大家の演奏より楽しいとは、絶賛ではありませんか。
日本の第一級の評論家に評価され、これでヌーブルジェの格も少し上がるでしょうか。
(
でも、本誌ではどこにも取り上げられていないのですよね。)

ちなみに、カップリングされている他の曲についても少し言及しています。
余計な記事が多くて、評論そのものは少ないのですが・・・

そこではこの若いピアニストが《ハンマークラヴィーア》について分析的コメントを加えながら、部分的にひいてみせている。この話も演奏もなかなか内容があっておもしろい。

DVDの出来もほめられています。

かつて、グレン・グールドも、日本では氏によって見いだされ、人気を博していきましたから、この評論が良いきっかけになると、おおいに期待します。
(King Johnさま、情報ありがとうございました)

2009年9月21日 (月)

N響アワーのヌーブルジェの反響

昨日NHK地上波でヌーブルジェの演奏が放送されてから、ものすごい勢いでブログのカウンターの数字があがっていきました。

放送終了から20時間あまり経過したところで、PVにして700、訪問者数は250人あまりになりました。
これは、サントリーホールのリサイタルの時よりも、ずっとハイペースです。
テレビの威力をまざまざと感じます。

ところで、N響アワーの平均視聴率は1%程度らしいです。
とすると、約100万人もが昨日のヌーブルジェの演奏を観たことになります。

そのうち、10人に1人が感動したとして、10万人。
さらに、ネットで検索してみようという人が10人に1人いれば、1万人。
私のブログを見つける人が10人に1人いれば1000人。

とすると、もっとアクセスがあってもおかしくないはずなのですが・・・

2009年9月20日 (日)

ヌーブルジェ コンサート@N響アワー~ブレイクするか?

NHK地上波(N響アワー)でとうとうヌーブルジェがデビューしました。

ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 作品15    ( ベートーヴェン作曲 ) 
ピアノ: ジャン・フレデリック・ヌーブルジェ
 
指揮: 準・メルクル 
[ 収録: 2009年6月12日, NHKホール ] 
管弦楽  : NHK交響楽団

司会は作曲家の西村朗氏と、岩槻里子アナウンサー。

6/12と6/13にライブを聴き、BSの放送をビデオにとって3~4回ほど観、今日で6~7回目です。
何度聴いても良い!

また、ベートーヴェンのピアノ協奏曲の中では、この第1番が、一番好きになってしまいした。
若さにあふれ、うきうきする、新鮮で素敵な曲であることをヌーブルジェに教えてもらいました。

しかし・・・
司会のお二人、
あっさりしすぎでは。
西村氏、開口一番「シャツが可愛い」
岩槻アナ「オーケストラの方をキョロキョロ見て対話しているよう」

おいおい。
演奏のことをもっと話してくださいよー。

まあ、一応その後で
「音がきれい」
「曲を大きくつかんでいる」
「大器」

とやっとコメント。
うーん、ファンとしては物足りなかった。

なお、9時に放送が始まってから1時間で240以上のページ・ヴュー。
このブログ新記録です。
テレビって凄いですね。

以下、過去の関連記事です。

NHK交響楽団第1650回定期公演~ヌーブルジェのベートーヴェンピアノ協奏曲第1番(速報)
http://mykumasan.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/1650-4aa8.html

NHK交響楽団第1650回定期公演~ヌーブルジェのベートーヴェンピアノ協奏曲第1番(追記1)
http://mykumasan.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/1650-4b9a.html

NHK交響楽団第1650回定期公演~ベートーヴェンピアノ協奏曲第1番【詳細リポート】
http://mykumasan.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/1650-6acf.html

N響定期公演ベートーヴェンピアノ協奏曲第1番の放送を見た!
http://mykumasan.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/n-b2bf.html

2009年9月19日 (土)

山本貴志 レクチャーコンサート@サンハートホール

前回2005年のショパン・コンクールで4位に入賞した山本貴志。
1983年生まれなので、今年26歳。
2003年からワルシャワ・ショパン音楽アカデミーに在学し、2008年には、なんと首席で卒業したとのことです。
本場も本場で研鑽を積んできたわけです。

「ピアノで辿(たど)るショパンの想い」と題したオール・ショパン・プログラムのレクチャーコンサートに行ってきました。
叙情にあふれた個性豊かな演奏を、たったの2,250円で聴くことができ満足。

【前半】
1.ノクターン 第13番 ハ短調 Op.48-1
2.スケルツォ 第1番 ロ短調 Op.20
3.4つのマズルカ Op.30
4.アンダンテ・スピアナートと華麗ななる大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22

【後半】
5.即興曲 第3番 変ト長調 Op.51
6.ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58

【アンコール】
1.エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
2.即興曲 第3番 変ト長調 Op.51

スケルツォの後、マズルカの後、即興曲の前にかなり長いレクチャーが入りました。
演奏は饒舌でしたが、お話は少し苦手のようですね。
今日のプログラムの狙いも話してくれました。
前半のプログラムは、最初の2曲はショパン特有の流れるような旋律でない曲。
次の2曲は祖国ポーランドを意識したショパンの想いを表現。
後半の2曲は、後期の名作を。

山本貴志は、ひとつひとつの音にたっぷり思いを込め、遅い指示の部分はかなり遅いテンポに落とし、早いパッセージとの対比をとります。
背筋を伸ばして上を向いたり、かと思うとグールドばりに背を丸めて、鍵盤すれすれまで顔を近づけたり、その独特の演奏
姿勢からの印象もあいまって、叙情豊かで饒舌です。かといって、ゆらゆら揺らしているわけではありません。
先日の横山幸雄の無難な感じと違ってとても自己主張が強い演奏です。
また、ヌーブルジェのようにインテンポで端正さを基本とする演奏ではありません。

想像ですが、ワルシャワ・ショパン音楽アカデミーを首席で卒業するくらいですから、ショパンの祖国ポーランドの伝統をしっかり受け継いだ演奏なのではないでしょうか。
特に三拍子系の曲のリズム感には、そんな感じを受けます。

ハ短調ノクターンは私の大好きな曲。
心に深く突き刺さる曲です。
構造は「緩-急-緩の変奏」と単純ですが、内容的には大変深いと思います。
最初の「緩」の部分、山本貴志はずっとソフトペダルを踏んだまま、ゆっくりと、恐ろしくデリケートに弾きます。
なかなか感動的でした。

スケルツォの1番。また横山幸雄を引き合いに出すと、今日の演奏はずっと「スケルツォらしい」
惹きつけられます。
今年のポリーニの演奏よりは、ずっと楽しかった。

マズルカは、左手のリズムが「マズルカらしい」
今年聴いた中では、ポリーニも横山幸雄もただ「ズン、チャッ、チャッ」と弾きましたが、山本貴志は「ズン、チャー、チ
ャ」と弾きます。
「ショパンはマズルカを二拍子のように弾いた」という、弟子達の証言に合致します。

アンダンテ・スピアナート。ちょっと左手の音が大きかったかなぁ。
ポロネーズ。やはり舞曲のリズムが良い。
ダイナミックさではヌーブルジェの名演にはかないません。

即興曲はまたデリケートで、ショパン後期の雰囲気が良く出ていたと思います。

第3ソナタも名演。
構造的にガッチリという感じではなく、細部をよく練り上げつつ、音楽としてはしっかりした一貫性がある、とでも言った
ら良いでしょうか。
第2楽章はもうちょっと粒ぞろいが流麗であった方がよかったか。
第3楽章、また三拍子のリズムが良い。
昔聴いたツィメルマンの名演を思い出してしまいました。
「ズーーン、チャ、チャ」という弾き方がよく似ていました。
第4楽章。やはりここは熱くなるのですね。
メリハリあって、聴き応えがありました。

アンコールのエチュードは、猛烈なスピード。
一番早い部類に入りそうです。
ですが、ニュアンスもしっかりつけていました。
2曲目は、もう一度同じ即興曲でした。

全体として、音楽的には、とても個性がはっきり出ていて、素晴らしい演奏と感じました。
欲を言えば、少し音をはずす回数が多かったでしょうか。
最後の盛り上がりの大事な聴かせどころで、音がはずれたり、濁ってしまったり。
調子が良くなかったのか、はずし癖があるのかはわかりません。

来月、今度はベートーヴェンの後期三大ソナタを聴くので、その時どうなるでしょうか。

なお、今日のホールは、地方の小さな多目的ホールでした。
お世辞にも音が良いと言えないのが残念。
特に前半は、音が響いてきませんでした。
ピアノはたぶん、ヤマハのC7あたりか。
フルコンサートではなかったと思います。
スタンウェイのフルコンサートピアノばかり聴いていると、やはり物k足りなさを感じてしまいます。
※施設情報を調べてみたら、スタンウェイのD(フルコン)、ヤマハのCFⅢ(フルコン)、ヤマハのC2があるようです。
C2にしては、奥行きが長かったし、フルコンサートだとすると、脇にメーカー名が入っていなかったので、実際どうだったのか、よくわからなくなりました。

2009年9月17日 (木)

【再告知】地上波「N響アワー」にヌーブルジェ登場!

6/12(金)のNHK交響楽団とヌーブルジェとの協演の模様の、NHK地上波放送がいよいよ9/20(日)に迫ってきました。
再びのお知らせです。

演奏自体はBSとハイビジョンですでに放送済みです。
今回は、ヌーブルジェのインタビューが聞けます。

また、作曲家、西村朗氏がどのような解説をするのかも、興味深いところです。

【N響アワーリンク先】
http://www.nhk.or.jp/nkyouhour/prg/2009-09-20.html

2009年9月15日 (火)

芸術の秋~内田光子、ブーニン

8月の来日芸術家も少なく、一休みの月でした。

9月にはいり、これからいよいよ芸術の秋です。
国内、海外たくさんのピアニストが毎日のようにどこかでリサイタルを開いています。

サントリーホールで「S席10,000円以上」を便宜上ビッグネームとすると該当者は2人。

スタニスラフ・ブーニン(15,000円)と内田光子(13,000円)です。

内田光子を聴こうと思い、発売日の夜にネットからチケットの購入を試みましたが、すでに売り切れでした。
先行予約しておかなかったのが失敗でした。

聴く機会が少ない人ですから、もう少し頭をつかうべきでした。

追加公演やってくれないでしょうか。

ブーニンは、ショパンコンクールの時の若々しく、ダイナミックな演奏が好きでした。
ショパンコンクールで優勝した翌年の東京でのリサイタルを聴きました。ショパンコンクールで弾いた英雄ポロネーズが組み込まれていました。コンクールでの演奏はスケールが大きくリズム感あふれる素晴らしい演奏でした。私の中でしばらく1番の演奏でした。

コンクールの再現が聴ける!と喜んだのに、東京リサイタルでは、すでに弾き方が変わってしまっていました。
コンクール時のようにストレートな表現ではなく、ダイナミックさを少し抑えニュアンスを加えたものでした。

私はコンクールの時の演奏の方が好きでした。

その後のCDでは、さらに内省度を強めていっていますね。

ブーニン=ショパンコンクールの演奏というのがこびりついているので、どうも、最近の彼のリサイタルには触手が動かなくなりました。

ヌーブルジェも歳を重ねると変貌していくとは思うのですが、おとなしくならずに、今のラディカルさを失わないでほしいものです。

2009年9月14日 (月)

【動画】ヌーブルジェ・インタビュー

さらにナントのラ・フォル・ジュルネシリーズで、ヌーブルジェのインタビューの模様です。

もっとも、フランス語なので私にはさっぱりわかりません。途中で2~3回ベートーヴェンと言っているのだけ聞き取れました。

4分40秒間ヌーブルジェを眺めていたい方はどうぞ。

Folle Journée Neuburger / Bach 4/4 from Folle Journée on Vimeo.

横山幸雄 ピアノ・リサイタル@オペラシティコンサートホール(追記)

横山幸雄氏がFM東京の音楽番組を担当することになったそうです。番組のタイトルは未定。

昨日9/13(日)の横山幸雄のオール・ショパン・プログラムによるリサイタルもマイクがセットされており、いずれFMラジオで流されるとのことでした。

横山氏自身により案内がなされました。

昨日の感想記事はこちら↓
http://mykumasan.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-4b63-1.html

横山幸雄 ピアノ・リサイタル@東京オペラシティコンサートホール

今や「辻井伸行の先生」ということですっかり有名になっている(と思われる)横山幸雄のオール・ショパンのリサイタルに行ってきました。
昨年のオペラシティでのオール・ショパン・プロの続編で、ショパン20代後半の名曲の数々を聴くことができました。
(昨年のリサイタルも聴きました)

プログラムは3部構成。アンコールが5曲もあったので、実質4部構成という豪華なものです。

【第1部】
1.2つのノクターン op.27
2.即興曲 第1番 op.29
3.バラード第2番 op.38
4.スケルツォ第2番 op.31

【第2部】
5.4つのマズルカ op.33
6.ピアノ・ソナタ第2番 op.35

【第3部】
7.24の前奏曲 op.28

【アンコール】
1.ノクターン 第5番 op.15-2
2.ワルツ 第4番 op.34-3
3.マズルカ 第11番 op.17-2
4.エチュード op.25-6
5.エチュード op.10-3「別れの曲」

横山氏の演奏はたいへんまじめで、どの曲も破綻なく90点以上の完成度を誇り、今まで聴いたことのあるなじみの曲を今日も同じように聴く、という、ある意味クラッシックの基本どおりのものといえましょう。
音の出し方はマイルドで、激することなく、テンポは揺れず、知性で厳密にコントロールしています。

そうであるので、逆に、120点の新しい出会いを求めてライヴに足を運んでいる者としては、少し物足りなさを感じてしまうことは否めません。
好き嫌いは出るものの、海外のアーティストは自己主張が大変強い
わがヌーブルジェももちろんそうですし、ここ1年で出会った、コロベイニコフ、ルイサダ、メジューエワ、先日のマンゴ
ーヴァなども「言いたいことが山ほどある」というような演奏をします。

それらにくらべると、横山氏は極めてオーソドックスでおとなしくて、多くの人に理解されるけれど、冒険好きにはやや食い足りないということになりましょうか。

ノクターンは左手のリズムをしっかり保持し、右手もあまり揺れません。あえてロマン的表現を抑えているよう。
即興曲はわりと早めにさらさらと軽く弾きました。
バラード2番は対比の妙が特徴。もう少しダイナミックレンジの広さと、右手のきめが欲しいところ。
スケルツォもまじめな演奏で十分上手なのですが、諧謔(かいぎゃく)味とか楽しさの点ではいまひとつ。
マズルカもインテンポで舞曲的なノリがもっと欲しいか。
ソナタ2番、第1楽書のデモーニッシュな感じとか、第3楽章の緊張感やトリオでの超デリケート感がでるともっと嬉しい。

とここまで書いてくると、なんだかネガティブな感想ばかり。
でも、決して悪い演奏なのではなく「あと10点足りない何か」ばかりを思い出してしまう、ということです。

24の前奏曲も始めのうちは同じような雰囲気で進んでいくのですが、18曲目のヘ短調をすぎたあたりから、にわかに演奏が熱をおびてきました
そして、そこから最後の激情の24番まで、大変エネルギッシュでパッションあふれる音楽を聴かせてくれました。

その流れはアンコールに引き継がれ、アンコールの気楽さも手伝ってか、音楽がとてものびのびと、開放的になってきました。
有名なノクターン。やや早めのテンポで力を抜いて開放的に。
ワルツはその昔ブーニンがショパンコンクールで弾いた演奏が、日本では一世を風靡(ふうび)した曲です。あのような硬
質でディナーミクあふれたものとは違いますが、流麗でリズムカルでのりが良い。
マズルカは本プロよりもずっと舞曲的跳躍を感じました。
エチュード25-6は3度の難しいパッセージの連続。これもややソフトながらなかなかすごいスピードでユニークに表現。
最後の別れの曲も、緩急の対比あざやか。

思うに、これだけ長丁場(なんと14時開始17時終了)のプログラムです、24の前奏曲の途中から、ライブ特有の高揚感から「知性のたが」が少しはずれて、横山氏の「素の感情」が音楽に現れてきたのではないでしょうか。
実は、昨年のリサイタルでも同じような感じを受けたものでした。

横山氏の場合、少したががはずれたくらいの方がおもしろいのかもしれません。
(素人聴衆の身勝手な思いなので、音楽をよく知っているプロ級の人には怒られてしまいますね)

ところで、今日のリサイタルは、横山氏のサービス精神がたっぷりでした。
おそらく多数の初心者クラッシックファンを想定してのことでしょうか。
第2部の始まりの前にはマイクを持ってあいさつ。
第1部はダークグレーのスーツに赤いネクタイ、第2部はチャイナ風のスーツ、第3部は真っ白なジャケット、と衣装を替
えて登場。
アンコールは5曲の大判振る舞い。
最後に「別れの曲」が弾かれたときには、開場からは思わず笑い声が巻き起こりました。

ホールはほぼ満席。
聴衆は最近とみに有名になった横山幸雄のショパンを聴くべく、にわかファンが多かったように思われます。
拍手のタイミングがことごとく早い。
拍手と同時にかなりのざわめきがおこる。
演奏中、がさごそ音が多い。物の落ちる音もする。
昨年のリサイタルとは、だいぶ雰囲気が変わっていました。

マスメディアの力はほんとうに凄いものがあります。

2009年9月13日 (日)

【動画】バッハ:イギリス組曲第2番「プレリュード」(レクチャー)

ナント、ラ・フォル・ジュルネでの動画シリーズです。

イギリス組曲第2番の「プレリュード」をレクチャーするヌーブルジェ。

Folle Journée Neuburger / Bach 3/4 from Folle Journée on Vimeo.

2009年9月12日 (土)

【動画】バッハ:イギリス組曲第2番レクチャー

2009年のナントのラ・フォル・ジュルネの際、作られた動画です。以前、プレイエルでバッハ:イギリス組曲第2番を弾くヌーブルジェの動画を紹介しましたが、それと同じシリーズです。

イギリス組曲第2番のレクチャーをしています。
フランス語ですが、何となく何を言っているかは想像できます。

Folle Journée Neuburger / Bach 2/4 from Folle Journée on Vimeo.

ラ・フォル・ジュルネからの情報

と言っても、来年のラ・フォル・ジュルネについては新たな情報は入りませんでした。

ルネ・マルタン氏がラ・フォル・ジュルネの歴史と東京丸の内でのラ・ファオル・ジュルネについて語った動画が見られます。

http://www.marunouchi.com/thinx/09_01-rene_martin-la_falle_journee.html

本場ナントのラ・フォル・ジュルネと比べて、東京での開催がいかに巨大なものであることでしょう!来場者数が一桁違います。

東京のラ・フォル・ジュルネは、初年度はクラッシック未体験者が60%だったといいます。
当日、早い者勝ちで入場できた。
今や、人気が出すぎて、ほとんどのチケットが前売り。
当日券はごくわずか、ということになってしまいました。

おそらく、聴きに行く人も、ある程度クラッシックに親しんだ人の割合が増えているに違いありません。

人気が出たおかげで、初心者が聴きにくくなってしまった。
皮肉なものです。(まあ、想像ですが)

来年の前売りチケットも、きっと争奪戦になることでしょう。
今年は運良く、ヌーブルジェを全部取ることができましたが、少しづつ人気も出ていることでしょうし、来年は果たして取れるかどうか。

お願いだから、座席数150とかいうのは、勘弁して欲しいものです。

あまりにも競争率が高すぎる(-_-;)

2009年9月 9日 (水)

プラメナ・マンゴーヴァ ピアノ・ リサイタル@紀尾井ホール

プラメナ・マンゴーヴァ。1980年ブルガリアの生まれ。2007年のエリーザベト王妃国際コンクールで第2位。ラ・フォル・ジュルネの常連。つまり、ピアニストおたくの(!)のルネ・マルタン・ファミリーです。

先ほどまで、紀尾井ホールでのリサイタルを聴いてきました。
大変楽しいリサイタルで満足でした

【前半】
1.シューベルト:ピアノ・ソナタ第4番 イ短調 D537
2.シューベルト(リスト編):
        嵐の朝(歌曲集「冬の旅」から)
        幻の太陽(歌曲集「冬の旅」から)
        アトラス(歌曲集「白鳥の歌」から)
3.リスト:メフィスト・ワルツ

【後半】
4.ショパン:練習曲 変イ長調 op.25-1
        練習曲 嬰ハ短調 op.25-7
        練習曲 ハ短調 op.25-12
        バラード第1番 ト短調 op.23
5.ラヴェル:道化師の朝の歌(「鏡」から)
6.ヒナステラ:3つのアルゼンチン舞曲 op.2

【アンコール】
グリーグ:ノクターン
シュスタコーヴィッチ:プレリュード op.34-20
              プレリュード op.34-6

マンゴーヴァは、おそらく100㎏を超えているであろう巨漢。さぞや大音量が響くのかと思いきやそんなことはない。
十分繊細で、力まずに弾いている。
その音色は豊かで暖かく、音楽性にあふれていました。
特に低音の響きは特筆するものがありました。

まだ古典的色彩の強いシューベルトの初期のソナタでは、優しく端正さを失わずに、リストは華麗ながら決してヒステリックにならない。

ショパンのエチュードはややスピードを控え(25-1、12)情感たっぷりに、エチュードと思わせないような「音楽」を奏でます。名手によるビックリ仰天のような超絶エチュードも良いですが、こういう、じっくり聴かせるエチュードもまた新鮮でした。

op.25-7の嬰ハ短調エチュードは、ヌーブルジェが今年のリサイタルでアンコールで弾きました。
ヌーブルジェはこの手の曲になると、非常にテンポを落とし、インテンポで集中して息を殺したような演奏をします。
今日のマンゴーヴァは対照的で、やや早めのテンポでもっとリラックスした音楽を聴かせます。

バラードはルバートやアゴーギク(テンポの揺れ)をかなり多用し、相当ロマンティックな演奏でした。ややもするといやらしくなりそうな演奏ですが、大きな音楽の流れの中では違和感がなく、ひとつの世界を作っていたと思います。
同じロマン派でもウィーンの古典派の流れをくむシューベルトに対するのとは明らかに異なったアプローチで弾きわけていました。

ラヴェルになると、今度は音色をがらりと変えてきて、クリスタル的な響きを出し、リズム感も抜群です。

最後のヒナステラ。初めて聴く曲でしたが、大変楽しめました。
ラヴェル風の第1曲(年老いた牛飼いの踊り)、ノクターン風の第2曲(粋な娘の踊り)、そしてジャズ風の第3曲(やくざなガウチョの踊り)。
第3曲はノリノリ。思わず笑みがこぼれてしまいました。マランボという舞曲だそうで、ガウチョとはカウボーイのことらしいです。

アンコールはグリーグでクールダウンし、シュスタコで軽くお遊びという感じでした。

最初マンゴーヴァが出てきたときには、あっと息を飲むほど病的なくらいの巨漢なので『大丈夫なのだろうか?』と正直、心配しました。しかし、リサイタルが終わる頃には、逆にその巨体がチャーミングに感じ、何のぎこちなさもなく軽々と弾ききった技術に感心しました。

ところで、今日の曲にはグリッサンドがたくさん出てきました。
メフィストワルツで1回、ラヴェルで数回、シュスタコで1回。
プロなら当然なのでしょうが、実に滑らかで素晴らしい音響効果を出すので目を見張ってしまいました。

「ラヴェル先生、爪が割れてしまいます」と弟子が言ったとか聞いたことがありますが、私の柔な指だったら、あんなにグリッサンド弾いたらまず確実に爪が割れます。

ヌーブルジェの演奏はブリリアントでモダンで、また、ある意味聴く者の居住まいを正すような緊張を強いるような感じがあり、「次に何が起こるか」という期待をいだかせるものです。アバンギャルドと言えるでしょう。

マンゴーヴァはずっと柔らかくクラッシックで、ゆったりと音楽を楽しめるような雰囲気に包まれていたと思います。

2009年9月 8日 (火)

ヌーブルジェ海外コンサート情報8

12月9日、パリで協奏曲を弾きます。

ブラームスピアノ協奏曲第1番 ニ短調 Op.15
(ラムルー管弦楽団)

たぶん、また瑞々しい演奏なのでしょうね。
2番より、1番の方が今のヌーブルジェには合っていると思います。

それにしても、新しい情報がまだほとんど出てきません。
来年のラ・フォル・ジュルネのこと、来日リサイタルのこと、ショパンのDVD-BOXのこと。

何せ、グーグルで検索してもヤフーで検索しても、とうとう私のこのブログがトップに表示されるようになってしまいました。
これだけしつこく書いてれば当たり前か・・・

2009年9月 4日 (金)

遠いバッハ演奏の道(-_-;)

ピアノのレッスンを云十年ぶりに再開して早5ヶ月を経過しました。

昔はさらわなかった、バッハの二声のインヴェンションを、お願いしてみてもらっています。

なぜなら、大好きなバッハの数々のクラヴィーアの名作を、この手で弾いてみたかったからです。

ヌーブルジェが弾いたイギリス組曲の2番を筆頭に、
フランス組曲2番、5番
パルティータ1番、2番、6番
イタリア協奏曲
半音階的幻想曲とフーガ
トッカータハ短調
平均律
ゴールドベルク変奏曲
等々

しかしです。

5ヶ月経って、未だインヴェンションの3曲目。
しかも、13番イ短調は、もう1ヶ月半以上練習していて、まだ譜読みでえっちらおっちらです。

二声が15曲、三声が15曲の計30曲もあります。

この調子でいくと、30曲あげるのに、5年かかってしまいます。
もちろん、指と脳が進歩しているのがわかるので、だんだんあげるのは早くなるとは思いますが、3年4年はかかりそうです。

気が遠くなります。

でも、その道を通らないと、次のステージには行けない。
イギリス組曲の2番などをバリバリ弾けた日には、快感で昇天してしまうことでしょう。

その日を夢見て、粘り強く頑張ることとしましょう。

ヌーブルジェなんて、きっと、あらゆる曲を初見である程度弾けてしまうのでしょうね。
プロだし、天才だし。

そういえばその昔、「すべてのピアノ曲はポリーニのためにある」などと書かれた文章を読んだことがあります。

この際
「すべてのピアノ曲はヌーブルジェのためにもある」
と借用してしまいましょう。

2009年9月 3日 (木)

坂本龍一との共通点

先日、NHKの番組「爆笑問題のニッポンの教養」に坂本龍一が出演していました。

昔から彼は述べていました。
音楽の歌詞が言葉として入ってこない、音として入ってくる。

今回の放送でも同じことを言っていました。

この傾向は、実は私も同じなのです。
歌詞つきの音楽も聴くものの、ちっとも詞の内容が頭に残らない。
だから、歌詞を覚えるのがとても苦手です。

それでも、多少覚えている曲もあります。
ところが、やはり詞の意味などほとんど意識にない。

爆笑の太田が良いと力説していたサザン・オールスターズにしても、有名な曲くらいはかなり知っているし、カラオケでも歌えます。
しかし、詞の意味などどうでもよくて、サウンドだけが好きといっても過言ではありません。

友人などが「この曲いいよね」というとき、「詞の内容が良いよね」ということが結構ありました。
私が良いと思ってもほとんど「サウンドが良い」としか思っていないので、同床異夢というか、ちっとも感覚を共有
できていなかったりしたのでした。

ヌーブルジェはどうなのでしょうか。
動画で確か歌を歌っていたような。
詞に反応するヌーブルジェってあまり想像できないですけどね。

2009年9月 1日 (火)

おいしいコンサート

昔はコンサートにあまり足を運ばなかったので、CDが出ているメジャーなピアニストしか知り得ず、そういう狭い世界での聴き方で凄い凄いとはしゃいでいました。

ここ数年、ようやく狭い世界から少し踏み出して、コンサートにも実際に足をはこび、世評にとらわれない聴き方をしようと、少し変わってきました。

先週のイリーナ・メジューエワとの出会いもそういう中で生まれました。

今日は、地元の小さなコンサートホールで開かれる、山本貴志によるショパン作品のレクチャー・コンサートのチケットを入手しました。

山本貴志は前回2005年のショパンコンクールで4位に入賞した若手ピアニスト。
なんでも、優勝したラファウ・ブレハッチと同じくらい、聴衆から支持されていた、とのふれこみです。
今までは、たまたまノーチェックでした。

10月に浜離宮朝日ホールで行われる、ベートーヴェン後期ソナタのリサイタルは、前々から手に入れていました。
こちらもお手頃で、4000円です。

ところが、今回みつけた地元でのレクチャー・コンサートは、なんと、2500円。2枚購入したら、割引で2250円でした。

仮にも世界のショパンコンクールで4位に入賞した俊英の演奏が、たったの2250円で、しかも、レクチャー付きで鑑賞できるとは、何ともうれしいかぎりです。

これで、演奏が気に入れば、さらにおいしいということになります。

あっという間にメジャー街道に躍り出てしまった辻井伸行も良いけれど、実力と魅力を備えたピアニストは、国内・国外問わず、まだまだ数多くいることでしょう。

ヌーブルジェを大発見して悦に入っていますが、他のピアニストとの出会いによっても、もっともっと豊かな音楽ライフを送ることができるに違いありません。

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