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2009年9月30日 (水)

河村尚子 ピアノ・リサイタル@紀尾井ホール(2)

河村尚子の後半のプログラムを中心に。

メンデルスゾーンの厳格なる変奏曲。
聴き慣れていない曲だったので、イリーナ・メジューエワの若い頃のCDを求めて、予習していきました。
そのメジューエワの演奏が尋常でない
あの愛くるしい風貌のどこに、激しくも暗い情念が宿っているのか。
かなり衝撃を受けたままのぞんでしまったので、河村尚子の演奏は、ごく普通に美しい、という印象になってしまいました。

ショパンは、からだに染みついているのだな、と思わせる演奏。
何ヶ月か前の音楽雑誌で、ポーランド人の先生に実際の舞曲を踊らされたとあったくらいですから、ショパンは得意なのでしょう。
音色をはっきり違えてきているのもよくわかりました。

華麗なる変奏曲は良く知らないなあ、と思いながら聴いてみると、あれ、どこかで聴いたことがある。
ル・ジュルナル・ド・ショパンだったか?
帰りがけにやっと気付きました。
ヌーブルジェのオーベル・シュル・オワーズ・ライブCDの1曲目ではありませんか!
自分の過去のCD鑑賞記事を見たら「あまりなじみがないので、もっとよく聴き込まねば」と保留したまま放置してありました。
不覚でした。
ヌーブルジェの演奏は、彼らしい清純で瑞々しくクリスタルな響きの演奏です。
河村尚子はずっとお姉さんで、色っぽいという感じ。

ショパン遺作のノクターン「レント・コン・エスプレシオーネ」
映画「戦場のピアニスト」のテーマ音楽。
フジテレビドラマ「風のガーデン」のエンディングのテーマ。
昨年、アンヌ・ケフェレックを聴き、今年、ヤノシュ・オレイニチャクを聴いています。
自分でも遊びで何とか弾けます。
なので、楽譜は隅から隅まで知っています。
かつての一般的なエディションと、エキエルによるナショナル・エディションの違いも知っています。
河村尚子は一般的なエディションによっていました。
「戦場のピアニスト」で弾かれたのと同じ弾き方。
しかし、オレイニチャクとは全然ちがって、しっとりと、激さず、抑え気味の表現でした。
私は最近エキエル版によって弾いていたので、かなり違う曲に聞こえました。

ワルツはリズム良く、流麗で華やか。とても良い感じ。

幻想ポロネーズは少し若かったでしょうか。
まだ彼女は、死にゆく芸術家の魂を表現するには、若くて健康的すぎるのかも。

アンコールは5曲の大盤振る舞い。
ドビュッシーは私がほしい音とはちょっと傾向が違う感じ。
ウィーン系の曲はなかなかすばらしい。
ショパン・エチュードは、いわゆる技巧系の弾き方ではなく、表情をたっぷりつけた、先日のマンゴーヴァのようなアプローチ。
楽しめました。

全体としては十分満足でした。
アンヌ・ケフェレックを聴いたときのように、良い意味の女流らしく、繊細ながら艶っぽくて、楽しんで聴けるタイプの演奏だったと思います。

ヌーブルジェやメジューエワ系、つまり、聴く者の居住まいを正すようなタイプとは違います。

この日はA席だったので、1階の一番後ろの席でした。
しかし、紀尾井ホールだと音は十分美しく響いてきます。
表情とかはよく見えませんが・・・
3,500円とリーズナブル
こういう値段で、一流の演奏にたくさん接することができるようになったということは、日本にもクラッシック音楽文化がだいぶ根付い
てきたのだぁと、やや感慨深いものがあります。

あと、河村さんはステージ上の立ち居振る舞いが実に堂々としています。
とても28歳とは思えぬ貫禄でした。

ちなみに、テレビカメラが入っていました。
どこかで放映されると思いますが、情報は得ていません。

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コメント

あふらっとさま:

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まだ使い方がよくわかりませんが・・・
おいおい、つぶやきだしましょう。

あふらっとさま:

コメントありがとうございます。
日本人のピアニストも、聴くに値する人が増えてきて、嬉しいですね。

私の場合ヌーブルジェという物差しがあるので、それに比べてどうだ、といような聴き方をしてしまします。

いずれライブで聴いたピアニストのマトリックスでも作ってみようかななどど

こんばんは。
河村尚子はRCAから出ている「夜想〜ショパンの世界」のCDを聴いていたのですが、とんだり・はねたりは想像できませんでした!ライブだとそういうところも見れて楽しいですね。
音楽はというと、仰る通りしっとりとした抑えぎみの表現で、華麗なる変奏曲やアンダンテ・スピアナートをヌーブルジェと比べると良く分かります。お姉さんと言う表現がぴったりで、いい意味で女流ピアニストという言葉にも、その通り!と頷きました。好きなピアニストの1人ですので今後も聴いていこうと思ってます。

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