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2009年8月20日 (木)

NHK「知るを楽しむ」のグレン・グールド3つづき~モーツァルト、バッハ、ブラームス

「知るを楽しむ、私のこだわり人物伝:グレン・グールド第3回」の感想のつづきです。

今回見ていて、ハタと気がついたのが、グールドの演奏のすばらしさはAV機器の質にあまり左右されない、ということです。

我が家のテレビはかなり旧式で、音はお世辞にも良いといえません。
ピアノリサイタルをせっかく録画しても、再生してみてピアニストの音色の特色があまりわかりません。
生を知っている演奏家の場合だと、脳に彼らのピアノの音色がインプットされているので、おそらく、テレ
ビで鑑賞していても、自分で勝手にバイアスをかけて、その演奏家らしい音と思って聴いているのかもしれません。

ヌーブルジェなどまさにそうで、まだ耳にライブでのヌーブルジェの音がこびりついているので、その記憶を絶対に重ねて聴いていると思います。

ですから、まったく知らないピアニストの演奏を初めてテレビで聴いたときなどは、よほどエキセントリックである場合を除いて、響きや音色の特徴などを確実に把握はできていないと思います。

ところがです。
グールドの演奏の場合、ピアノの響きを重視しておらず、旋律の絡み合いを強調した演奏なので、多少、A
V機器の音質が悪くてピアノの響き具合や音色がわからずとも、演奏の醍醐味を堪能できるのです。

今回、バッハ:イギリス組曲を録音するために何度もテイクをやりなおすグールドの映像が流されました。
テイクのたびに、解釈を変え、スピードを速めたり、遅めたり。
そのいずれのテイクも素晴らしく、目を見張らざるを得ない魅力にあふれたものとなっています。
音の良し悪しはまったく気になりません。

ブラームスの演奏は音だけ流れました。有名な間奏曲のOp.117-1です。
ブラームスはロマン派の大家ですから、普通ピアノで弾く場合は、相当ピアノの響き具合を意識して弾くの
だと思います。
ですが、グールドの場合、ピアノに依存した表現を超越しています。
これは、彼が直接語っていることでもあります。
なので、テレビという貧弱なAVメディアであっても、ブラームスのロマン性がしっかり伝わってきます。

ピアノのレッスンをしているときには、いかに美しく響かせるかということを、かなり意識的に練習しなければならないものです。
音楽を作る、ということと、ピアノをうまく響かせる、ということは不可分のように思えます。

ところが、グールドはそういう世界に住んでいなかった。
もちろん、晩年の優れた録音で聴くグールドのピアノの響きは独特の美しさを備えているものの、その美しさはグ
ールドの音楽の本質ではないことでしょう。

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