i-Podの過信に注意
我が家のオーディオ環境は恵まれていません。
まず、オーディオ装置を置くスペースがない。
仮に小さなのを置いたにしても、音を出して聴ける時間に家にいることは少ない。
クラッシックをちまちました音量で聴いても、まったくつまらないので、結局オーディオ装置は用意してありません。
やむなく、2年前まではコンパクトCDプレーヤーにイヤホンかヘッドホンをつないで聴いていました。
i-Podが便利らしいという話は聞いていましたが、クラッシック音楽の音を圧縮してどうする!と、歯牙にもかけていませんでした。
その後、ある事情により、しかたなくi-Podを購入し、CDを取り込んで聴くようになりました。
一番音質が劣化しない取り込み方をして聴いてみると、まずまず聴けるので、こんなことならもっと早く買っていれば良かったと後悔しました。
今ではやっと2500トラック程度(約40GB)を取り込み、通勤途中などで聴いています。
CDプレーヤーはお蔵入り状態でした。
新しいCDを買うと、まずはi-Podに取り込んでから、i-Podで聴く習慣ができてしまいました。
これが大失敗だと気がつきました。
ヌーブルジェのハンマークラヴェーアソナタが入った最新のCDを、先日のサントリーホールで先行販売したので買い求め、そろそろCDの鑑賞記でも書こうかと、何度か聴いてみました。
ところが、どうも録音された演奏があまりピンとこない。
もちろん、リサイタルでのヌーブルジェのパーフォーマンスが素晴らしかったので、どうしてもそれと比べてしまい、スタジオ録音だとこんなものなのかな、と諦めかけていました。
昨日、ふと思い立って、お蔵入りだったCDプレーヤーを引っ張り出してきて、CDで直接ハンマークラヴェーアソナタを聴いてみました。
唖然としました。
i-Podで聴くのと、まったく違う音楽になっている。
リサイタルでのライブの演奏に、かなり近い。
リサイタルの記憶が沸々と蘇ってきて、感激でした。
いったい何が違ったかというと、音の響き具合と深さが全然違う。
i-Podでは、響きが少なく、音がポツポツと痩せてしまっていて、音楽に厚みがない。
特に低音部の響き具合などは、ライブを彷彿とさせるCDプレーヤーに対し、i-Podはまったくなっていない。
また、ヌーブルジェのリズム感も、音がポツポツのi-Podでは、心地よく伝わってこない。
いやいや、参りました。
大反省です。
たぶん、CDの録音状態によって、かくも差が出る場合と、そうでない場合があるのかもしれません。
i-Pod過信するべからず。
これからは、まず一度はきちんとCDプレーヤーで聴くことにします。
もし同じ聴き方をしている方がいらっしゃったら、今回のヌーブルジェのCDに関しては、ぜひオリジナルのCDの音を聴くことをお勧めします。
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