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2009年6月30日 (火)

アレクサンダー・ガブリリュク リサイタル@さいたま芸術劇場

2000年の浜松国際音楽コンクールを弱冠16歳で制したガブリリュクを聴いてきました。
プログラムは以下のとおり。

【前半】
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 作品13 「悲愴」
ショパン:ポロネーズ第3番イ長調 作品40-1 「軍隊」
ショパン:即興曲第1番変イ長調 作品29
ショパン:夜想曲第8番変ニ長調 作品27-2
リスト:メフィスト・ワルツ第1番 (村の居酒屋での踊り)S514

【後半】
ストラヴィンスキー:《ペトルーシュカ》からの3楽章
ラフマニノフ:10の前奏曲作品23より 第1,2,5,6,7番
ビゼー(ホロヴィッツ編曲):カルメン変奏曲

【アンコール】
モーツァルト:ロンドニ長調 K.485
リムスキー=コルサコフ/ジョルジ・シフラ:熊蜂の飛行
ラフマニノフ:楽興の時から2曲
モーツァルト/ヴォロードス:トルコ行進曲

盛りだくさんで恐れ入りました。

実は、この日(6/28)体調がイマイチで、演奏が始まるや否や睡魔に襲われ、前半のよく知ったショパンまでの演奏はほとんど頭にはいってきませんでした。
演奏のせいではなく、私の体調のせいです。

やっとこ思い出せるのが、悲愴のグラーヴェのピアノの部分がデリケートだったこととか、軍隊ポロネーズは随分ゆっくり奏でるな、とかくらいで、ノクターンにいたっては残念ながら全く思い出せず(-_-;)

リストくらいから、ようやく少し冴えてきました。
ただ、あまり親しんでいた曲ではなく、準備もしていかなかったので、詳しい分析はできません。
(とくにラフマニノフはだめです)

言えることは、とにかく技巧的には大したものだ、ということ。
音質は重厚で、地響きのようであり、ドスがきいたものでした。
メフィストワルツは速く弾かずに、重量級の機関銃のよう。
ペトルーシュカはポリーニの圧倒的なデビュー盤で聴いていましたが、重さの違いに唖然でした。
これがロシア(ウクライナ)の音なのでしょうか。
カルメン変奏曲は私にとって懐かしい曲です。
ホロヴィッツの悪のり気味とも言えるトランスクリプションです。
これまたドドドッと弾ききる。

超絶技巧は良くわかったけれど、打楽器系の曲がずっと続いたので、おじさんの耳にはちと辛いものがありました。

だもので、アンコールのモーツァルトのロンドは、たいへん可憐に弾いてくれたので、一種の清涼剤的効果があってホッとしました。

ところが、その後、なんと4曲もまたまた超絶技巧の嵐!
最後のトルコ行進曲にいたっては、この世のものと思えない悪趣味なトランスクリプション。
でもまあ、メロディーはわかるし、とにかく超ド級(※)の派手さであったので、聴衆には大受け。
なんと、1/3くらいスタンディングオベーションになってしまいました。

ここまで技巧をアピールする必要があったのか?
サービス精神なのか?
あそこまでいくと、もはや芸術というより、エンタテイメントです。
だから、楽しかったといえば、楽しかった。
それと、さいたま芸術劇場はたいへん音がよろしかった。
聴衆の拍手もホール中に充満し、ダイレクトに演奏者に伝わるので、それが演奏者との一体感を生んでいるような感じ
がしました。
だから、ガブリリュクは5曲もアンコールを弾き、聴衆はスタンディングしたのだと思います。

ただ、ああいうデリケートなモーツァルトが弾けるのですから、私はもっと洗練された優しい音楽を聴いてみたいです
趣味の問題と言ってしまえばそれまでですが・・・

ヌーブルジェだったら、メフィストワルツやペトルーシュカは全く違う音楽になることでしょう。
響きが聞こえるようです。

※「超ド級」というのは、1906年にイギリス海軍が建造した、当時、他を圧倒する性能をもった大型戦艦「ドレッドノート」の頭文字「ド」をとって、そのような戦艦を日本では「弩級艦」と言ったことに由来します。
転じて、他を圧倒するもの、特にサイズが大きいものを「ド級」「超ド級」と言うようになりました。
ですので、「ド」がカタカナであるのには訳があるのです。
豆知識でした。

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