最近のトラックバック

« ツィメルマン(ツィマーマン)リサイタル@横浜みなとみらいホール | トップページ | いよいよサントリーホールへ »

2009年6月19日 (金)

ベートーヴェン:ハンマークラヴィーアソナタ

いよいよ明日はヌーブルジェ・リサイタル。

よく考えてみると、明日のプログラムは全くミーハーでなく、ピアノが好きな人でも全曲とも聴いたことがない、という可能性も十分あると思います。
果たしてサントリーホールが十分埋まるのか、少し不安を覚えないわけでもありません。

プログラム後半はベートーヴェンのピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」です。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタでは最大、古今のソナタの中でも最大級で演奏時間は40分あまりもかかります。
大変な難曲とされており、ベートーヴェン自身が「あと50年もすれば弾かれるだろう」と語ったという話は有名です。

どこが難曲かということについて、園田高広さんらのサイトを参考にまとめてみると。
1.とにかく長いこと(特に第3楽章のアダージョが20分もあり、緊張を持続するのが困難)
2.技術的に克服することが難しいこと(特に第4楽章のフーガなど)
3.作品が理解しがたいこと(特異な表現、複雑な構造など)

ただ、アルフレッド・ブレンデルは、ただ長いだけであって、第4楽章は3声のフーガにすぎないなどと語ったことがあるようです。

私は若い頃かなりこの曲は聴きこんだので、もうそれほど理解するのが困難とは思わなくなりました。
近現代の構造のわかりにくい曲や、旋律のない曲に比べれば、およそわかりやすいです。

第1楽章はがっちりしたソナタ形式。
明るく雄大な主題は大変わかりやすいです。
出だしが左手の跳躍で始まります。結構左手で跳ぶのは大変です。
ここを、左手と右手で弾きわけることは可能です。
ですが、そうしてしまうとベートーヴェンの意図に反する。
そんな文章をどこかで読んだことがあります。
ヌーブルジェはもちろん、左手で跳ぶことでしょう。

提示部はきっちり2回繰り返されます。
展開部では主題が単旋律になって、右手と左手とで対位法的に扱われます。

再現部、また最初の雄大な主題が同じ旋律で復活するので、迷うことはありません。

終結部、主題が思い出のように断片的に現れて徐々に音量が落ちてくるので、いかにも終わりますという流れです。

第2楽章は三部形式のスケルツォ。
歯切れのよい主部に対して、流れるような中間部。当時のピアノの全音域を駆け上がるスケールを経て、再び主部へ。

第3楽章が、長い長い緊張感あふれるアダージョ。
これを眠くならないように弾けるかがピアニストの腕の見せ所ですね。
ソフトペダルを踏む指示がしてあります。
形式ははっきりしないようですが大きな2部形式といえるようです。幻想的な趣です。

寂しく悲しげな第1の主題。
シンコペーションのリズムを伴う胸をしめつけるような第2の主題。
そして、長調によるほっとする第3の主題。

これが2回目には、第1主題はバスの和声進行のみに残され、右手は華やかに装飾されています。
第2主題は一転長調で現れる。
第3主題は比較的同じ感じで現れます。

終結部では3つの主題が回想的に現れ静かに閉じます。

この楽章がヌーブルジェとしては「泣かせどころ」であることでしょう。

第4楽章 序奏のラルゴに続いて、演奏困難と言われるフーガが始まります。
フーガを分析するほどの力は私にはありません。
楽譜を眺めると、とにかく転調の嵐であるのにびっくりします。
確かに、非常に複雑な様相を呈していますが、フーガの主題はスケールによる上り下り、スタッカートによる跳躍、そして幾分不協和のトリルという要素が、上下が逆さまになったり、様々に絡み合ってぐいぐい進むので、統一感があり、結構楽しく聴けます。

これ以上くどくど書いたところでしかたがないので、少し曲の特徴を頭に入れたうえで、明日のリサイタルには万全の集中をもって臨みたいと思います。

(楽曲の分析についてはPITINAのサイトなどを参考にしました)

« ツィメルマン(ツィマーマン)リサイタル@横浜みなとみらいホール | トップページ | いよいよサントリーホールへ »

随想」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ベートーヴェン:ハンマークラヴィーアソナタ:

« ツィメルマン(ツィマーマン)リサイタル@横浜みなとみらいホール | トップページ | いよいよサントリーホールへ »

twitter

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ