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2009年6月 7日 (日)

ジャン=マルク・ルイサダ リサイタル@紀尾井ホール

昨年秋のル・ジュルナル・ド・ショパンや、当然その前に発売されている2種類のライブ録音においての、ヌーブルジェの、明るくそしてシャープなショパンの演奏が、私の耳に強烈に残響を残しています

困ったことに、それが基準になってしまい、一流であるはずの演奏家のショパン演奏を聴いても、なかなか満足できなくなってしまいました。

今日は、フランス人の名手、ジャン=マルク・ルイサダのリサイタルを東京四谷の紀尾井ホールにて聴いてきました。
曲目は以下のとおり。

【前半】
ショパン:3つのノクターン op.9
      2つのノクターン op.27
      ノクターン第17番 ロ短調 op.62-1
     ノクターン第13番 ハ短調 op.48-1
J.S.バッハ:フランス組曲 第5番 BWV816

【後半】
シューマン:子供の情景 op.15
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調「熱情」op.57

【アンコール】
ドビュッシー:沈める寺
シューマン:アラベスク
         楽しき農夫

ショパンのノクターンは、たぶん、センスの良い演奏だと思います。
と、自信なさげなのは、私の大好きな27-1と48-1がやや物足りなかったのです。
こう、もっと緊張感があって、爆発するところは大爆発して欲しい。
ルイサダは、この間聴いたオレイニチャクと同様、過度な音量を控えて、ノーブルな感じに弾くので、
大暴れはしないのです。

CDで聴くワルツは、結構遊んでいるのですが、今日のノクターンはおとなしめの感じがしました。(もっとも、9-2ではショパンの弟子の楽譜などに残っている華麗な装飾をいれたりしてはいました)

バッハのフランス組曲は、最初のアルマンドが非常にゆっくりしたテンポで始まります。
そして、ショパンを弾くような優しい音楽の作り。リピートで折り返すところなど、それはそれは慈し
むような再現のしかたをします。
その後も、ショパン風のゆったりした流れが続き、最後のジーグはスピード感は増したものの
、リズミカルというよりは、流麗で、やはりロマン的な演奏でした。

何でもありのバッハですから、こういう演奏もありでしょう。
でも、ちょっと好き嫌いがあるかもしれません。
ルイサダの特徴が、今回一番よくわかった演奏でした。

後半開始のシューマン子供の情景は、ルイサダには一番お似合いだと思いました。
ツェルニー30番練習中の私でも、何曲かは(一応)弾けるやさしい曲で、やさしいだけにこれを鑑賞に
堪えるように弾くのは、逆に難しいものです。
ルイサダは、ニュアンスたっぷりに、同じメロディーでも同じには弾かず、そして、洒落たルバートを
用いて、飽きさせずに聴かせてくれました。

さて、トリの熱情ソナタです。
先日、王子ホールでコロベイニコフを聴いたばかり。
嫌でも比較してしまいます。

ルイサダは、バッハを聴いての予想どおりというか、歌うべきフレーズを、歌いすぎてしまうきらいがあります。ベートーヴェンは、そんなに音をのび縮みさせなくても良いのに、という感じです。
もっとシンプルであってほしかった。
あと、決めどころの高音部のフォルテシモが、結構濁っていたりしていました。
「らしさ」の点ではコロベイニコフの方がしっくりくるし技術的にも安定していたと思います。
やはりルイサダはロマン派があっているのではないでしょうか。

今日のピアノは、はっきり確認しませんでしたが、ヤマハだったと思われます。
そのせいなのか、どうなのか、全体を通じて、高音の張りというか艶やかさが不足気味だった感じです。

アンコールではまず、フランスものでドビュッシー。お手のものなのでしょう。(私は論評できるほど知りません)
シューマンアラベスクでは、曲が始まった瞬間、会場にため息があふれました。「お、知ってる」とい
うことですね。やはりシューマンは良い感じです。のびのび弾いています。
(途中、調子に乗りすぎて、間違えて弾き直したのにはびっくりしましたが)
最後は、「楽しき農夫」をちょちょいと弾いて、会場の笑いを誘い、終演でした。

「もっと輝きとリズムを!」
ヌーブルジェファンの私としては、これが今回の感想です。

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コメント

ゆりあさま:

いらっしゃいませ(^o^)

バッハとベートーヴェンは、私もルイサダのスタイルにはあまり合わない気がします。
ただ、様式感を抜きにすれば、ああいうロマンティックバッハも音楽としては成り立つのかもしれません。

譜めくりのお兄さんは何だったのでしょうね?
楽譜読めてないのではと思うほど、ボロボロのタイミングでしたね。
めくって欲しいタイミングの都度、ルイサダが合図を送らなければならないとは、さぞかし弾きづらかったのではないでしょうか。

一度は間に合わなくて、ルイサダが思わず自分でめくってましたね。

ルイサダの考えもあるとはいえ、見ていてハラハラするので、私はやはり暗譜で弾いてほしいと思いました。
ライブの場合、音楽を聴くのは耳だけでなく、目でも聴きますからね。


 はじめまして。
 昨日のルイサダ公演、私は1階席の真ん中あたりで聴きました。

 譜めくりしていた方は、どういう方なんでしょう?
 ルイサダと息が合わなかったのか、めくろうとするとルイサダに止められていたりしましたね。あんな光景は見たことがなかったので、あれれと思いました。

 ルイサダはショパン弾きなんだなあ、と思いました。
 私としては、最初に連続して弾いた一連のショパン作品が一番よかったです。フランス的な明るさがあり、たぶんルイサダ自身もこの曲がすごく好きなんだろうなあ、と思えました。
 シューマンも、おっしゃるとおり、良かったと思います。
 バッハは、どうも今ひとつ。技術的にはもちろん上手なのでしょうが、ルイサダには合わない気が・・・ドイツ人がきっちりと弾いた方がこの曲らしいのではないかと思いました。

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