最近のトラックバック

« NHK交響楽団定期公演(ヌーブルジェ出演)のテレビ放送 | トップページ | NHK交響楽団定期公演の地上波テレビ放送 »

2009年6月 9日 (火)

再びベートーヴェンピアノ協奏曲第1番

ヌーブルジェコンサート・カウントダウン
NHK交響楽団定期公演まで、あと3日。
サントリーホールリサイタルまで、あと11日。

アンドラーシュ・シフが昨年の12月から今年の3月にかけて、スーパー・ピアノレッスンの講師を務め、ベートーヴェンのピアノ協奏曲を若いプロ演奏家たちに教えました。

始めの3回はうっかり見そびれ、4回目からはしっかりビデオに撮ってあります。

その4回目が、ピアノ協奏曲第1番の第2楽章と第3楽章だったので、見返してみました。
シフの教え方はまことに明確で、たとえがわかりやすく、古今の芸術を深く身につけた上での指導であ
ることがわかります。

第2楽章は、出だしの主題の音の出し方を上から叩かない、とか、装飾は手首をあげて軽く弾くとか、拍を感じてとか、たった4小節の中に課題が盛りだくさんです。

印象的だったのは、後半、主題がバスのズンチャッチャッのリズムに乗って戻ってくるところは、天井から地上に戻ってきたところなので、ワイングラスを持って踊るように弾きなさいと、のりのりだったところです。
ヌーブルジェはどんな風に弾くでしょうか?

第3楽章は、92小節目からのソプラノとバスのメロディーをローレルとハーディーのように滑稽に弾き分けよと。ソプラノが八分音符、バスが四分音符で書いてあります。

ブロードウェイ風と評したメロディーは、左手がトルコマーチ風。
その後はバッハ風に。

最後のほうのドレミファソラシドを、モーツァルトのオペラ魔笛に登場するパパゲーノが吹く笛のようにと。なるほど、そう聞こえます。
終結の手前の”ため”のところは、告別ソナタのように。おー、確かにそうです。

残念ながら第1楽章は見られませんでしたが、こちらはテキストにコメント入りの楽譜が載っていたので、楽譜を見ながらCDを聴いてみました。
いやいや、かなり難しいのですね。

長いオケの主題提示のあと、ピアノが新しい主題で登場しますが、そのあと、突然フォルテシモで雪崩のように高音部から低音部に落ちていく、激しいパッセージがおかれています。
まず、ここが聴きどころですね。

第2主題はドルチェでがらっと雰囲気が変わりますが、その弾き分けも注目です。
提示部最後の方の、半音階的な進行の部分もおもしろいです。

展開部にはいっての分散和音にのった柔らかいメロディー。それに続く、階段の上り下りをレガートで弾かなければならない。

そして、展開部の最後に、なんとオクターブグリッサンドが!
これは、しっかり見なければ。

カデンツァはテキストには第3番というのが載っています。
なんと、これが私が聴いているグルダやツィメルマンが弾いているカデンツァでした。

シフのコメントによると
「このカデンツァは協奏曲本体よりずっと後に書かれたもので、ベートーヴェン中期の和声や様式が見
いだされます。才気を感じさせる音楽であるのに演奏される機会が少ないのは残念なことです。このカデンツァでベートーヴェンがどのように即興演奏していたのか、想像することができます。」
だそうです。

楽譜を眺めると、一見シンプルに音符が並んでいるように見えるのですが、非常に即興的な展開で、華麗です。これを弾きこなすのはなかなか難しそうです。
スケールで駆けめぐるところもあれば、和音で爆発するところもある。
ワルトシュタインソナタのようにトリルを維持したまま、メロディーをのせる部分もあったり。

カデンツァの終止のフォルテシモの和音の前にピアノの和音があり、ここの右手にはなぜかアルペジオの装飾がしてあります。
シフによると、これはジョークだそうです。
実に聴き応えのあるカデンツァです。

ヌーブルジェには、是非、この3番のカデンツァを弾いてもらいたいものだと、意を強くしました。

それにしても、楽譜を見ながら聴くのも、なかなかおもしろいものです。
プロの技と表現力がよくわかります。
でも、ライブでそれやったらひんしゅくものでしょうから、おとなしく普通に聴きます。

今日はちょっとマニアックでした。

« NHK交響楽団定期公演(ヌーブルジェ出演)のテレビ放送 | トップページ | NHK交響楽団定期公演の地上波テレビ放送 »

随想」カテゴリの記事

コメント

さぼてんさま:

こんにちは。
お返事遅くなりました。
明日(いや、もう今日)は存分に楽しんできてください。
できれば感想などをコメントいただけると嬉しいです。

アンデルシェフスキーかルイサダか迷ったんですよねえ。
ツィメルマンは木曜日に横浜で聴いてきます。
その2日後がヌーブルジェ。
ハードです(^_^;)

こんにちは!5月のLFJからあっという間に今日がきましたね!私はおとといのツィメルマンの余韻に浸りすぎているので
本日は行きませんが、明日は行きます!実はこの間イケメン2人コンビにつられてアルミンクとアンデルシェフスキーのベートーヴェンピアノ協奏曲第1番を新日本フィルで聞いたばかりです。そして彼の弾き振りアルバムもかなり聞いているので 明日はいろいろ違いを感じながら聞くことになるのでしょう~ 私はピアノをやっていましたがまいくまさんのように演奏を聞きながら分析解釈をする余裕なぞまったくないので、いつも詳細なレポートに脱帽と感謝です。。
私はアンデルシェフスキーのリサイタルもいったので この2週間の間にベートーヴェンの後期ソナタを29、31、32と聴くことになります。もう胸いっぱい(とくにツィメルマンさま)ですが、財布はすっかりからっぽになりました(笑)

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 再びベートーヴェンピアノ協奏曲第1番:

« NHK交響楽団定期公演(ヌーブルジェ出演)のテレビ放送 | トップページ | NHK交響楽団定期公演の地上波テレビ放送 »

twitter

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ