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2009年6月26日 (金)

ハンマークラヴィーア・メイキングDVD(byヌーブルジェ)を観る

このDVDを観れば、ベートーヴェンのハンマークラヴィーア・ソナタを好きになってしまうことは請け合いです。

6/20のヌーブルジェによる白熱の演奏がまだ記憶に焼き付いているまま、先行販売されたCD&DVDを視聴してみました。
DVDでは録音された音源をミキサー室でチェックするヌーブルジェと、薄暗いスタジオで聴衆を前にピアノを弾きなが
らハンマークラヴィーアに対する演奏のアプローチを語るヌーブルジェの姿を重ね合わせた、粋な演出です。

ハンマークラヴィーアを語るヌーブルジェはたいへん雄弁です。
英語の字幕を一生懸命追い、該当箇所のピアノを弾いてくれるので、概ねこんなことを言っているのだろうなというこ
とは想像がつきました。

第1楽章、冒頭の左手による和音の跳躍が、同じ楽章のみならず、後の楽章にも関係していることを述べていました。
ベートーヴェンの緻密な作曲技法を解き明かしてくれました。
また、冒頭の和音について、チェンバロなどのためでなく、これはまさしくピアノのための音、と述べているのも印象的でした。

第2楽章はたっぷり時間をかけて、そのおもしろさを紹介していました。
第2楽章の演奏は大変楽しいものであったと感じていたので、ヌーブルジェがそう思いながら弾いていたことがわかり、納
得しました。

第3楽章の3つのテーマの弾き分けもとても良くわかりました。
第3楽章に関しては、ライブもよかったけれどもDVDの方がよりその情感や音色の美しさを堪能できた気がします。
あれだけしっかり知的に分析していて、深くないわけありませんね

第4楽章は、CDの録音をチェックするヌーブルジェの姿が印象的でした。
やはりリズムを感じています。自分の演奏を聴いて楽しそうでした。
また、終結部の前のアルペジオがなんとドラマティックなこと!

ヌーブルジェのすばらしい演奏付きの解説を聞いて、難解と言われるハンマークラヴィーアがますます身近に感じらるようになりました。

こういうことをやるピアニストは、もしかしたら、グールド以来かもしれませんね。

ライブも録音も積極的なヌーブルジェのマルチタレントぶりは、ファンとしてこの上ない悦びです。

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