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2009年5月 6日 (水)

ラ・フォル・ジュルネ東京2009~No.251ヌーブルジェコンサート

場所を東京国際フォーラムに移し、5月4日のなんと朝9時30分からのコンサートです。
ヌーブルジェは前日の午後金沢で演奏していますから、かなりの強行軍です。
もっとも、私も同じでしたが。

今回のプログラムは、すべてJ.S.バッハです

1.幻想曲 ハ短調 BWV906
2.ソナタ ハ長調 BWV966 
3.トッカータ ト長調BWV916
4.カプリッチョ変ロ長調「最愛の兄の旅立ちにあたって」BWV992
5.トッカータ ホ短調 BWV914
アンコール フォーレ:舟歌第3番 変ト長調 Op.42

今回は、おそらく今後こんな席に座ることはできないと思うような最高の席でした。
真ん中やや左の最前列。目の前でヌーブルジェの演奏姿を見ることができました。

さあ、ヌーブルジェはいつものジャケットに、この日は黒のシャツ。お決まりのスタイルです
髪の毛に寝癖がついています。朝セットの時間がなかったのでしょうか。

1曲目は目覚ましの挨拶で、スピード感溢れた幻想曲 ハ短調でした。
金沢とは違い、ソフトペダルはあまり使わず、スタンウェイの素の音を出しています。
響きをある程度重視したロマンティックな表現。
後で気がついたことですが、リヒテルが残した演奏とテンポの設定や表現が似ているような気
がします。
インタビューでヌーブルジェはリヒテルを高く評価していると話しているので、影響を受けて
いるのかもしれません。

2曲目のソナタ ハ長調。聴いたことがなかったので、CDを探して聴きこんできました。あまり録音がなく、ようやくリヒテル盤をみつけました。
朝にふさわしい、爽やかな音楽です。ヌーブルジェの明るいタッチと、ほのかな詩情がよくマ
ッチしています。

3曲目のトッカータ ト長調では、ヌーブルジェのテクニックがいかんなく発揮されます。間近で見ると人間業とは思えないような指の動きです。
アダージョはグールドまではいかないまでも、非常にゆっくりしたテンポで奏でました。緩徐
楽章に対するヌーブルジェのアプローチのようですね。
フーガは切れ味するどく、かといって硬質ではない音で、見事でした。

4曲目のカプリッチョはバッハにしては物語の情景が浮かぶような詩情のある音楽です。
それぞれの曲の性格をよく弾き分けています。
コミカルで明るい音の跳躍。こういうのはヌーブルジェは大変得意ですね。

5曲目のトッカータ ホ短調
導入部の低音の響き。こういうのもヌーブルジェは得意です。
緊張感を醸し出すのに長けているのだと思います。
思わずぐっと引き寄せられてしまいます。
半音階的なアダージョの何とも言えぬ締め付けるような詩情も素晴らしい。
そして跳躍を繰り返す一度聴いたら忘れられない特徴的なフーガ。
グールドの乾いたノンレガートも良いけれど、ヌーブルジェのように少しペダルを踏んでやや
響かせる表現-でも決して過度にならない-も切れ味とウェットな感じが同居していて、悪くないと思います。

今回は、最初から、かなり緊張感に溢れ、聴く方も集中を要求される演奏でした。

アンコールは雰囲気をがらっと変え、なんとフォーレの舟歌です。
疲れた耳の癒しに最適な選曲でした。
びっくりするのが、もう音色がバッハと全く違います。
間近でしたので、指のタッチがよく観察できました。
指を伸ばし鍵盤をなでるような奏法です。
ピアニシモなど、本当にデリケートなタッチをしているのが良く見えました。

金沢でのモーツァルトの音ともまた違ったデリカシーです。

プロですから当然といえば当然ですが、音色を弾き分ける高い技術に感服しました。

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ヌーブルジェコンサート鑑賞記」カテゴリの記事

コメント

銭形さま

ようこそ(^o^)

私もバッハはグールドに尽きると思っていた口です。
ある意味、グールドの魔力に取り憑かれていました。

でも、今回ラ・フォル・ジュルネで、ヌーブルジェはじめ、ケフェレックやコロベイニコフの素晴らしい演奏を聴いて、認識が変わりました。

このことはまた記事にしたいと思っています。

今後もよろしく!

初めまして、銭形と申します。

私はこのコンサートではじめてヌーブルジェの演奏を聴きました。
そしてその完璧な演奏技術と表現の素晴らしさに感動しました。
すぐにサントリーホールのライブを収録したCDを購入、
サイン会でCDにサイン&握手してもらいました。
普段は全くそんなことしないのですが、この感動を何かに残したくて。

私はグールドのバッハが最高だと思っていたのですが、
表現は違いますが引けをとらない素晴らしい演奏でした。
アンコールの舟歌は初めて聴きましたが、
なにか柔かい光を浴びながら、そよ風に吹かれているような・・・
そんな感覚になりうれしくて思わずニヤけてしまいました。

大注目ピアニストになりました!
ここにもちょくちょく寄らせてください。

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