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2009年5月 6日 (水)

ラ・フォル・ジュルネ金沢2009~NO.131ヌーブルジェコンサート

ヌーブルジェの金沢での最初のコンサートで、朝10時半の開演でした。
曲目は
 1.モーツァルト:ピアノ・ソナタ第1番 ハ長調 K.279
 2.モーツァルト:ロンド イ短調 K.511
 3.モーツァルト:ロンド ニ長調 K.485
 4.モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番 イ長調 K.331
  「トルコ行進曲付き」
 アンコール バッハ:イタリア協奏曲 第3楽章

です。

横浜から朝の飛行機で駆けつけました。
ところが、何せ世間はゴールデンウィークの真っ最中。
羽田空港の手荷物検査が長蛇の列をなしていて、定刻になってもまだ50名余も飛行機に乗れて
おらず、出発がかなり遅れてしまいました。
一応、1時間程度の余裕を見ていたので、ぎりぎり15分前に、金沢市アートホールにたどりつくことができました。

まだ、息も整わぬような状況で、ソナタ1番が始まりました。

明るい切れ味を出すのか、大阪フィルとの時のようにソフトな表現なのか、出だしのアルペジオを待ちました。

ヌーブルジェはいつものトレードマークのジャケットとこの日は濃いピンク色のシャツといういで立ち。これまたいつものようにぎこちなくお辞儀をして演奏に入ります。

出だしは、ほとんど和音に近い感じでした。表現はソフトです。やはり、モーツァルトに対すヌーブルジェのアプローチは、抑制のようです。

そして、テンポがアレグロの指示にもかかわらず、アレグレットととも言えるような、落ち着いたものでした。これは何とも意外でした。グールドほどの遅さでないものの、ゆっくりと丁寧に音楽をすすめます。

第2楽章のアンダンテは、そもそも曲自体が優しくメランコリックですから、ソフトなアプローチはピッタリでした。

第3楽章のアレグロで一気に解放されるかと思いきや、ここでもヌーブルジェは慎重。抑制を加え、確認するように音楽を奏でます。第2主題のスタカートなどは、なでるように優しいタッチです。

この曲はモーツァルトがピアノフォルテという楽器に出会って、その特徴を生かすように、まさにピアノとフォルテがめまぐるしく入れ替わりつつ登場します。その対比の妙を予想していましたが、ヌーブルジェはそれほど極端にディナーミクに変化をつけることなく、あくまでデリケートに洗練の美を表現したかったようです。

左足はほとんどソフトペダルに置かれたままで、軽くシフトさせていたようです。

2曲目、3曲目はロンドで、どちらも名作です。モーツァルト晩年の何とも言えぬ寂しさ漂うイ短調と、逆に可憐なモーツァルトらしいニ長調です。
ヌーブルジェの明るいタッチは、たぶんニ長調にピッタリだな、と思っていました。

その予想は半分当たり、半分はずれました。
確かに、ニ長調の方が私は良かったと思います。
(イ短調
の方は、相変わらず抑制されていて、もっと奔放に変化をつけても良いように感じたものです。)

でも、明るく典雅なニ長調ではなく、これまたソフトで軽やかで優しい演奏でした。ですから、タッチは粒立ちを重視したものでなく、あくまでレガートです。
今まで聴いたことのない、ソフィスティケートされた演奏で、ああ、こういうアプローチもあ
りなのか、と感心しました。

4曲目はソナタ11番「トルコ行進曲付き」で、この日のメインと言えましょう。
奇をてらわず、インテンポでまことにオーソドックスな演奏でした。
安心して聴ける、といった感じでしょうか。
トルコ行進曲は、遅くもなく、早くもなく、正確に拍を刻みます。味付けはほとんどなしのス
トレート勝負です。
ケフェレックが、過日浜離宮で弾いた時には、かなり崩しめだったのと対照的です。
ロンドの第2主題の行進の部分は、大変勇壮です。リピート後も1回目と同じに弾いていました

第3主題は、ヌーブルジェのテクニックの光ったところで、破綻なく弾けているのはもちろん
、あくまでレガートでかけめぐり、響きが浮き立ってくるようでした。面目躍如といったところでしょう。

コーダに入っても決して焦らず、最後までインテンポで堂々とした感じのトルコ行進曲でした

さて、ラ・フォル・ジュルネは、演奏時間が限られているので、アンコールに応える演奏家は少ないのですが、ヌーブルジェは2回コールされた後でアンコールを弾いてくれました。日本語で「ども、ありがとうございます」と挨拶して笑いを誘ったあと、なんと、バッハのイタリア協奏曲の第3楽章を弾いてくれました。私も大好きな曲です。

この曲も、トルコ行進曲の解釈の延長上にあるような演奏でした。
決して焦らず、かといって遅いわけではなく、リズムを大切にきざんでいました。立派!という演奏だっと思います。

初日の演奏は、インパクトこそ強いとは言えませんでしたが、安定したテクニックと落ち着いた解釈で、若いながら大人のモーツァルトであったというところでしょうか。

ヌーブルジェくらいの名手になれば、モーツァルトをびっくりするような技巧で弾ききることは簡単でしょうが、敢えて彼はそれをせず、控えめにオーソドックスな演奏を心がけているのではないかと思います。

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