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2009年3月11日 (水)

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調op.109 ~オーヴェル・シュル・オワーズ音楽祭2005年ライヴ 【CD聴記7】

【3曲目@CD2】
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調op.109

ベートーヴェンの後期3大ソナタのうちのひとつめです。ショパンは主に初期の珍しい作品を中心にプログラムを組み立てたの対し、ベートーヴェンはいきなり後期です。

極めて爽やかで、明るい30番ソナタに仕上がっています。
音は透明感と輝かしさにあふれています。

ベートーヴェンは、この頃の曲になると、とても微妙なディナーミクやアーティキュレーションを楽譜に書き込んでいます。
ヌーブルジェは楽譜の指示に忠実にニュアンスたっぷりに表現しています。
非常に完成度が高い演奏だと思います。

第1楽章は早めに颯爽とスタート。
良い演奏というのは、最初の数小節を聴いただけで引き込まれるものです。
ヌーブルジェの演奏は、その出だしから、美しい輝きと爽快感にぐっと引き込まれてしまいます。
クレッシェンドする時、フッとまず音量を落とすところが、なんともデリケートです。

第2楽章もスピーディかつ流麗。
エスプレシボでは微妙で自然なルバートをきかせています。96小節目のフェルマータは、例によって、想像より気持ち長め。

この曲のメインである第3楽章。
ヌーブルジェはいたずらに感傷的にならず、インテンポで弾きます。
しかし、ベートーヴェンのもはやロマン派と言うべき、細やかなディナーミクの指示を、妙な作為を感じさせることなく自然に表現しています。
豊かな音楽的感性がなければできない芸当でしょう。
終わり方はヌーブルジェにしてはあっさりしている感じです。
今だったらもっとリタルダンドして終わるのではないでしょうか。

さて、この曲の聴き比べです。
たくさんあるのでかいつまんで。

アルフレッド・ブレンデル
 例によって落ち着いた端正な演奏。

アンドラーシュ・シフ
 非常に美しい。第3楽章は白眉。
 
おそらくベーゼンドルファーの響きか。

グレン・グールド
 ロマンあふれる即興的な演奏。

スビャストラフ・リヒテル
 枯淡の境地。

内田光子
 女流と思えない骨の太さ。

マウリツィオ・ポリーニ
 硬質な演奏。

短期間にこんなにたくさん同じ曲の演奏を聴いたことはありませんでした。また楽譜を眺めたことで、ベートーヴェンの指示の細やかさにびっくりしました。
それぞれ一流の演奏家ばかりなので、皆素晴らしく、そして個性的です。
ヌーブルジェの演奏は、これら巨匠たちに一歩もひけをとっていないと思います。

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