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2009年2月12日 (木)

ル・ジュルナル・ド・ショパン~NO.7「内なる声へ」

さて、この日3回目のコンサートでは、エル=バシャが弾く、op25のエチュードがメインと誰もが思っていたことでしょう。

私はすでに、ヌーブルジェの次の演奏を待つ気持ちでいっぱいでした。

ポロネーズの1番と2番なら良く知っています。

昔、若きポリーニがポロネーズ集を出したとき、それはよく聴いたものです。圧倒的なダイナミックレンジを誇る、もの凄い演奏でした。もっとも、色気がないとの批判もあったものです。

エル=バシャは、6人のピアニストの中で、最も音量が小さく、控えめで端正な演奏をする人です。彼のエチュードには、すでに、あまり期待していませんでした。

さて、ヌーブルジェは最初に登場しました。

まずはop26-1のポロネーズ第1番。

勇壮な序奏。ポロネーズらしいリズム。強弱の対比。ノクターン風の中間部。なかなか素敵な曲で私は好きです。

ただ、下手なそこらの音大生などが弾いた日には、悲惨な結果が待っています。まず、出だしが格好良くきまらないでしょう。

ヌーブルジェの演奏は、それは見事でした。

曲の性格を把握し、対比を見事に表現。力強い部分はより力強く、優しい部分はより優しく。ボレロでもそうでしたが、とにかくリズム感が良い。テクニックに余裕がある。音色が全く濁らない。そして、時折みせる、いやらしくないルバート。

聴いていて、嬉しくて顔が紅潮していくのがわかるようでした。

2曲目は、op26-2のポロネーズ第2番。

1番とうってかわって、ピアニシモで開始。徐々に盛り上がり爆発。

ロンドの様に2つのテーマが交互に現れるので、いかに飽きさせずに弾くか。

ここでのヌーブルジェは、間の妙技を見せます。

もともと休止の多い曲です。この休止でテーマを切り替えているわけですが、この休止をも音楽にしてしまっています。

なんともいえぬ、やや長めの絶妙な間。

これは、よくクリスチャン・ツィメルマンがやります。想像しているより、ちょっと長い。それが、音楽になんとも言えぬ緊張感を醸しだします。

ただ、こういう弾き方は相当な集中力を要するはずです。ヌーブルジェは、その弾き方にも現れていますが(斜め左下に頭を傾ける)、めいっぱい集中を保っています。息をのむようです。

結局、この曲の演奏も非常に味わい深く、素晴らしいものでした。

ポリーニの「どうだ参ったか!」という演奏とは違い、心につきささるような演奏でした。

ポロネーズとしてはマイナーな2曲を、メジャー並に格上げするような演奏だったと言えましょう。

私は感激してしまって、生まれて初めて「ブラボー」と発してしまいました。

感動に満たされた中、児玉さんの味気ないノクターンが終わり、エル=バシャのエチュード。

予想していたよりは、確固たる演奏でした。ただ、エチュードこそ、ポリーニ盤という、永久不滅の名盤があるので、それを基準につい聴いてしまいます。多少上手なピアニストはいくらでもいますから、ポリーニを凌駕するのは並大抵のことではないと思います。

会場は、エル=バシャにもの凄く沸きました。

私は最初のヌーブルジェの感激にまだ浸っていました。

会場を出る際、思わず「いやー素晴らしかった」とつぶやいたら、隣にいた女性が「そーですよね、エル=バシャって凄いですね」と話しかけてきたではありませんか!

苦笑いして「ハー」としか言えませんでした。

わたしゃ、ヌーブルジェのことを言ったんですから。

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ヌーブルジェコンサート鑑賞記」カテゴリの記事

コメント

naoさん

いらっしゃいませ(*^-^)
当ブログ初めてのコメントです。
ありがとうございます。

>これからどんな風に変わって行くのか、見守っていくのが楽しみです。

そうですね。
若くして売れて、その後イマイチという人も多いですからねぇ。
ヌーブルジェが、世界のメジャーピアニストに成長してくれると、今から追っかけてる者をしては、とても嬉しいです。


はじめまして

ヌーブルジェ君は、テクニック的にも音楽性でも素晴らしいですね。
彼に出会う機会をくれたル・ジュルナル・ド・ショパンに感謝したい位。
これからどんな風に変わって行くのか、見守っていくのが楽しみです。

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