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ラ・フォル・ジュルネでヌーブルジェのガスパールが聴けるか?

ラ・フォル・ジュルネの先行抽選販売が終了しましたね。
明日の結果、どういうことになるやら。

私はヌーブルジェの3公演をもちろんからめて、今年は合計6公演だけ申し込みました。
それでも3日間に散らばってしまったので、たぶん結構きつい日程になりそうです。

ヌーブルジェは夕方~夜にかけてばかり毎日1公演づつで、空き時間の昼間はいったい何をして過ごすのでしょうか?気になります。 マヌタークラスとかあるのでしょうか?

今回、何としても聴きたいのが、3日のラヴェル『夜のガスパール」です。
いままで、CDも、YouTubeもなく、たぶんラジオでも流れた記憶はありません。

フランス人だから、フランスもの、ということはありません、と、いつだか彼は語っていましたっけ。彼はベートーヴェンやリストを中心に弾きこんできた人です。

問題は座席数が150くらいしかなくて、なかなか当たらないことです。一番狭い会議室のようなホールです。同じガスパールを弾くベレゾフスキーが、読売ホールで1000席以上あるのと大違いです。知名度、ということにしても、あまりにも悲しいです( ; ; )

先ほど、久しぶりにショパン・エチュードをYouTubeで聴いてみました。
ああやって、動画を観ていると、ヴィルトゥオジティがやたら強調されてしまって、手先だけの音楽に聞こえてしまう印象はぬぐえません。

しかし、ライヴでの彼の真骨頂は、メカニックではありません。その透明感ある美しい音色と、非常に高い集中から生み出されるシリアスな緊張感なのです。

ナントのラ・フォル・ジュルネでは、おちゃらけ演奏もこなすし、ジャズ的なインプロビゼーションも演ってしまうヌーブルジェですが、基本、彼の音楽はクラシカルでシリアスです。そしてインテンポ。
それは、多少聴衆に堅苦しい緊張を強いるかもしれませんが、私はそこにピュアな音楽を感じて好きです。

今年のチャンスに、未聴のかたは、ぜひともヌーブルジェのライヴに接してみてください。

2013年4月 4日 (木)

【ヌーブルジェ動画】ドビュッシー:チェロソナタニ短調

久々にヌーブルジェの動画発見。ソロではありませんが、オフィシャルなので音質・画質ともに高品質。

共演者は17歳で第14回チャイコフスキー・コンクール2位となった、エドガー・モロー。

Un mardi idéal - Edgar Moreau et Jean-Frederic... 投稿者 francemusique

2013年1月10日 (木)

ヌーブルジェは3公演@ナント、ラ・フォル・ジュルネ2013

今年もラ・フォル・ジュルネの季節がやってきます。

まず本場ナントで1/30~2/3まで開催されます。

ヌーブルジェの出番は3回のようです。

2/1

Jean-Frederic Neuburger piano
Ravel : Le Tombeau de Couperin
Ravel : Gaspard de la nuit

2/2

David Grimal violon
Raphael Severe clarinette
Francois Salque violoncelle
Jean-Frederic Neuburger piano
Neuburger : Plein Ciel, creation mondiale
Messiaen : Quatuor pour la fin du temps

2/3

Jean-Frederic Neuburger piano
Quatuor Modigliani quatuor a cordes
Franck : Quintette pour piano et cordes en fa mineur
Ravel : La Valse

ソロでは「夜のガスパール」が聴き逃せないですね。(って来日するものと決めている)

「クープランの墓」と「ラ・ヴァルス」はCDにあります。(ラ・ヴァルスはソロかな?)

フランクのクインテットは、もちろん室内楽の教授であるヌーブルジェだけに、最高の演奏が期待できます。

ヌーブルジェ作曲のは新曲でしょうか?メシアンは「世の終わりのための四重奏曲」というらしいですね。終わってほしくないです。

来日しますよね。してほしい。するに違いない。

2012年9月23日 (日)

デジュー・ラーンキ コンサート@横浜みなとみらいホール(シナイスキー&東響)

2012年9月18日(月)
14時開演
横浜みなとみらい 大ホール

【前半】
モーツァルト
ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K.595

【アンコール】
モーツァルト
ピアノソナタ 第16番 変ロ長調 K.570

【後半】
ショスタコーヴィチ
交響曲第4番 ハ短調 Op.43

東京交響楽団
指揮=ヴァシリー・シナイスキー
ピアノ=デジュ・ラーンキ
コンサートマスター=大谷康子

モーツァルトは大好きだけれどショスタコはあまり知らない私含めた2人と、モーツァルトは大の苦手だけれど、ショスタコは大好きな1人。
でこぼこトリオで、横浜みなとみらい に出向きました。

ソリストのデジュー・ラーンキといえば、35年ほども前に、アンドラーシュ・シフゾルタン・コチシュとともに、ハンガリー若手三羽がらすの一人として、もてはやされました。中でもラーンキは、今で言う“イケメン”度№1ということで、人気も№1でした。

そのラーンキもロマンスグレーの温和そうなおじさんとなり、地道な精進による円熟の境地を、一昨年リストのプログラムで堪能させてもらったばかりです。
モーツァルトの演奏はもともと定評があるので、この日のコンチェルトはとても楽しみでした。

第1楽章アレグロ。まずオーケストラが静かで短い序奏から主題を提示します。
音量を抑え、ヴィブラートも控えめの、ピリオド奏法に近い、かなりスッキリとした音の作りです。
短調への、ちょっとした転調が美しい。
モーツァルト晩年の寂とした境地。

そしてピアノが主題を引き継ぎます。

おや、耳がまだ慣れないのか?
ピアノの音が霞に包まれたように、ほんわりと柔らかに、エッジが取れて、丸みを帯びて、控えめに響いてきます。
5分経っても、10分経っても音色が変わりません。耳はもう慣れているはずです。

そう、これがこの日のラーンキの一環した主張だったのです。
まるでまだ楽器ととしての完成をみていない、フォルテピアノを奏でているような、柔らかで優しい音色。
決して焦らず、インテンポで、それでありながら、淀みがない。
サポートするオケも、まったくでしゃばることがなく、響きの少ないピアノの音を消し去ることがない。

展開部に入った時の、オーケストラの息を飲む転調。
時代を100年先取りするような。
いけない、いけない、戻らなくては、とモーツァルト。

ピアノとオーケストラの、いかにもおしゃべりしているような掛け合い。
長調、短調、長調、短調とめまぐるしく曲想は移ろい、クラシカルで美しい室内楽的アンサンブルに、気分はとろけるようです。

主題は戻り、時折ピアノは最初とは違う装飾などもみせる。
カデンツァはモーツァルト
ここでもラーンキは、慌てることはない。
同じソフトな雰囲気を保ちつつ、カデンツァ自体の多少の華麗さを、控えめに演出する。

第2楽章ラルゲット
まずはピアノのモノローグ。
遅すぎず、速すぎず。妙な感情移入もなく相変わらずのインテンポを保つ。
モーツァルトらしい、一番の聴き所ともいうべき、その直後のオーケストラの主題の受け。
盛り上がって、フッとピアノに落とす、そのタイミングや良し。
シナイスキー、わかっています

初見でも弾けてしまいそうな、超シンプルな中間部の旋律。
演奏家の精神がすべて透けてしまう、恐ろしい部分。
ラーンキには、まったく聴き飽きることがない。
適度な集中が保たれ、シンプルな音の運びに、目も耳も釘付けにされる。
淡い弱音なのに、音が、収容2000人余の空間に、幸せに満たされる。

第3楽章アレグロ。モーツァルトピアノ協奏曲最後の境地。
うっかりすると、ただ、明るく軽妙に終わってしかねない、これも危険な楽想。
心配は無用でした。
タッタラッタラーの跳躍は、微塵の軽薄さもなく、一環した丸みのある柔らかなタッチで奏されます。
2回のアイガンクはあまり遊ばずに、モーツァルトから離れず溶けこんでいる。
転調、転調、また転調、色が変わる、雰囲気が変わる、微笑みから悲しさへ、光がさすかと思うと、ほの暗い影が落ちる。
はぁ、天才、モーツァルト。

モーツァルトのカデンツァ
オケのカデンツァへのほわっとした受け渡し方がステキです。
そして、これも転調の嵐。
スケールで上り、下り、上り、下り・・・
たったそれだけなのに、なんという快感。

ロンド主題が戻る。
いよいよ最後の最後、いくぶん、ほんのいくぶんテンポが上がったかもしれません。
ピアノがタッタラッタラー、オーボエがタッタラッタラー。
オケのラスト、クァルテットのように、クラシカルにフワッと落とす終止。
期待していたとおりの終わりかたでした。

ブラボー!

聴いているときはうっとりでしたが、拍手を重ねているうち、なんだか胸がいっぱいになってきて、同じく心ここにあらずといった風のお隣の友達と顔を見合わると、思わず目頭が熱くなってしまいました。

モーツァルトのピアノ協奏曲をライヴでこんなに堪能したのは、ヌーブルジェのジュノムを聴いて以来です。

ラーンキのテクニックは、特にアーティキュレーションが見事で、レガート、ノンレガート、スタッカートなどをきっちり使い分け、モーツァルトの様式感を厳格に表現しようする意識が高かったと感じました。
そして、さしてソフトペダルを踏まないにもかかわらず、終始保たれた柔らかで抑制された響きを作り出すタッチは、驚異的でした。

鳴り止まぬ拍手に応え、アンコールを1曲。
モーツァルトのピアノソナタK.570から第3楽章
コンチェルトと同じ音色を保持したまま、まことにチャーミングで繊細な音楽でした。
ここまでで、すでに大満足のコンサートとなりました。
まだリサイタルのチケットを入手していなかったので、コンサートの後、さっそく購入してしまったのは言うまでもありません。

天へ召されたような気分を味わい、半ば呆然自失の休憩の後、ショスタコーヴィチの第4交響曲に挑みました。
ショスタコは最近でこそ、ピアノトリオやクインテット、クァルテットの一部などを聴くようになったものの、交響曲は私にとってまだまだ馴染みが薄い分野です。
事前にある程度予習していったものの、長いし難解ですから、ほとんど初めて聴くようなものでした。

結果、正直途中落ちかかったところもあったものの、なかなか楽しめたと思います。
大曲ですから、一度で構造が理解できるまではとうてい至るものではありません。しかし、部分部分の旋律や曲想には、惹かれるところが何カ所もありました。
弦がユニゾンでザッザッザッザッザッザッと弾くあたりとか、第3楽章の俗っぽくて人を食ったようなメロディーとか、ラストのツーーーーーーという弦の弱音のベースにチャランだのポロンだのと音を乗せつつ曲を閉じるところとか、おおいに気に入りました。
ピアノトリオや、クァルテットなどでも使われる、いかにもショスタコらしい冷厳に計算尽くされた作りというところでしょうか。
第1楽章の高速フーガも目を見張りました。

大喜びのタコ好き友人の大きなばんざい拍手に応えてシナイスキー氏がこちらを振り向いてくれたのにはびっくりしました。

しかし、また気になるジャンルが増えてしまい、生活を圧迫しそうで怖いものがあります。

前半は天にも昇る心地良い世界、後半は、脳みそを引っかき回されるような刺激的な世界を一度に体験し、友人たちとも感動をともにでき、実りの多いコンサートでありました。

2012年8月30日 (木)

【ヌーブルジェ動画】ショパン:スケルツォ第3番。えっ、いつの?

久々にヌーブルジェの動画を発見。

ショパンのスケルツォ第3番の後半。

私が目にするのは初めてです。

おそらくヌーブルジェ10代の頃ではないかと思われます。

説明がないので、正確にはわかりません。

演奏の方は、なかなか考えています。メカニックはすばらしい。

コラールとそれに応じる下降のアルペジオ、止まりそうになるくらいテンポを落として、緊張感を出しています。

2012年7月21日 (土)

【ヌーブルジェ動画】ショパン:エチュード Op.10 全曲

おそらく、以前まとめてアップされていたものと同じ、2010年ワルシャワでのラ・フォル・ジュルネにおける演奏と思われます。

ヌーブルジェの得意のショパン「エチュードOp.10」

この時のヌーブルジェは絶好調だったようです。

2012年7月10日 (火)

【ブックレビュー】『静けさの中から ~ピアニストの四季』

『静けさの中から ~ピアニストの四季』 (スーザン・トムズ著、小川典子訳:春秋社)
 「OUT OF SILENCE ~ A PIANIST'S YEARBOOK」

Outofsilence_2

http://amzn.to/N9Waij

日本人のピアニストには、中村紘子さんや、青柳いづみこさんのように、演奏と文筆活動を両立させている方がいます。海外のピアニストで、音楽評論ではなくエッセイが紹介されるケースというのは、珍しい気がします。

著者はイギリス人女性で室内楽を主として演奏活動を行っている現役のピアニスト。男性しか入れなかったケンブリッジ大学キングス・カレッジに女性として初めて学んだということです。

副題にあるように、章立ては1月から12月までに分かれています。
演奏活動で各地を旅をしつつ、季節がうつりかわるなか、ピアノのこと、音楽のこと、芸術のことを中心に、随想をつづっていきます。

知的でプロフェッショナルな視点と、わかりやすく具体的な話、そして流れるような文章。
へえ、なるほどと感心したり、そうそうその通りと共感したり、えっ、本当?とびっくりしたり。
プロ演奏家の本音、というふれこみですが、読んでいて著者の誠実さが伝わってきて、これはマーケティングではなく、本音だということが納得いきます。

著者はきっと抜群の才能に恵まれていたに違いないのに、自身の芸術家としての立ち位置に必ずしも確信を持っておらず、常に迷い、思索し、答えを探しているようです。
このあたりに、同じような悩みを抱える、人間としての共感を覚えます。

かといって、暗い悩みに苛まれているわけではなく、当然プロ演奏家として切磋琢磨するし、音楽を深く愛し追求しています。

具体的な内容にふれだすときりがないですが、彼女が“音楽”に深いこだわりと愛情を抱いている例として、今の日本でもファンの間でまさに取りざたされているような事柄に関するエッセイもたくさんあります。

昨今の大きくて艶のある音ばかりが要求されるコンサートのあり方や、若い演奏家にありがちなメカニック先行の音楽的とは言いにくい演奏などへの危惧、現代におけるライヴ演奏の負担、大衆に受け入れられないクラシックの現状、文化と商売との兼ね合い等々・・・

興味が尽きません。

クラシック音楽、特にピアノの愛好家にとっては、ぜひお薦めの、極上の一冊と言えるでしょう。

読みやすい文章は、もちろん訳者であるピアニストの小川典子さんの力量と、春秋社の編集者の貢献の賜でしょう。

なお、この本は著者スーザン・トムズさんのブログが元ネタということで、探してみたところ、ずばり、ありました。
こういう内容の文章なら、ぜひとも読みたいので、苦手の英語を読むための良い教材となりそうです。

http://www.susantomes.com/

※もし、来日したらぜひともピアノ・トリオを聴いてみたいです。

※昨日、Eテレで取り上げられたイギリスのプロムス音楽祭もちょっと登場します。

※まったく偶然でしょうが、今旬の話題のヒッグス粒子の話題もあります。

2012年6月30日 (土)

ヌーブルジェ、来日決定!!!!!!

「KAJIMOTO CONCERT vol.38」で、ヌーブルジェが来年来日することが発表されました\(^o^)/

【リサイタル】
2013年10月 紀尾井ホール

【コンチェルト】      
2013年11月 サントリーホール
      パリ管弦楽団
      指揮:パーヴォ・ヤルヴィ

2010年7月の大阪公演が最後でしたので、3年ぶりの来日コンサートとなります。

もしかすると、2013年春のラ・フォル・ジュルネにも出演してくれる期待も出てきました。

待ち遠しいです。

↓ こちらでPDFファイルで見られます。(最終ページ)
http://www.kajimotomusic.com/kajimoto_concert/vol_038/vol_038.pdf

2012年6月17日 (日)

NHKBSプレミアム:クラッシック倶楽部でLFJ東京放送

6月27日(水)~29日(金)

AM6:00~6:50

NHKBSプレミアム「クラシック倶楽部」

で『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2012』

の模様が放送される予定です。

番組の詳細は未定。

http://www.nhk.or.jp/classic/club/

テレビでなくて、web配信してほしい。

どうしてできないんだ。

金なら払う。

【マルタンファミリーによる動画】ショパンノクターン全集

世界にはずいぶんとありがたい方がいらっしゃるものです。

ショパンのノクターン全集。(生前出版された18曲)

演奏者は、ユンディ・リ、ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ、アブデル・ラーマン・エル=バシャ、フィリップ・ジュジアーノ、アンヌ・ケフェレック、児玉桃、イド・バル・シャイ。

音源は、ユンディを除いてはLFJ(たぶん2010年ワルシャワ)。

ヌーブルジェは、Op.9-2、15-2、37-2に登場(既出)

(ちなみに、ヌーブルジェのミドルネームが間違ってます)

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